イギリス大学院授業実況【会話分析とIRFとは?】

リーズ大学大学院のTESOLコースでは様々な分析方法を学ぶ機会があります。

分析方法を学ぶ目的は、もちろん修士論文を書くために必要ということはありますが、それ以上に物事の切り取り方を学ぶという側面が大きいです。

その内の一つが会話分析(Conversation Analysis)です。

この方法は、会話をすることが、とても組織だった様々な手続きによって成立している現象であることに着目したものです。実際の会話の音声を録音し、詳細に書き起こした上で、そうした手続きの観察・分析を行います。 

普通は自分の会話を記録して分析しようとは思いません。他者とコミュニケーションできることを「当たり前」と捉えているからです。

しかし、スムーズにコミュニケーションをとれるということは、そこに様々な法則性やコミュニケーションパターンがあり、無意識的に使い分けているからなのです。

その証拠に、英語といった第二外国語で会話をしようとした時にスムーズにできないことが多々あります。TOEICなどで高得点を出すことができ、十分の文法知識と語彙力があるにもかかわらずです。

その原因は、ズバリ、コミュニケーションのパターンを持っていないためです。

今回の記事では会話分析を用いた教師と学習者のやりとりに焦点を当てていこうと思います。

さて、教師と学習者のやりとりについて会話分析を行った結果分かったことは、「IRF」というパターンがあるということです。

IRFとは

Initiative - Response - Feedback

の頭文字をとったものです。

つまり、

教師の発問 - 学習者の返答 - 教師によるフィードバック

という一連の流れがあるということです。

IRFから得られる示唆は、効果的な発問とフィードバックを組み合わせることができれば、学習者を伸ばすことができるということです。

英語教育の文脈だと、学習者の理解度に合わせた発問というインプットをしつつ、生徒とやりとりをしていき、生徒の反応に対して評価をしたり、より良い言い方を伝えるということになります。

表面的な返答ではなく、考える時間を確保した上で発話を促すことがとても重要で、反対にそれをしないと学習者から「無反応」という事態が起こってしまうかもしれません。

授業の中で最も面白いと思ったことは・・・

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