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#109【リロ&スティッチ】ep.1「ハワイに行きたくなる、そんなサウンド」
※この記事はPodcast番組「映画にみみったけ」内のエピソード#109にあたる内容を再編集したものです。
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【リロ&スティッチについて】
2002年公開(日本2003年公開)
監督:クリス・サンダース、ディーン・デュボア
音楽:アラン・シルヴェストリ
サウンドトラック
作曲家作品
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART 1,2,3
プレデター 1,2
ボディガード
スーパーマリオ 魔界帝国の女神
フォレスト・ガンプ/一期一会
マウスハント
スタートレック 叛乱
スチュアート・リトル 1,2
ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
リロ&スティッチ
トゥームレイダー2
ヴァン・ヘルシング
ポーラー・エクスプレス
ナイト ミュージアム 1,2
特攻野郎Aチーム THE MOVIE
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
アベンジャーズ
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
アベンジャーズ/エンドゲーム
レディ・プレイヤー1
ピノキオ
登場人物
リロ:
ハワイ・カウアイ島に暮らす少女。
スティッチ:
ジャンバ博士に生み出された生物兵器。地球のカウアイ島に不時着する。
ナニ・ペレカイ:
リロの年の離れた姉。両親の死後、一人でリロを育てる。
ジャンバ・ジュキーバ博士:
スティッチを作り出した博士。
ウエンディ・プリークリー:
地球の専門家のエイリアン。蚊の絶滅を防ぐため地球への攻撃に反対する。
議長:
銀河連邦の議長。スティッチを連邦から追放する決定を下す。
あらすじ
様々なエイリアンによって構成された銀河連邦は、悪の科学者・ジャンバ博士を逮捕しました。
ジャンバ博士は違法な遺伝子操作によって、危険な生物兵器を育てていたのです。
彼の生み出した試作品626号は、恐るべき破壊本能と高い知能を持ち、運動能力にも長けた大変危険な生き物でした。
銀河連邦によって拘束され、追放が決定されるジャンバ博士と生物兵器。
ですが、隙をみて暴れ出した626号は宇宙船を強奪し、そのまま逃走してしまいます。
626号が逃げた先は、銀河の辺境・地球でした。
危険な生物を抹殺するため、攻撃を検討する銀河連邦の議長。
ですが地球は貴重な生き物の保護区であり、うかつに手を出せません。
そこで銀河連邦は、生物兵器の生みの親であるジャンバ博士を試作品捕獲のため送り込むことに決めました。
一方、ハワイのカウアイ島に住む5歳の女の子リロちゃんは、歳の離れた姉であるナニさんと二人暮らしの生活を送っていました。
両親を亡くしたリロちゃんは孤独を抱えており、姉のナニさんも家事に追われてなかなか妹をかまってあげられません。
そんな中、カウアイ島の上空から燃え盛る宇宙船が落下してきます。
乗っていたのは、例の生物兵器でした。
そしてナニさんはリロちゃんを慰めるため保護犬をもらいに行くのですが、その場で犬と間違えて生物兵器を引き取ってしまうのでした。
スティッチと名付けられたその生物は、正体を隠しリロちゃんに飼われているふりをします。
凶暴な性格と高い知能から、リロちゃんとの生活になじめないスティッチ。
ですが平和な島での暮らしを続ける中、自身の存在意義を失ったスティッチは、次第にリロちゃんとの家族の絆に目覚めていきます。
【はじめに】
なんかディズニー作品の中では異色作なのかなというイメージですが、どうなんでしょう。
僕はとても好きでした。
スティッチというキャラクターが人気な理由もわかりますね。
見た目はかわいいけど、声が意外と低いというね。
日本語吹き替えは山寺宏一さんだそうです。
ストーリーは少し駆け足気味ではありますが、スティッチの破壊衝動みたいなものがリロちゃんと共に過ごす事で、少しづつ収まっていって、家族として過ごせるようになるという、そんな作品でした。
連日暑いので、ハワイの海の感じが涼しげでした。
暑くてやる気がでない時はいいかもしれませんね。
とても前向きで明るい映画ですし。
【ハワイアンな楽器】
ということで、この映画はハワイを舞台にちょっと不思議なエイリアンと少女の物語ですので、今回はハワイアンな楽器をみていこうと思います。
アラン・シルベストリさんが作曲されている楽曲ではオーケストラが多いのですが、どのあたりでハワイの楽器が使われていたかというと、主に歌曲のタイミングで使われていました。
まずはハワイの楽器でもっとも一般に浸透している楽器の登場シーンです。
ハワイアンな楽器1 ウクレレ
43:18
リロちゃんはスティッチにエルヴィス・プレスリーさんについてレクチャーしていて「プレスリーはギターを弾くの」といって、ウクレレを渡すシーンです。
スティッチはウクレレ演奏の才能があったのかあっという間に覚えて演奏するんですよね。
