俳優の魅力や役作りに迫る記事はやっぱり人気だよねという話/ニュースPVプレイバック 2021年8月1週
※映画.com本体のニュース記事における、PVランキングの振り返りです。編集部のスタッフ数人でチャットし、この1週間で得た“気づき”、オススメの新作情報、衝撃を受けた記事なども交えて、PVの傾向や推移を思い思いに話しています。
順位まとめ 8月2~8日
1位
2位
3位
4位
5位
本日の参加メンバー
チャット開始
尾崎秋彦 じゃあすみません、大丈夫でしたら始めます~
蛯谷朋実 はい、よろしくおねがいします。
岡田寛司 お願いします~!
尾崎 8月2~8日のニュースPV振り返りです!
5位:横浜流星、25歳の誕生日に写真集&パーソナルブックを2冊同時発売!「見て楽しむだけじゃなく、五感で感じて」
尾崎 人気俳優・横浜流星さんの写真集発売ニュースが5位。以前はこの手の記事はよく出していましたが、最近では珍しい部類になってきてます。
岡田 写真たっぷり、目が潤うネタ……!
蛯谷 最近大活躍の横浜さんの写真集なので注目度高いですね。特典ポストカードだけでも、様々な顔が見れて中身も気になる……!
岡田 弊社のガチ勢が「どうしても記事化したい…!」ということでニュース化した案件でしたね(笑)。
尾崎 横浜流星ガチ勢の方がね! 自分の情熱があるネタを記事にできる、それもこの仕事のいいところですよね~
蛯谷 写真もたっぷりだから、滞在時間も長いですよね。ついつい一個一個みてしまう!
尾崎 蛯谷さんの言う通り、写真の配置が抜群でしたね。いい位置にあるから、文字を読みながら、写真をじっと見つめて、文字を読む…という流れがちゃんとできてる。編集がうまい!という記事でもあったと思います。
蛯谷 ちょうど甥っ子が小さい頃にトッキュウジャーを一緒に観てたので、その印象が強かったのですが、最近は「あなたの番です」でのミステリアスな役や「着飾る恋には理由があって」の正統派イケメン、さらには「クリエイターズファイル GOLD」の出演とか幅広いですよね。「嘘喰い」も楽しみ!
岡田 横浜さん人気も勿論なんですが、このニュースで注目しておきたいのは、配信時間が「深夜0時(解禁時間ぴったり)」ってところ。時間帯に適したネタってあるんだよね~。「嘘喰い」は僕も楽しみです!どこまで描くのか……。
尾崎 確かに、こうして整理してみるとかなり幅広いですね。映画コムは作品のニュースは充実していますが、俳優単体にフォーカスした記事は実は結構手薄…。ライターさんや宣伝・配給の皆さん、ネタの売り込み、待ってたりしますよ!!!
4位:藤原竜也の新たなハマり役 脚本、テンポ、言葉数「自分の性分に合っている」
尾崎 「鳩の撃退法」の主演・藤原竜也さんにフォーカスしたニュースですね。まさにこういうのですよ、俳優の記事って
蛯谷 この記事は見出しで気になりますね!やっぱり藤原さんって「カイジ」とか「Diner ダイナー」みたいな独特の台詞回しの役柄が多いイメージなので、「本当の藤原竜也とは?」ってちょっと気になってしまう。
岡田 これは見出しにひかれた。シンプルかつ的確。新たなハマり役って、この人はいくつ会得していくのかと。蛯谷さんのおっしゃる通り、「真の藤原竜也」とは何なのか…。
蛯谷 「キャラクター」を見に行った時に「鳩の撃退法」の予告編をやっていて、題材が近しいのかなと気になってました。真の藤原竜也を拝みに行かなければ……!
岡田 作品自体も結構気になるんですよね~!僕も見に行きたい…!
尾崎 「鳩の撃退法」拝見しましたが、この記事の通り、藤原竜也さんがものすごい映画でした。もうセリフ回しが本当に痺れるし、存在感が底しれないんですよ、「こいつ何考えてるんだ」って。「観たことがない藤原竜也を」というコンセプトだったそうですが、僕個人としては、キャラクターの中核には藤原竜也さんっぽさがやっぱりあって、ほかの作品の記憶とも相まって“藤原竜也のエッセンスが最高純度で最高到達点”みたいな感じに見えました。必見ですよ
蛯谷 凝縮された藤原竜也…気になる
岡田 なんだ、絶賛か。はよ見たくなるじゃないか。これっていわゆるミステリーなのかしら?「アッ!」と驚く展開のつるべ打ちみたいな?
