#33【インディ・ジョーンズ / 最後の聖戦】ep.1「映画の内容と作家性は、噛み合えば名作」
※この記事はPodcast番組「映画にみみったけ」内のエピソード#33にあたる内容を再編集したものです。
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【インディ・ジョーンズ / 最後の聖戦について】
1989年公開
(新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が2023年6月30日に日米同時公開予定)
こちらも楽しみですね。
白髪のハリソンフォードさんが出ているトレイラー映像を観ましたが、メインテーマが素直に演奏されておらず、少し不安感を感じるアレンジになっていたのは、昔のように物事がうまく運ばなくなったインディージョーンズさんの苦悩と、それでも奮闘してしまう知的好奇心あふれるお宝の話でも聞いたのですかね。とにかく楽しみです。
監督:スティーブン・スピルバーグ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
作曲家紹介
ジョン・ウィリアムズさんはこのポッドキャストでも取り扱ってきた音楽家です。
・ジュラシックパーク
・スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
・ホーム・アローン2
・ハリー・ポッターと賢者の石
を取り扱いましたね。
その一度聴いたら忘れられないメロディや深く興味を抱かせるオーケストレーションで世界中を虜にしてきた音楽家です。
映画は知らなくとも音楽は聴いたことがあるという方も多いのではないのでしょうか。
もとはジャズピアニスト出で、和音の解決法なんかで一端を見ることができます。
アカデミー賞とグラミー賞を計13回も受賞した経験がある、いわばレジェンドですよね。
現代的な映画音楽の基礎を敷いたといっても過言ではなくて、いっときはジョン・ウィリアムズさんのような作曲方法が横行する時代があったというくらい、音楽家に多大なる影響をいまでも与え続けている、現代映画音楽の父とも呼べる存在です。
作曲家作品
おしゃれ泥棒
屋根の上のバイオリン弾き(アカデミー編曲賞)
ポセイドン・アドベンチャー
ロング・グッドバイ
タワーリング・インフェルノ
ジョーズ1,2(1でアカデミー作曲賞・グラミー賞受賞)
スター・ウォーズEP1~9(5でグラミー賞受賞)
未知との遭遇(グラミー賞受賞)
スーパーマン(グラミー賞受賞)
インディ・ジョーンズ1~4(1でグラミー賞受賞)
インディ・ジョーンズ5(2023年公開予定)
E.T.(アカデミー作曲賞・グラミー賞受賞)
ホーム・アローン1,2
JFK
ニクソン
リンカーン
フック
ジュラシック・パーク
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク
シンドラーのリスト(アカデミー作曲賞・グラミー賞受賞)
プライベート・ライアン(グラミー賞受賞)
A.I.
ハリー・ポッター1~3
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
マイノリティ・リポート
ターミナル
宇宙戦争
SAYURI(ゴールデングローブ賞受賞)
タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密
(その他)
1984年 ロサンゼルスオリンピック:『オリンピックファンファーレとテーマ』(グラミー賞受賞)
1996年 アトランタオリンピック:『サモン・ザ・ヒーロー』
2002年 ソルトレイクシティオリンピック:『コール・オブ・チャンピオン』
登場人物
インディアナ・ジョーンズ(ヘンリー・ジョーンズ Jr.):
考古学者で冒険家。
ヘンリー・ジョーンズ・シニア:
インディの父。聖杯研究をおこなう考古学者。
エルザ・シュナイダー:
オーストリア人の考古学者。裏でナチスに協力している。
マーカス・ブロディ:
大学の副学部長でインディの古い友人。1作目に引き続き出演。
ウォルター・ドノバン:
大富豪。ナチス党員であることを隠し、インディに調査の依頼をする。
エルンスト・フォーゲル:
ナチス親衛隊大佐。聖杯探索の指揮をとる。
サラー:
インディの友人。1作目に引き続き、インディに協力する。
カジム:
聖杯の秘密を守る一団のメンバー。
あらすじ
