アカデミックスキル(5)論文を構成する方法
今回のアカデミックスキルでは、論文の構成の仕方について学んでいきましょう。
そもそも良い構成とは何でしょうか?
アカデミックライティングは建築に似ています。
つまり、
・土台を築く導入部分
・骨組みを作る本論部分
・屋根をかける結論部分
・全体の構成を確認する監査
です。
それでは、アカデミックライティングにおける基本的な構成を見ていきましょう。
<基本的な構成>
1.導入部分
・なぜこのトピックを選んだかの説明
まずは、論文にはタイトルがあり、そのタイトルには重要なキーワードが使われることになります。導入部分で、なぜそのトピックについて研究しようと思ったかやなぜそれが重要なのかを示す必要があります。
・専門用語の定義づけ
アカデミックに研究をする上で欠かせないのが、そのトピックに関連して出てくる専門用語です。専門用語は研究者によって様々な定義付けをされていることが多いです。自分の研究に一番マッチしている専門用語を探すのも大切です。
・重要な問題点や論争点について
研究しようとしているトピックについて、先行研究ではまだ明らかにされていない点や、意見の対立が起こっていることがあります。これらに触れておくと、研究の趣旨がはっきりします。
・どのようにそれらの問題点を調査するのか全体像を示す
研究をしようと思っていても、研究するための具体的な方法がわからなければ絵に描いた餅です。どのような方針で調査をするのが全体像を示すことが重要です。
2.本論部分
・主張を発展させる
・明解で論理的に一貫した文をはりめぐらせる
・主張とトピックを関連付けさせる
・主張を説明や根拠によって支える
本論の一番の目的は、自分の主張を説得力ある形で提示す ることです。
そのためには論理的に一貫した文章を書くことが大切で す。
つまり、自分の主張とトピックを関連付けさせるのと同時に、その主張を説明や根拠によって下支えすることが大切です。
3.結論部分
・重要な発見や主張の簡潔な説明
・結論を示す
・より広い文脈や異なる研究での応用を模索
最後に結論部分では、自分の主張や研究でわかったことを振り返って簡潔に書きます。
その上でこの研究で得られた結論を示します。その際には、メインテーマに関する発見や、そこで得られた知見に関する簡潔な説明が必要です。
このでのポイントは、要約ではなく、「統合」することです。つまり、各段落のトピックセンテンスに書かれているバラバラのポイントが、メインテーマとして扱っている議論にいかに収束しているのかを示すことが重要です。
そして、最後に今回の研究が他の研究に役立つかを示し、抽象化します。ここでは、読み手が持って帰れるメッセージは何かを考えます。読者が他に応用できそうな事柄を一般化してかくとよいでしょう。
次に、段落の構成方法について学んでいきましょう。
(1)主張(メインアイデア)は1段落につき1つにする。
(2)各段落の最初の文は主張を示す(トピックセンテンス)
(3)その主張を支える根拠を示す(データ、引用、統計など)
いわゆるトピックセンテンスで主張を述べたあとは、なぜその主張が成り立つのかの理由や説明、対立する主張などを書いていきます。
(4)段落の終わりでは、論文のテーマに対して、その段落の主張がどのように貢献するかのポイントを示すか、主張をより深掘りしようと次の段落につなげるかを明示する。
ポイントとしては、読み手が各段落の最初の文と最後の文を読んで、その論文で何を伝えたいかを理解することができているかです。
<構成のためのプランニング>
1.メインポイントのリストを作る
↓
2.各メインポイントと関連する事実、根拠、データをリンクさせる
↓
3.ポイントとEvidence / Explanation / Evaluationを分離させる
↓
4.それらを論理的な順番に並び替える
↓
5.何度も書き直す
<段落の各構成で使える表現集>
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