尾崎 ミステリーなんだけど、まったく一筋縄ではいかない系のミステリー。犯人が誰、とかじゃなくて、藤原さん演じる小説家が書いた物語が現実と酷似してて「これってどこまでがリアルでどこまでがフィクション?」という謎を原動力に話が進んでいく。やがて現実と虚構が交錯して、予想外の展開に…という。公開は8月27日からです。みなさん、ぜひ。
3位:「この素晴らしい世界に祝福を!」新作アニメ製作決定
尾崎 新作アニメの制作決定ニュース、アニメハックからの転載ですが3位に。記事自体が2パラグラフと短いので、滞在時間も短めでしたが、過不足なく必要な情報を読者に伝達できたいい記事だと思います
蛯谷 第3期アニメ!一昨年劇場版も公開されたのでファンの方には待望のニュースですね!
岡田 新情報+これまでの振り返り(まとめ)で構成された記事だよね。見出し自体も「製作決定」という最少の言葉だけだから、注目し続けていた人にとっては、ひとまず記事を確認したくなっちゃうかも。
蛯谷 スマホゲームもあって、ファン層がかたい作品ですよね。気になって一話みたんですが、王道の異世界転生ものだと思うんですが、随所に笑いがあるのですごい楽しく見れちゃいました! これは3期始まる前に追っかけようかな。Twitterでも記事引用して喜びの声が沢山ありますね!
尾崎 あとポイントとしては、この製作決定自体は7月中旬に発表されたものです。それを映画コムに転載する際に、時間をおいて掲載した、という流れですね。映画.comはよく、「数週間前にアニメハックなどで掲載した記事を転載する」をします。読者からは「情報が遅い」「時空歪んでんのか?」など揶揄されることもありますが、当然、これは狙いがあってやってるわけで…
尾崎 他媒体で情報が一斉に出たあと、大体2~4週間で読者が一回転して、みんな一旦「そのニュースがあったことを忘れる」んですよね。そこに、うちが時間をおいて掲載するから、リマインドになって読者(一報のときにリーチしなかった読者も)がもう一度このニュースに触れる→再度、認知の刷り込みができるんです。作り手も情報が長く認知される&取りこぼしが減って嬉しい、うちもPV稼げて嬉しい、読者もリマインドされるから嬉しい。三方向にメリットがあるテクニックだと思います
岡田 解禁情報って、一律同じ時間&内容になっちゃうからなぁ。結局どの記事を見ても「書いてあることが同じ」というパターンに陥っちゃって、PVの食い合いに……。だから、あえて「ズラす」。勿論速度も大切だけど、あえて遅く出すということも意識していかないといけないね。
蛯谷 意外とニュースって大量に流れてくるから本当に観たい記事も見落としたりって結構あるので、いろいろなタイミングで目に触れられるのは良いですね。
尾崎 情報が一気に放流されてる時間を避け、あえて遅らせる。時差通勤みたいなもんですね。改めてこれの必要性を心に刻んで、次に行きましょう
2位:「人生で観た映画は『プリティ・ウーマン』だけ」「累計400回観てる」 芸人・くまだまさしの噂は本当か?本人に聞いてきた
尾崎 7月31日に掲載したインタビュー記事が、1週間経ってもPVを稼ぎ続けて2位に。この1週間では平均PVの5倍ほどでした。(※掲載開始から今までの合計は、平均PVの約30倍ほど)
蛯谷 まさかのネタにされていることよりも事実のほうが狂気ということがわかってしまった話題の記事ですね(笑)。
岡田 編集部として、読者の皆様より先に読まさせていただきましたが久々でしたね。文字を読んで笑ったのは…。でも、ある意味深いよね~。狂気の部分がフォーカスされているけど「映画愛ってなんなのだろう」と考えさせられちゃったもん。あ、あとこれだけ先に言っておきたいけど、写真が抜群によろしいです。
尾崎 めちゃめちゃに話題になりましたね、この記事。笑える感じから入って、どんどん予想外の事実が明らかになり、最終的にはなんかスリラーみたいになってる、という構成がTwitterで反響を呼んでました。