1938年。考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズさんは、ある日大富豪のウォルター・ドノバンさんの屋敷に招かれ、調査を依頼されます。
依頼内容は、イエス・キリストの血をうけた伝説の聖杯を探し出してほしいというもの。
ドノバンさんは、そのための手がかりとなる石版を手に入れていました。
しかし石版は欠けており、残りの部分はかつて聖杯を手に入れた十字軍の騎士の墓に埋葬されているそうです。
すでに調査団を騎士の墓に送っていたドノバンさんですが、調査団は行方不明になってしまったといいます。
インディさんは、聖杯のことなら長年研究をしている自分の父ヘンリーさんに頼めばいいと断りますが、ドノバンさんによるとその調査団の団長こそが、ヘンリーさんだというのです。
父の残した手帳を手がかりに、インディ・ジョーンズさんは新たな冒険へと旅立ちます。
【メインテーマ】
やはりインディージョーンズといえばこの楽曲ですよね。
シリーズ通して演奏されている楽曲はインディージョーンズシーリーズの顔と言えます。
ではこの楽曲、映画を観ていれば耳にしていると思うんですけども、どこで演奏されていたのか、意外と覚えていないものです。
使われ方としてはライトモチーフとしての機能も果たしていて、尚且つメインテーマとしての機能も兼ね備えています。
アップルミュージック インディー ジョーンズ & ザ ラスト クルセード(オリジナル モーション ピクチャー サウンドトラック)19曲目に収録されている「フィナーレ&エンドクレジット」という楽曲の2:43辺りから演奏されているのがインディージョーンズのメインテーマです。こちらは一部ですがこうでしたね。
(演奏)
これぞインディージョーンズといった感じですね。
実際は「レイダースマーチ」という名前なのですが、レイダースという原題に馴染みが薄いので、ここではメインテーマと呼んでいきます。
ここで使われる楽曲は第1主題と第2主題に分かれていまして、いつもならアクションアドベンチャー音楽として解決するのですが、やはりインディージョーンズですから、ここはアクションヒーロー音楽としてみていきたいと思います。
なにが違うのかというと、楽曲の作り方自体は違いがあまりないのですが、第1主題に注目しているという点です。
第1主題と第2主題の違いは、第1主題は勇壮なテーマであること、第2主題は叙情的なテーマであることが大きな違いです。
シーンによって使い分けられるこの二つの主題ですが、インディージョーンズでは意外とお構いなしというか、第1主題の演奏される回数が圧倒的です。
メインテーマが演奏される機会は最後のエンドクレジットを抜いて19回(細かく分けるともっとあります)あるのですが、そのうち第1主題が16回で、第2主題が3回です。
圧倒的に第1主題の演奏回数が多い理由としては第1主題が勇壮な楽曲だからです。
勇壮な楽曲は劇中でトラブル続きの主人公が勇敢に挑む時、もしくはそれを解決に導いた時に非常に効果的に機能します。
それに比べ第2主題は叙情的であるため、演奏される機会が少ない理由もわかります。
ではその第1主題が使われているシーンをいくつか抜粋してみていこうと思います。
若き日のインディーさんのシーン
初めに、若き日のインディーさんが描かれている映画冒頭からみていこうと思います。
8:29と10:09と11:46です。
映画冒頭というのは、考古学者としての自我が目覚めるシーンと今のインディーさんを形成する要素となるシーンが描かれます。
8:29
では、盗賊団から逃げる途中のシーンです。
ここではサーカス団の列車に逃げ込んだインディーさんが、ライオンの車両に誤って落ちてしまいます。
絶体絶命のピンチで壁にかかった鞭を手にします。
これは現代のインディーさんのアイコンともなっている鞭と出会うシーンとしてみることができます。
この時にメインテーマが断片的に演奏されることから、確定と言ってもいいですね。
ではインディーさんのアイコンをもうひとつあげるとすれば、それはカウボーイハットだと思います。
このハットは盗賊団のリーダーがインディーさんにあげたものです。
それが
11:46
のメインテーマが断片的に演奏されるシーンですね。
現在のインディジョーンズ像を形成しているこのアイテムが揃うシーンでメインテーマは演奏されています。
ちなみに、余談ですがこの帽子、フェドーラハットとも呼ぶみたいですね。
フェドーラハットのフェドーラの語源は舞台フェドーラから来ているのですが、この帽子をくれた盗賊団のリーダーはフェドーラと呼ばれているみたいですね。
