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2022.1.16 - B3 : 埼玉×山口

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introduction

この年末年始は、家庭の方が少しバタバタしていたこともあり、現地観戦の予定は入れずじまい。Bリーグがシーズンの真っ只中ではあるが、「これは絶対に観たい」と食指が動くことも特に無く、いつの間にか年初ムードは終了していた。気が付けばカレンダーは1月中旬で、さすがに1ヵ月以上も現地観戦から遠ざかっていると、ちょっと落ち着かなくなってくるのが悲しい性というもの(笑)。この週末は久々にバスケ観戦とする。

この週末は天皇杯が行われる関係でB1の試合が無く、リーグ戦の試合が行われるのはB2もしくはB3のいずれか。検討の末に観に行くことに決めたのは、B3・埼玉×山口の一戦。今回は日曜日に行われるGame2の試合を観る。久々にブロンコスを観るのも興味深かったし、今季からB3に参入した山口を一度観てみたかったので、ちょうど良い機会になりそうだったためだ。

西武新宿線を新所沢で下車し、徒歩10分程度で所沢市民体育館に到着。道順は少し分かりにくいが、ここに来るのは2度目なので勝手はなんとなく分かっている。体育館の前にはブロンコスのラッピングをしたトラックが1台止めてあり、なんとなく試合が行われることを示してはいるが、それ以外にバスケの試合がこれから行われることを窺わせるような雰囲気はなく、牧歌的そのものだ。「B3らしい」といえばそれまでだが。

両チームの現在の成績を整理すると、埼玉は15勝10敗で7位。B3では例年順位表の下の方が定位置というイメージのある埼玉だが、今季は若くして指揮官の座に就いた泉秀岳HCのもと、上位争いに食い込む勢い。一方、今季B3参入初年度の山口は8勝19敗で12位。今季のB3は長崎ヴェルカとアルティーリ千葉という新規参入組の二大勢力がリーグを席巻しており、山口はその陰に隠れてしまっている印象だが、成績としてはまずまずという印象だ。前日に行われたGame1では、埼玉が前半からリードを保ち95-83と逃げ切りに成功している。この試合でも勝利して連勝といきたいところだろう。

また、この試合では埼玉県飯能市が舞台となっているTVアニメ『ヤマノススメ』のコラボレーション試合となっており、今年放送予定の新作にも出演する声優の岩井映美里さんが一部のアリーナMCなどを担当していた。個人的に『ヤマノススメ』はアニメを全話見る程度には好きな作品で(笑)、これが所沢へ足を向ける動機のひとつとなったことも付記しておきたい。『ヤマノススメ』のファンもそこそこ駆け付けていたようだ。

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1st/2nd quarter

1Q早々に波に乗ったのはホームの埼玉。先取点を奪って試合のアドバンテージを得ると、4-2で迎えた8:32に佐藤がこの日最初となるスリーポイントを沈めて7-2。更に8:03に再び佐藤、その後も立て続けにクリークモア、新川がスリーを決め、埼玉が4連続3Pを沈めてさっそく突き放しにかかる。クリークモアはB2ウォッチャーならばおそらく一度は見たことのあるであろうクオリティの選手で、このカテゴリではやはり存在感がある。

一方の山口も堅実に中を崩していく様子が見受けられ、しぶとく2PのFGを積み重ねて食い下がるものの、インサイドの堅い埼玉の守備を前に徐々に撃たされる形が多くなっていき、じわじわとスコアを離される展開。クォーターの最後には古巣・埼玉との対戦でもあるエイケンが3Pを沈めるが、25-20の埼玉リードで1Qが終了する。

2Qに入ると、すかさず埼玉が仕掛ける。9:36に中野が3Pを決めると、次の山口の攻撃ミスから再び中野が3Pを決め、ワトキンスが2Pを加えてすかさず山口がこの試合最初のタイムアウト。仕切り直したかった山口だが、タイムアウト明けの攻撃でも埼玉が中野の3Pで更にスコアを積み重ね、2Q冒頭だけで埼玉が「11-0」のラン。山口にとってはこれだけでも手痛いが、6:25にはエヴァンスがシュートモーションに対するアンスポーツマンライクファウルを取られるなど悪いことが続く。オフィシャルタイムアウト時には44-25と19ポイント差にまで広がっていた。

リードを大幅に広げてからの埼玉は、クリークモアをベンチに下げてやや余裕のある試合運び。一方の山口はやはり攻撃のちぐはぐさが出てしまい、流れに乗ることができない。結局、57-33で2Q終了。前半だけで10本ものスリーポイントを決めた埼玉が、20ポイント差以上の大差をつけての折り返しとなった。勝敗への興味がやや薄れつつある状況だが、後半の山口がどれだけ見せ場を作ることができるか。

