中学3年までに英検準1級を取るなら英語の小説読書しかない。ゆるそうで最強の英語勉強法、やってますか?
英検と言えば、たくさん問題集や参考書、単語集がありますよね。
今までにたくさんの生徒さんを指導してきましたが、英検に受かりたい!と思えば思うほど、英検合格が遠のいていくのを見てきました。
例えば、英検教本や予想問題集の解説を読んで、一生懸命に対策しても、なかなか成果が上がってきません。
そして、やっとのことで受かっても、合格者に期待されるアウトプット力はついていない、そして、次の級の合格までには程遠い点数、というのがほとんどのケースです。
参考書、教本、単語集、予想問題集、どれも、英検専門の教材のはずなのに成果が出ない。
理由はなぜだと思いますか?
それは「外国語として英語を扱っているから」。
英検教材の説明に使われている言語は日本語です。つまり、日本語ベースで英語を理解することを強化しています。
英語を読む・聞く
→ 日本語に訳す
→ 日本語で理解する
→日本語で考える
→ 英語に訳す
→ 英語で話す・書く
英語をわかるためには日本語を仲介する必要があります。
これの何が良くないのか?
3つあります。
情報処理スピードが極端に落ちること
日本語力が英語力の限界になるため、日本語にないコンセプトは理解できないこと
英語らしい表現を使うことができなくなること
自然に流暢にどんどん英語力を伸ばしていきたいのなら、障害になることばかりですが、それではどのように英語に取り組めば良いのか?
ヒントは母語の習得方法にあります。
つまり、日本語を介して英語を理解するのではなく、英語を英語のまま理解する学習方法を積極的に取り入れることです。
この記事のタイトルにあるように、中学3年までに英検準1級を取りたいのなら、「日本語ベースで英語を理解する勉強方法」からはできるだけ早く離れないと、間に合いません。
英検対策!と聞くと、直接的で効果的に感じられますが、印象とは裏腹で、実際には、上記のような理由で大きな遠回りになるからです。
試験は情報処理スピードが合格のカギです。
長文読解、リスニング問題など大量得点のできる問題や、ライティング、スピーキングなど、すべて制限時間内に処理できる情報処理スピードを上げることがもっとも効果的な対策ですが、日本語解説経由で英語を理解している限り、英語の処理スピードは決して上がりません。
日本語回路をバイパスして理解する方法を採用しないと、脳にかかるストレスや摩擦を減らしつつ、劇的にスピードを上げることは不可能です。
そして、英検が扱っている内容にも問題があります。
特に、まだ小さい子には英検準1級で出てくる抽象的な単語は意味が分からないからです。
しかも、解説書は日本語に訳して理解させようとするので、日本語に直してもわからない内容だったら、どうしようもなくなります。
わからないから読み進めることもできない。でも、延々とわからない問題をやり続けるくらい苦行のような体験はないので、だんだん英語を読むのもおもしろくなくなって、英語が嫌になっていきます。
さらに、日本語経由で理解している限り、会話の精度も質も下がります。
英↔日で訳す度に、微妙に取りこぼしが出て不正確になるからです。
つまり、外国語として英語を扱っている限り、本来達成可能なスピードには到達できないのです。
では、具体的にはどうすれば良いのかというと、英語小説読書をします。
本を読むことは、能動的に大量の情報を頭に入れることです。
しかも、難しい本を精読するのではなく、読んだそのままを理解できるレベルの本が最適です。
読書の目的は、語彙の増強でなく、英語で英語を理解する英語脳回路を整備することです。
大量の情報、というのがキーワードです。
回路を何度も繰り返し使うことで英語脳が強化されるので、負荷を少なくして回転数が高い方が効果的です。
読み物の目安は、辞書を引かなくても、わからない単語は推測できるレベルで、98%くらい単語がわかっている本が良いです。
一回読んだだけで内容がつかめるというのも良い目安です。
読めてわかったからといっても、本を閉じて英語で要約することが難しいように、意味を取ることだけに注目せず、自分の英語で再現できるかどうかを考えると、ほとんどどんな本でも、まだまだ学べる所が多いことに気づくはずです。
利き手でない方の手でも、トレーニング次第で自由に使えるようになるように、脳や神経系はいくつになっても必要に応じて発達します。
英語脳は何歳になっても作れますが、英検などの検定にできるだけ早く合格したいのなら、幼い時期からこの回路の仕組みを理解して、英語小説読書ができるように、環境整備とトレーニングを始めることおすすめします。
英語小説読書で起こる、「英語↔具体的イメージ」のメリットについては、今度また詳しく書いてみたいと思います。