劇中に名前が出てこないので、愛称のようなものだと思いますが。
この2シーンではインディージョーンズというキャラクターを形作った過去の出来事とメインテーマを結び付けていました。
これらのシーンはメインテーマが入ることで、これがインディーさんのルーツなんだと観客に一気に印象付ける効果がありました。
順番が前後してしまいましたが、
10:09
では家に帰った時に演奏されるのですが、この時に犬が映像にチラッと写ります。
この犬がインディーという名前でして、インディージョーンズさんは父であるヘンリーさんからジュニアと呼ばれています。
ということはヘンリージョーンズジュニアという名前なのに、インディージョーンズと名乗っていることになります。
映画最後のシーンでインディーは犬の名前のことだと、ヘンリーさんからバラされます。
ということで、鞭、帽子、名前のルーツを回収するタイミングでメインテーマが演奏されていました。
城からの脱出シーン
次は少し進んで、51:17と1:01:43と1:03:17です。
この一連の演奏は父であるヘンリージョーンズさんを、囚われている城から救い出すシーンで使われています。
51:17
では再会することができたジョーンズ親子が敵に囲まれるシーンです。
銃を奪い危機を脱した時に演奏されます。
次に
1:01:43
では敵の諜報員的な人たちに見つかってしまいますが、これまたうまいこと危機を脱し逃げだす時に演奏されます。
そして次に
1:03:17
ではボートを囮にバイクで逃げるシーンです。
バイクの登場とともに演奏されます。
この一連のシーンは脱走劇なので、敵を出し抜くたびに演奏されるという機能を持っています。
1920年代のサイレント映画のドタバタ劇場のような、優位性の入れ替わりが激しいシーンの連続なので、映画音楽も不安感を煽るような音楽からメインテーマのフレーズを演奏することで、観客に優位性をわかりやすく表現していますね。
ヘンリーさんに敬服するシーン
少しシーンは飛び飛びになるのですが、1:21:09と1:38:49と1:57:56です。
この3つはバラードアレンジでメインテーマが演奏されるシーンです。
1:21:09
では父であるヘンリーさんが戦闘機相手にカモメを使って撃退するシーンです。
この時にその奇策に対して、ジョーンズさんが父を見ている時に演奏されます。
割とパワープレイで危機を乗り越えていたジョーンズさんにとって、インテリジェンスあふれる解決策をみて、父への尊敬のようなものを感じたようにみえます。
次に
1:38:49
皆がジョーンズさんは装甲車とともに崖の下に落下してしまったとばかり思っていた矢先、間一髪で生き残っていたジョーンズさんに、心配かけやがってさっさと行くぞ的な扱いをするシーンです。
ジョーンズさんはトホホといった感じで地面に座り込んで、転がってきた帽子をとる時に演奏されます。
心のため息が聞こえてきそうなシーンです。
そして
1:57:56
聖杯を手に入れたけれど、その聖杯は地割れの隙間に落ちてしまい、その地割れに落ちそうになっているジョーンズさんの手を父のヘンリーさんが掴み引き上げるシーンです。
ここではジョーンズさんに葛藤があって、地割れの隙間に落ちて手を伸ばせば届きそうな、そんな絶妙な距離にある聖杯を取ろうとします。
その時ヘンリーさんは聖杯はいいから上がってくるんだとジョーンズさんを説得します。
ヘンリーさんは聖杯のことを40年も研究してきて、ようやくその聖杯が目の前にあるけれども、危険だから上がってくるように息子を説得する父の一面を見せます。
それまで父らしいことを一切してこなかった父からの説得なので、その説得を飲む他ないジョーンズさんは這い上がります。
この時に演奏されます。
割と感動的なシーンでして、実際今回のヒロイン枠として父のヘンリーさんは登場している感じがして、この親子仲の伏線は飛行船で二人で飲んでいるシーンで出てくるので、久しぶりに観る方は注目してみると面白いと思います。
ちなみにこの時の音楽は店内BGMとしてソースミュージックが使われていますが、専用の音楽は用意されていないようです。
この一連のシーンでわかるのは、相手を倒したり、出し抜いたりするような物理的な印象ではなく、内面的な敬服が動機になっています。
自分には思いつかないような奇策や、何事にも怯まない肝の座り方や大事に思ってくれていること、などが当たります。
では誰への敬服かというと、それは父であるヘンリーさんです。
