7時間超えの映画を観てきた!!!
前回、ご紹介した約430分の映画を観てきました!作品は、『サタンタンゴ』(タル・ベーラ監督)。お昼ちょっと前〜20:00ちょっと前まで、シネマート新宿という映画館にいました。労働時間ですね(笑)。しっかりと、休憩時間もいただきました。しかも、2回も!
180分以上超える作品の多くは、休憩時間を設けています。今回の作品では、14:00過ぎに、一回目の休憩(13分)。16:30くらいに、二回目の休憩(16分)。そして、最後まで鑑賞。ここまでお読みいただいた方は、感想が気になっているのではないでしょうか。『サタンタンゴ』、皆さまに、観ていただきたいので、しっかりと感想書きます。ただし、『サタンタンゴ』をご覧になる前に、1作品でもよろしいので、150分以上の作品をご覧になっていた方がよいかもしれません。また、本作品は、動物に対して、「残酷すぎる」と思われる描写があるため、抵抗意識を強く感じる方には、あまり、おすすめできません。
さて、『サタンタンゴ』の感想を書きますけど、もう一つ、伝えなければいけないことがあります。それは、、、検索された方は、ご存知かもしれません。この作品は、白黒映画なのです。さらに、サントラというものもありません。その代わりに、出てくる人物たちが、唄を聴かせてくれますし、象徴的な鐘の音も耳に残ります。あと、長回し!大切なことを忘れていました。簡単に説明しますと、長回しとは、場面がありましたら、ストップをかけず、撮りたいシーンを一気に撮る、撮影スタイルです。(近年ですと、『バードマン』が有名ですかね、10年前ですが)
さぁ、感想です。
上記の通り、白黒映画や上映時間が長い作品を一度も観たことがない方は、面白く感じないだろうし、退屈してしまうかもしれません。
僕は、楽しめましたし、退屈はしなかったのですが、所々、そこは長回しを使わなくても良くない?って感じた場面がありました。少し、うとうとしてしまったシーンもあります。
どこが、楽しめたのか。まず、セリフです。ウィットに富んだ文句を登場人物たちが、声に出してくれます。思わず、くすくすと笑ってしまったシーンがいくつもありました。また、登場人物間の関係性が面白い。ある農村が舞台なのですが、そこでの狭い人間関係の描写が、見事です。騙し合いあり、不倫ありです。出てくる人物の個性が際立っている。つまり、人物としての輪郭がしっかりとあるのです。薄っぺらくない。また、シーンの構図、カメラで場面をどのように収めるか。も抽象的な表現になってしまいますが、美しいです。対称的です。この作品を読み解く上で、「扉」も重要な要素だと観ていて感じました。繰り返し、いろいろなドアが出てきます。一つ紹介しますと、「扉」によって、シーンの切り替えに使うことができます。気持ちの切り替えという意味もあるかもしれません。
作品を簡潔に説明すると、静寂の中にある自己崩壊。自己を世界に変えても良いかもしれません。その崩壊は、どんなに努力しても止めることはできない。けれども、人物たちが意識的になれば、スピードは緩めることができるかもしれません。セリフでも出てきますが、タル・ベーラの本作品は、静かに崩壊していく世界で、自由と秩序を扱い、ただ生きる。楽観的・精力的という言葉は、この世界では通用しません。
「静かに、重たい、そして、観客は、傍観者であり続ける。が、傍観者の世界でも、静かに、終わりが浸食している」
ここまでが、今、『サタンタンゴ』に関して書けること。時間が経てば、もっと深いことが書けるかもしれません。力不足です。
さぁ、ここからは、前回の続き。
いや、次回にしておきます。
映画館で長時間作品を観る体験を
お送りしたいと思います。
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