『ナミビアの砂漠』
今年は、邦画が豊作だそうです。
この表現、自分は嫌いです。
どうなんでしょう、周りの方は、洋画より邦画を観る方が多いのかな。
豊作ではなくて、良作揃いと言えば、抵抗感がなくなります。
良作の一つ。『ナミビアの砂漠』を、横浜のシネコン、T・ジョイさんで観てきました。すでに、こちらでは上映終了になっています。ちなみに、我が沼津でも、シネコンで上映されていましたが、上映期間は、1ヶ月もなく、気づいたら上映終了していました。
この映画、『ナミビアの砂漠』、掴み方が上手い。始まりのショットから掴まれてしまいました。固定ショットが、ズームしていき、主人公をキャッチ。ただ者ではない感が伝わってくる。ヤバい奴感。カメラの効果なのか。
中々、観る機会が少ない、カメラの使い方では?ロングショット好きは必見です。
『ナミビアの砂漠』は、音に焦点を当てた映画でもあり、次のシーンでは(喫茶店)、周りの会話に注目。ここでは、観ている我々は、主人公と同化したような感覚を覚える。ここで、『ナミビアの砂漠』のポスター、主人公の顔面アップ、周りに螺旋状模様の。あれが思い浮かぶ。まさに、これ、この感覚。ここでの会話が色々と衝撃的で。音の拾い方に脱帽。
基本的に、物語は、男2人・女1人で進んでいく。この設定はよくある。2人の男の間で揺れる女性。けれども、主人公の勤め先が脱毛サロンは初では、ないでしょうか。そして、無気力。21歳らしい。貰っている給料は良い方だと思う。ホストにも行く。生活は充実している印象だけど、「抜け殻」で生気がない。
主人公の女性が花束をもらうシーンがあるのだけど、この花は!!!
北野武監督作品で観た、アレだ。
オマージュというか、『ナミビアの砂漠』を観ると、色々な作品が思い浮かぶ。
「力関係の逆転」が、この映画を楽しむ上での
ポイントの一つ。気づいたら、力関係が変わっているのです。