ヘンリーさんに敬服したことが演奏される動機になっているとわかりました。
メインテーマ まとめ
メインテーマが演奏されるのは、インディーさんに関連することはもちろん、ポジティブな感情、言い方を変えると有利にことが運んだ時にも演奏されることがわかります。
映画冒頭ではルーツについて演奏され、中盤では物理的な優位性に対しての演奏、そして最後に内面性の演奏がされていました。
やはりインディージョーンズ作品はこの楽曲なしでは成り立ちませんよね。
【逆に音楽がないシーン】
作中に音楽がないシーンというのは当たり前のようにありますが、ジョン・ウィリアムスさんの担当されている作品では音楽が途切れることなく演奏されることがよくあります。
これは作家性というべきか、時代性というべきか、その両方というべきか、音楽が演奏されないシーンがむしろ珍しいという状況がおきます。
例えば映画冒頭0:00~14:27、インディーさんが学校で授業をするシーンまで演奏は途切れることなく演奏されます。
しかし、14:27までが1曲というわけではなく、何曲も繋がるような構成になっているということになります。
冒頭の楽曲はアップルミュージック インディー ジョーンズ & ザ ラスト クルセード(オリジナル モーション ピクチャー サウンドトラック)1曲目に収録されている「インディーズ ベリー ファースト アドベンチャー」という楽曲と2曲目に収録されている「ザ ボート シンス」という楽曲が合わさるように演奏されています。
映画を観ると、途切れることなく演奏されているシーンが確認できます。
他の作品でも、例えばスターウォーズ作品でも演奏がされないシーンは非常に珍しく、劇中のほとんどで音楽が演奏されています。
話を戻すと、インディージョーンズ作品では、重要なキャラクターの登場、会話または大事な音が出てくるシーン、もしくは感情が揺れない日常描写のシーンでは音楽がないことが多いです。
今回はその音楽がないシーンをいくつか抜粋して見ていきたいと思います。
音楽がないシーン1
初めは今話した、
14:27
学校の授業のシーンです。
授業の内容は考古学の授業で、考古学が求めるものは事実であって、真理ではないという内容を話しています。
その後大学の副学長であり友人のマーカスさんが登場し、冒頭で手に入れる描写のあったコルテスがコロナドに与えたと言われている十字架を手渡します。
その後、学内で大人気のインディーさんが生徒から質問攻めにあいます。
なんとかこうとか研究室にたどり着くまでが音楽のないシーンです。
授業の内容、重要人物であるマーカスさんの登場と十字架の行方、インディーさんが学内で大人気という一連の流れの共通点は、インディーさんの日常ということになります。
非常にフラットな感情であるということがわかります。
音楽がないシーン2
次に
17:54
このシーンでは今作の重要人物であるウォルター・ドノバンさんが登場するシーンです。
はじめは別の部屋から聴こえてくるソースミュージックが演奏されていますが、十字架が描かれている石板が出てくるシーンでは音楽は聴こえなくなっています。
その後は聖杯の話をし始めると音楽が演奏されます。
重要な人物の登場とインディーさんにコンタクトを取った真意というのがここでは重要になります。
音楽がないシーン3
次に
25:40
ベニスに到着し、シュナイダーさんから現場の説明を受けるシーンです。
このシーンでも重要人物であるシュナイダーさんが登場することが、音楽を演奏しない理由に感じます。
音楽がないシーン4
次に
47:56
城に軟禁状態の父が登場したシーンです。
ここでも重要人物である父のヘンリーさんが登場することが音楽を演奏しない動機のように感じます。
この4人の重要人物が登場する4シーンでは、音楽が演奏されないのが非常に面白いです。
特に重要なキャラクターに対して、ライトモチーフを用いたり、ヴィランのテーマを用いたりすることでキャラクターを説明する方法もありますが、今回はその方法を用いないようですね。
大きな理由として、あまり強い意味ではないのですが、今作にはサスペンスのような要素がある点です。
あくまでも要素程度なのですが、出てくる登場人物に意識を向けさせない、もしくは劇的な登場をさせない工夫として、音楽が演奏されないように感じます。
音楽がない関連する3つのシーン
次の演奏されないシーンからは、理由を見ていく前に、いったん関連する3シーンを見ていきます。
1:16:57
インディーさん親子が飛行機で逃げていると、敵軍飛行機2機に襲われるシーンです。