それがアンプに繋いだような歪んだ音が出るんですよね。
さすが、エイリアンですね。
ということで、このウクレレというのは、元々はポルトガルの移民によって持ち込まれた、ブラギーニャという楽器を起源に、ハワイ独自の改良が重ねられてできた楽器と言われています。
ギターをそのまま小さくしたような胴体に4本の弦が張られた見た目で、小さいだけあって高音の可愛らしい音がなります。
ウクレレの語源は、飛び跳ねるを意味するレレと虫のノミを意味するウクが合わさった言葉で、人気だったウクレレ奏者のあだ名から取られたという説だったり、演奏中の指が目まぐるしく動くからとも説があったりするそうです。
そんなウクレレは意外とたくさんの種類があります。
ベビーサイズ、ベビーサイズ ソプラノスケール、ソプラノサイズ、ソプラノサイズ 14fジョイント、ソプラノロングネックサイズ、コンサートサイズ、コンサートロングネックサイズ、テナーサイズ、バリトンサイズという種類があります。
よく目にするのは、ソプラノサイズで、それぞれの違いは演奏できる音の数が多かったり、サイズがでかいことで反響する音がふくよかに鳴る違いがあります。
チューニングも少しバリトンサイズやバスサイズでは違いますが、4弦からG、C、E、Aとギターとは少し異なっていて、少し言葉だと伝わりづらいですが、4弦の5ft、3弦の5ft、2弦の5ft、1弦の5ftで同じ音を出すことができます。
カポを使うと簡易的に同じ音程を弾くことができますが、アコースティックギターやエレキギターとは、弦の種類が違うので似た音にはなりませんけれどもね。
ハワイアンな楽器2 イプ
次に映像でも登場していたイプという打楽器です。
10:56
オープニングタイトルが登場してハワイの海やフラダンスの練習などのシーンです。
この時はアップルミュージック リロ&スティッチ OST 7曲目に収録されている「リロの歌」という楽曲が演奏されています。
概要欄にアップルミュージックのURLを貼っておくので、興味のある方はぜひ聴いてみてください。
このシーンで瓢箪型の太鼓を男性が叩いているシーンがあります。
この楽器はイプという楽器で、手の腹で叩くボンボンという音と指の腹で叩くトントンという音を出したり、地面にぶつけることで音を出したりします。
このシーンでのみ使われていた楽器ですが、フラダンスでは必須と言ってもいい音だそうですね。
他の映画でも、フラダンスが登場した時の楽曲に、民族的な打楽器が登場していたらそれはイプの可能性が高いですね。
ハワイアンな楽器3 スチールギター
つぎに、他の国でも使われている楽器ですが、ハワイアンにはよく登場するスチールギターです。
46:04
落ち込むリロちゃんとナニさんを励ますために、ファイヤーショーパーフォーマーのデイヴィットさんがサーフィンを誘ってみんなでサーフィンするシーンです。
ハワイアンミュージックでは、メロディ楽器にもよく使用されるスチールギターですが、OST 1曲目に収録されている「ハワイアン・ローラー・コースター・ライド」という楽曲で使われています。
バッキングとしても使われているのですが、ギターソロでも使われています。
厳密なスチールギターを所有していないので、似た音を出してみるとこのような音です。
(ここは演奏)
雰囲気ありますよね。
カントリーやブルース、ブルーグラスといったジャンルでも使われるスチールギターですが、ハワイアンミュージックではとてもポピュラーな楽器です。
演奏方法は独特で、お琴のように床やテーブルに置いて、フィンガースライドという金属の筒や金属の球を使って、シームレスに音程を変化させながら演奏するのが特徴です。
ということで、ハワイアンミュージックにまつわる映画に登場した3つの楽器を見てきました。
特にウクレレとスチールギターの音はハワイっぽいですね。
耳からハワイを感じられますね。
ウクレレとスチールギターは弾いたことありますが、ハワイには行ったことはないので、もし行く機会があったら現地で演奏してみたいですね。
【エルヴィス・プレスリーの楽曲】
そして映画によく登場していた歌曲といえば、キングことエルヴィス・プレスリーさんです。
主人公のリロちゃんはプレスリーさんの大ファンで、スティッチにもプレスリーさんみたいになる訓練を受けさせるシーンもありましたね。
そんなエルヴィス・プレスリーさんを軽く紹介すると、いわゆるロックンロールのパイオニアの一人で、キング・オブ・ロックンロールと呼ばれ、キングの相性で親しまれています。
世界中で大ヒットを記録、史上最も成功したソロアーティストの一人として数えられています。
1953年にメンフィスにあるサン・スタジオで創業者であるサム・フィリップスさんによって売り出され、その後1955年RCA(現ソニー・ミュージックエンターテインメント)に移籍します。
当時のアメリカのコンプライアンスは今よりも過激で、TV出演の際、彼の腰を動かすパフォーマンスを行ったところ、当時はかなり抗議があったそうです。
しかしそのパフォーマンスで彼は、若者のアイコンとして一躍有名になりました。
ジャンルはロックンロール、ブルーグラス、ブルース、カントリー、ゴスペル、ポップ、R&B、ロカビリーと多岐に渡りますが、とても勢いのあったアメリカを象徴するジャンル構成です。