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3rd/final quarter

後半に入ると山口がやや立て直して両チームが主導権の奪い合い。後半最初のポイントこそ埼玉に許すものの、その後は山口が立て続けに6ポイントを連取して巻き返しを図る。ここから埼玉はチームの日本人最年長である佐藤が見せ場を作る。7:38のロングツ―、5:50のドライブからの得点で山口に傾きかける流れを断ち切ると、5:26には体勢を崩されながらの難しい3Pを沈めて71-45と、再三に渡り山口を突き放す。結局、佐藤は3Qだけで9得点を叩き出す活躍ぶりだった。

山口は71-45の状況から2つの3P、また埼玉のターンオーバーからサンプソンのダンクなどで一挙10点を詰めるものの、20点以上の大差がついている状況ではさすがに相手の背中が遠いまま。3Qは79-61で終える。

4Qは立ち上がりから山口が3連続得点で79-68と詰め寄り、徐々に得点差は現実的なものに。互いにポイントの取り合いとなり、4~5ポゼッション差での展開が続く。ワトキンスがインサイドを攻めて得点を重ねる埼玉に対し、山口は山口が2つの3Pを揃えて88-76。更に4:26には速攻から山田が決めて88-78。遂に10点差となったところでオフィシャルタイムアウト。ゲームスピードが速くなってきたところで山口が波に乗ってきた形だ。

しかし、タイムアウト明けのプレイで山口はこの4Qで5つ目のチームファウルをおかしてしまい、埼玉にFT。これを長島が2つ揃えて12点差。続くプレイでも長島が山口のファウルを引き出して再びFTが与えられ、これも2つ決めて14点差。続くプレイではクリークモアが決めて埼玉が94-78と突き放しに成功する。山口はここでタイムアウトを取るが、残り時間は既に4分を切っており、逆転は望み薄だ。

連続得点で立て直した埼玉は、スコアが90点台後半となり、アリーナMCからも3桁得点を期待してファンに更なる応援を煽る。そして2:02に新川の3Pで得点を大台の100点に乗せることに成功。観客席からの拍手も一段と大きくなった。その後の残された時間も大きな波風は立てずに凌ぎ、102-87で試合終了。埼玉は昨日のGame1に続いてのカード連勝となった。

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impressions

スコアが示すとおり、埼玉の快勝だった。勝因は明白で、埼玉のミドル&ロングレンジのショットが冴え渡ったという点に尽きる。試合トータルで見れば成功率はまあまあだが、前半だけに絞れば、埼玉の3P成功率は10/18でなんと50%超え。成功率だけでなく手数でも山口を圧倒し、普通にやればこれで勝てないわけがない、という展開だった。インサイドにも強い選手を揃えていた分、外からも安心して撃てたのが影響したかもしれない。

チーム全体で満遍なく得点を取ることができたのも埼玉の良かったところだろう。インサイドはクリークモアが圧倒的な存在感を放っていたし、外からも佐藤・長島・吉川といった面々が要所で得点を細かく積み上げ、山口の追い上げを許さなかった。特定の誰かに依存しない戦い方で3桁の大台まで得点を積み重ねることができたのは見事だった。

敗れた山口は、前半で大きくビハインドを背負ってしまい、逆転のシナリオがあまりに非現実的なものとなってしまった。前半と比較して後半に埼玉がややショット精度を欠いたのに対し、山口は3Q中盤と4Q序盤の連続得点で小刻みながら差を詰め、一時は10点差まで追い上げるカムバック。PGの山田を中心に、ゲームスピードの波にうまく乗ることができていた。ただ、4Qオフィシャルタイムアウト明けの連続ファウルで埼玉にFTを立て続けに与えてしまったところで万事休した感はあった。ここは埼玉のファウルの引き出し方が巧かったという見方もできるだろう。2連戦で埼玉が連勝し、ひとまずは貫録を示したといったところだが、その一方で、山口の今後の更なる成長を予感させる試合内容だったこともまた確かだった。

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自分個人としては、およそ1か月半ぶりのスポーツ現地観戦(バスケに至っては3か月半ぶり)であり、少し感覚が鈍っていないかどうか心配していた部分もあったのだが(笑)、特にこれといった支障も無く、無事に2022年最初の現地観戦を終えることができた。今年は家庭の事情もあってバスケに限らずサッカーも観戦試合数は少なくなりそうだが、都合のつく範囲内で楽しみたいし、観戦メモに限らず、何かしらテキストを起こしていくことができればと考えている。

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