ここでは空中戦を繰り広げた後に、間一髪着陸した飛行機からさらに車で逃げるシーンまで音楽は演奏されていません。
いつもならチェイス音楽、もしくはアクション音楽が演奏されそうなものですが、演奏はないんですね。
その後車も破壊されたらやっと演奏が始まります。
もちろんここはアクション・チェイス音楽です。
次に
1:24:34
聖杯のある遺跡の道中、戦車を連れて移動する敵軍から砲撃を受けるシーンです。
ここではその後、敵軍が聖杯を守る第三勢力と戦闘を開始し、第三勢力が劣勢に陥るまで演奏はありません。
そして次に
1:28:11
ヘンリーさんとマーカスさんが敵に捕まり、馬を連れて助ける機会を伺っているシーンです。
その後サラーさんと合流して、敵軍の戦車と戦闘になります。
その戦闘の途中まで演奏はありません。
演奏が始まるきっかけは戦車が車を轢いて、その車ごと前進してくるというなんとも恐ろしくも間抜けなシーンで、それを機にアクション音楽が演奏されます。
ではこの3シーンに共通する内容とは一体何なのかです。
それは銃火器がメインの戦闘シーンだということです。
1:16:57では飛行機による戦闘シーンです。
この時に銃火器をこれ見よがしに撃ちます。
その後飛行機に追われながら、陸路を逃げるシーンでも敵からの容赦ない銃撃を受けています。
その間も演奏はありません。
1:24:34でも戦車による砲撃のあと、第三勢力との戦闘で銃火器が大量に使われています。
その後演奏がはじまってからは、全くないわけではないのですが、銃火器が使われるシーンは大幅に減ります。
1:28:11でも同じです。
戦車との戦闘ですが、サラーさんとの会話のあと、戦車は容赦無くインディーさんを狙って砲撃してきます。
その後、演奏が始まってからは砲撃が全くないわけではないですが、銃火器が使われるシーンは減ります。
このように銃火器が多く使われるシーンでは演奏がされなかったわけですね。
もちろん銃火器の使用が全くないわけではないのですが、多い場合は演奏をしないという方法をとっています。
この理由は銃火器のSE(効果音)がうるさいことが言えます。
重要な音という言い方もできますね。
この音が音楽よりも優先度が高い音だった場合、それが優先されます。
映画における音とは音楽の他に、会話やSEがあります。
会話やSEが音楽よりも優先度が高い場合、演出としての無音などの例外を除いて音楽が削除されることが多々あります。
ですので、銃火器による戦闘は音楽的な緊迫感よりも銃火器の音による緊迫感が優先され、演奏がされなかったというわけです。
このような理由でこの3シーンでは音楽が採用されていませんでした。
しかしその後、銃火器の使用が減ったり、音楽での演出が必要になった時にはもちろん演奏されますので、戦闘のすべてをSE優先というわけではないんですね。
細かく情報を整理して、必要と不必要を使い分けている点が非常に丁寧で感心してしまいます。
逆に音楽がないシーン まとめ
音楽が演奏されないシーンを見ていくことで、映画内の優先度を知ることができました。
重要人物の登場であったり、銃火器による戦闘など、そのシーンが一番大事にしている事をより見やすくするための工夫として、音楽を削除していましたね。
映画音楽はずっと演奏されていても、そこまで映画自体を邪魔することはありません。
なので、音楽がない、ということをむしろ逆手に取るように、演奏されないことで印象付けるという方法もまたあるということになります。
その本意を感じながら映画をみていくと、作品で伝えたいことがストレートに読み取れるかもしれませんね。
【エンディング】
今週はここまで、今回はメインテーマの使われ方と音楽がないシーンをみてきました。
これだけ有名で耳を惹くテーマと音楽がない時の差を感じさせられると、やはりアクションヒーロー作品としての側面を感じてしまいますね。
この落差がこの作品の魅力をより一層高めているように感じます。
他の作品でも演奏がない時は、別の音が優先されていることに耳を傾けてみると面白いと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
映画にみみったけ、放送時のパーソナリティはヨシダがお送りいたしました。
podcastのエピソードは毎週日曜日に配信中ですので、そちらでもまたお会いいたしましょう。
ではまた!
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