岡田 良質な短編小説だよね(笑)。
尾崎 写真の“乳首”にもツッコミが集中してました。
蛯谷 くまださんも無意識(?)なのがいいですよね。何回見るぞーってみてるんじゃなくて、そのへんが新鮮だし、狂気に感じる。
尾崎 読者の反応見ると、狂気を感じる、映画愛、“好き”について改めて考えた、自分が肯定された気になった、なんか気持ちがわかる、など様々なんですよね。
岡田 くまださんの存在が、自分の鏡になったパターンだね。くまださんを見て、自らを省みる。こういう記事がきちんとハネてくれるんだよなあ。
尾崎 「くまださんの存在が、自分の鏡になったパターンだね。くまださんを見て、自らを省みる」。ヘーゲルの言う“自己認識”だ。主体は客体に自己を投映することで、自己を行為的に認識するというアレ。この記事を読んで、映画ファンとしてのアイデンティティを固めることができるのか…
岡田 くまださんからヘーゲルに繋げるの…笑?すごい飛躍なんですけど、まぁ、その通りか…。あ、あと「インタビューまとめ」も非常に効果的だと思いました。インタビュー対象とネタにもよるけど、今後使っていきたいかも。
尾崎 人間って、必要な情報を探すために画面をスクロールするんですってね。だから記事においては、ダーッとスクロールして最後まで読み飛ばすことが多い。これは自分も見に覚えがある…。なので記事の最後に、内容のまとめをおいておくことってめちゃくちゃ重要ですねえ…
蛯谷 こういう個人の映画愛について語るインタビューって読んでいても楽しいですよね。人によって映画の楽しみ方って色々なので、気になる。去年松坂桃李さんがトップコート(事務所)のYoutubeで自分のDVDコレクションをパラパラと紹介する動画も、こういうのスキなんだなーって知れるのが楽しくて、つい最後までみてました。
尾崎 ですね! こういう記事が増えていくと本当にいいな~。コロナがまだ怖いですが、取材増やしていけたらですね、皆さん!
尾崎 あと数字の面でもういっこ。読者の滞在時間が300秒超えてる、つまり平均で5分以上読まれてるんですよね。有名ブロガーのブログの滞在時間平均が1分半らしいので、それと比較すると驚異的な数字だと思いますし、ここまでPV稼いだ記事でこれだけ滞在時間あげた記事は稀です。
1位:北川景子を悩ませた“美しき銀幕女優役” 神々しさのお手本になったのは?
尾崎 はい、ということでね。佐藤レモナさん執筆の記事です。平均PVの約7倍。
岡田 序盤でも言及してたけど、今週は特に「俳優の記事」に光が当たった感じだね。
尾崎 3位以外、全部、人単体にフォーカスした記事だね
蛯谷 これは読んでて確かにと思いました。今の俳優さんってどちらかというと親しみやすさが好まれる気がしますが、昭和の映画とか俳優さんを見るとどこか雲の上の存在で、所作すべての美しさを感じますもんね。それがほんと「神々しい」という言葉で納得できる。
尾崎 なるほど…。そう考えると、スターが活躍していた時代は、別世界であることがすなわち人気につながっていた。一方で現在は別世界の演出がまるごと剥がされがちになったので、自分と一緒という親近感が人気に直結しやすく、逆に別世界のスターは生まれにくくなってるんですね。またひとつ、気付きが得られました
蛯谷 70年代のオーディション番組ぐらいが一番転機なんですかね?クラスで一番かわいいあの子が芸能界デビューする、くらいの親近感を得られるようになったのは。
尾崎 なんかやっぱり、テレビの普及と、芸能人の私生活が大衆の娯楽になったあたり(言う通り70年代ごろ)からパラダイムシフトが起きてる気がしますね。一般人とは違うという点で憧れの的だった芸能人も、やっぱり普通の人間なんだ、とワイドショーや週刊誌によってバレた。そのラインを押し引きすることで人気を操作する、みたいな。
岡田 僕は、若干「共感」という感覚も関わってきているのかなぁと思っています。良くも悪くも「共感する」かどうかって、わりと重要な要素になってきていると思うんだよね。で、それを体現する人には、やっぱり「同じ世界にいる人であってほしい」という意識もあるような。