自身はボーカルがメインですが、ギター、ピアノを演奏していてベースも弾けたそうです。
当時人気絶頂だったビートルズがエルヴィス・プレスリーさんの大ファンだったらしく、家に遊びに行った際、髪を下ろしベットで寝っ転がりながらベースを弾いていて、イメージと違うと思ったそうですね。
そんなロックスターなプレスリーさんは写真でも劇中に登場していましたね。
エルヴィス・プレスリーの楽曲1 「Devil In Disguise」
42:31
福祉局員のバブルスさんにナニさんは仕事探しを、リロちゃんはスティッチのしつけを言い渡されて「エルヴィス・プレスリーは立派な人だったから、プレスリーを真似したらきっと立派な犬になれるよ」という持論を展開するシーンです。
この時、アロハシャツにハイビスカスの首飾りをしているプレスリーさんの写真が登場しています。
ここで演奏されている楽曲は、「Devil In Disguise」という楽曲で、邦題は悲しき悪魔だったと思います。
「You look like an angel」という歌詞が登場するのですが、スティッチに会う前にリロちゃんは天使が来ますようにと言っていたので、ぴったりの楽曲ですね。
エルヴィス・プレスリーの楽曲2 「Heartbreak Hotel」
次に
15:22
同い年の子と喧嘩してしまったリロちゃんを探しに、ナニさんが急いで家に帰るシーンです。
ここではご傷心のリロちゃんが全ての扉を締め切ってプレスリーさんのレコードを聴いています。
この時に聴いているのは「Heartbreak Hotel」という楽曲です。
リロちゃんはまさにハートブレイクだったということですね。
様々な気持ちを網羅しているプレスリーさんさすがです。
エルヴィス・プレスリーの楽曲3 「Stuck On You」
そして次に、
30:25
スティッチを引き取ったリロちゃんは、色んなところへスティッチを連れて行ってあげるシーンです。
ここで演奏されているのは「Stuck On You」という楽曲で、邦題は「君が本命だ」というタイトルです。
歌詞としてはどんなことをされても君に夢中だみたいな内容なのですが、この時は破壊衝動があるスティッチなため、仲良しというわけではないんですね。
ただ、引き取ったばかりだし、わからないこともあるし、リロちゃんはスティッチを気に入っているようなので、ここでは君が本命だが演奏されているのでしょう。
エルヴィス・プレスリーの楽曲4 「Suspicious Minds」
次に
41:13
スティッチを蓄音器がわりに使うシーンです。
なぜそうなるかはわかりませんが、スティッチは回るレコード盤の上に爪を乗せて口を開けると、音が再生されるみたいで、その時に演奏されていました。
ここで演奏されている楽曲は「Suspicious Minds」という楽曲で、直訳すると疑わしい心とかそんな感じになると思います。
前々から、スティッチは犬じゃないんじゃないかという、疑念がナニさんにはあったので、蓄音機になったらいよいよ犬じゃないかも、という意味でこの楽曲が選ばれたのではないかと思います。
とてもベストなチョイスですね。
エルヴィス・プレスリーの楽曲5 「Hound Dog」
最後に
1:00:18
スティッチを作ったジャンバ博士がスティッチを捕まえに来て、リロちゃんとナニさんの家で戦うシーンです。
戦闘の最中、流れ弾がレコードに当たって「Hound Dog」がかかります。
どの楽曲も有名ですが、プレスリーさんの楽曲の中でも特に有名な楽曲ですね。
特徴的なのはそのスネアドラムの音量です。
今では当たり前ですが、当時の楽曲では、スネアはここまで大きな音で録音されていなかったので、非常に衝撃的な作品だったのだと思います。
戦っているシーンにも勢いがあっていいですね。
ということで、劇中に登場したエルヴィス・プレスリーさんの楽曲はこの5曲でした。
リロちゃんがエルヴィスファンというのは、いい設定ですよね。
周りの子達ともどこかうまくいかなくて、少しだけ変わり者という設定ととても噛み合っていました。
【エンディング】
ということで、今回はハワイアンな楽器と劇中で使われていたエルヴィス・プレスリーさんの楽曲をみてきました。
ハワイアンな楽器は歌曲で使われていたり、プレスリーさんの真似をするのに使われていましたね。
やはり登場するだけで、一気にハワイの雰囲気が出て映画の統一感もありました。
プレスリーさんの楽曲も妙に馴染みがよく、リロちゃんのキャラクター設定との噛み合いもあり、この映画には欠かせないものになっていましたね。
歌詞を含めた意味も合っていて、英語圏じゃないとこのあたりにはなかなか気づきづらいですが、英語圏の人からしたら、合ってないことの違和感がすごいでしょうね。
ということで、次回もリロ&スティッチとサブスクリプションでは「アビス」という作品から1曲やろうと思います。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
映画にみみったけ、放送時のパーソナリティはヨシダがお送りいたしました。
podcastのエピソードは毎週日曜日に配信中ですので、そちらでもまたお会いいたしましょう。
ではまた!