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CT検査とMRI検査の違い
CT、MRIの違いについてお話しします。
CT検査
Computed Tomography
(コンピュータ断層診断装置)の略で
・脳
・肺
・骨
・腹部
に関して得意な検査です。
①頭部CT
脳の断面像を撮影します。
・頭蓋骨の形状
・脳出血の診断
・古い脳梗塞の診断
②胸部CT
肺・縦隔の断面像を撮影します。
胸部X線検査には写らない
早期の小さな肺がんや炎症の発見に有用です。
また胸部大動脈の状態や
心臓血管の石灰化の観察ができます。
③上腹部CT
上腹部の断面像を撮影します。
主に
・肝臓
・胆嚢
・膵臓
・腎臓
・脾臓
これらの病変の発見に有用です。
④上腹部~下腹部CT
上腹部に加え
骨盤内臓器の断面像を撮影します。
・大腸
・膀胱
・前立腺
・子宮や卵巣
これらの病変の発見に有用です。
⑤内蔵脂肪CT
腹部内臓脂肪と
皮下脂肪の面積を測定します。
お腹周りが気になる方
脂質、血糖値、血圧に
不安がある方におすすめです。
⭕️長所
撮影時間が比較的短く
容易に断層像が得られる。
頭部救急病変(出血疑いなど)への適応が高い。
骨の情報が得られる。
❌短所
放射線被曝がある。
またその仲間のMDCT装置は
(多列検出器コンピュータ回転断層装置の略)
✔︎レントゲン撮影のみでは診断の難しい
微細な骨折の画像診断が可能です。
✔︎MPR(再構成)処理により
レントゲン撮影だと重なっていて
見えない病変なども診断可能となります。
✔︎3D処理により立体視して
治療計画や手術法の決定に活用できます。
✔︎一度の検査で身体の様々な方向から
撮影した画像を再構築することが可能です。
MRI検査
Magnetic Resonance Imagingの
頭文字をとったもので
・脳
・脊髄
・関節
・骨盤腔内臓器
に関して得意な検査です。
①頭部MRI/MRA
(MRAは磁気共鳴血管造影
magnetic resonance angiographyの略)
脳の断面および脳血管を撮像します。
・脳腫瘍
・脳動脈瘤
・脳梗塞(無症候性)
これらの発見に有用です。
②下腹部MRI
・膀胱
・子宮
・卵巣
・前立腺
これらを撮像します。
・子宮筋腫
・卵巣嚢腫
・前立腺肥大
・前立腺がん
これらの発見に有用です。
⭕️長所
放射線被曝がない。
組織間コントラストに優れている。
任意の断層像を得ることができ
撮像法を変えることで病変の質的評価ができる。
造影剤なしで血管の画像が得られる。
❌短所
強い磁力が発生するため
体内に金属(ペースメーカー等)が
入っている人は検査できない。
撮影時間が長い。
およそ20〜40分。
閉所恐怖症や安静が保てない場合は難しい。
検査中の音が大きくうるさい。