蛯谷 「共感」ってたしかに大事ですよね。今広告よりもインフルエンサーが購買につながりやすいっていうのも、「共感」が更に強くなっているからな気がします。
岡田 あと、藤原さんのニュースもそうなんだけど、どちらも見出しに作品名を入れてないのが特徴的。Twitterであれば、ハッシュタグで作品名はわかるけど。なんだろう……作品名を入れないことで、もっと大きな話に見えるような……。あえて作品名を入れないという見出しの立て方もありなのかなあ。
尾崎 言われてみれば、作品名を見出しに入れる意味をもっと具体的に考えるべきだよね。検索でひっかかりやすくするため? 認知を期待? 映画媒体としてのマナー? などなど。
蛯谷 見出しに入れない=番宣感が少なく感じるっていうのはありますよね。
岡田 そうそう。ちょっと意識してみてもいいんじゃないかなと。映画媒体としてのマナーってのはあるとは思うけど。
蛯谷 より読者の方のニーズに近いとわかる見出しが作れるといいですね。そういう意味ではやはり俳優にフォーカスしているのはひとつのニーズに感じます。
尾崎 個人的な見解では、(もちろんケース・バイ・ケースだけど)作品名が監督やキャストよりも有名であり、出すことで認知が最大になるなら、見出しに作品名を入れるべきだと思う。そうでないなら、文字数を食うので入れず、ハッシュタグや別のところでカバーして媒体としてのマナーを保つほうがよい。要は、作品名にどんな役割をもたせるかをきちんとデザインすることが重要、ということ。見出しって40~50文字しか入れられないから、フックになる要素はシビアに取捨選択して凝縮しないと、読者の網膜に飛び込んでいかない。
尾崎 その点でいうと、この記事は見出しに優れていたってことでもあると思う。作品名よりも北川景子の認知が最大というのは、うちのデータベースのCheck-in数を見れば明らかだし。僕は特に、語順がいいと感じた。普通は「北川景子が神々しさのお手本にした美しき銀幕女優とは?」みたいな感じにするところを、あえて「北川景子を悩ませた“美しき銀幕女優役”」だもんね。これでぐっといい見出しになってる。悩ませた、ってところがなんとも言えず良い。
岡田 語順ひとつで印象がガラっと変わるもんね。尾崎君の指摘通り、今回の見出し、とても良い。「北川景子が神々しさのお手本にした美しき銀幕女優とは?」だと長いし、まどろっこしい。一文の要素が多すぎる(「北川景子」「神々しさ」「お手本」「美しき」「銀幕女優」)。「悩ませた」を創出して、スパッと2文にわけたところが◎。
尾崎 はい、見出しのディテールのディスカッションもありつつ、今回は以上で。他になにか言い残したことなどありますか?
岡田 特になし~!
蛯谷 大丈夫です!
尾崎 了解です! では僕から世間話を一つ。お恥ずかしながら、いまさら「七人の侍」を初めて観ました。めちゃくちゃ、めちゃくちゃ面白かったです。U-NEXTで黒澤明監督作の有名どころが見放題なるので、今月は黒澤明を集中してみることにしました。
蛯谷 「七人の侍」みたことないかも…黒澤作品良いですね。私もなにかチャレンジしてみます。私は久しぶりにファイナルディスティネーションシリーズみて、なんでこんなグロいのスキだったんだっけと昔の自分を訝しんでますww
尾崎 久しぶりに観たら「なんでこんなのを?」って、やっぱりありますよね!笑
岡田 黒澤明作品は面白いよねー!「天国と地獄」とかも最高なので、是非是非。「ファイナルディスティネーション」シリーズ、めちゃくちゃ懐かしい…僕も好きでした(笑)。
尾崎 「七人の侍」は志村喬とか三船敏郎とかが目立つけど、一番印象に残ったのは千秋実と宮口精二だったな…という感じで今週は以上! ありがとうございました!
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