【「ワンダヴィジョン」第5話最速レビュー】“あの人たち”がついにMCU入り!? 「ドクター・ストレンジ」続編に繋がる決定的瞬間を見逃すな
「ワンダヴィジョン」は、「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019)のその後の世界を舞台に、スカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)とヴィジョン(ポール・ベタニー)の姿を描くドラマシリーズ。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ4の幕開けを飾る本作では、コメディ作品の幸福に満ちた雰囲気から徐々にホラー映画のような不穏な空気が漂い始めるという、マーベル・スタジオらしい衝撃的&壮大な展開が待ち受ける。
映画.comでは、「三度の飯よりマーベルが好き」な編集部員の尾崎秋彦とクチナシ、広告担当の蛯谷朋実が、毎週「ワンダヴィジョン」を配信開始と同時に鑑賞&オンライン座談会を実施。リアタイするガチ勢の皆さまはもちろん、ちょっと興味あるな……という皆さまも、ぜひお立ち寄りください。
今回は、2月5日午後5時に配信された、第5話「問題エピソード」について語っています。
<第5話あらすじ>
隣人たちの奇妙な振る舞いに不信を抱き始めるヴィジョンに、ワンダが向き合う。
尾崎 おいおいおいおいおいおいおいおいおい。面白すぎるだろ、「ワンダヴィジョン」。
蛯谷 本当に「問題エピソード」でしたね。家で叫びながら見てました(笑)。
クチナシ 第4話で祈ったかいあって(?)ちゃんと現実世界と同時進行してくれて嬉しい!!!! 物語のスピード感が増しましたね。大興奮の第5話でしたが、順を追っていきましょう。まず、劇中オープニングの最後のピクニックシーンは明らかに「フルハウス」でしょ!!
蛯谷 音楽もフルハウスみたいでしたね!
クチナシ 始まりの音楽が「フルハウス」風かな? と思っていたら、最後にピクニック入れてきて確定って感じでしたね。劇中劇の舞台設定も1980年代になったし、時代的にも合う! オルセンカムバックとしてよいでしょう(笑)!
尾崎 家の造りも「フルハウス」っぽくなっていたのもポイントですね。
蛯谷 わかります! 階段の位置とか裏口の感じとか。
クチナシ わかります!! 地味にソファの位置とか。
尾崎 あとオープニングで使われていた写真、ヴィジョンの幼少期の破壊力よ。
クチナシ いや思ったよ。赤ちゃんからの成長過程ね。あなたはそういう成長は遂げてないぞって。あと、今回アグネス大活躍(?)でしたね。キーパーソン。
蛯谷 アグネスのエアロビ姿は前からCMに出ていたけれど、やっと本編に出てきた! って思いました。
クチナシ “台本”と違う流れに戸惑ったアグネスの「もう1度やる?」「最初から撮り直す?」が、明らかに怯えていましたよね。
尾崎 それで、ヴィジョンもそれに対して「さっきのは何だ?」とワンダに怪訝な表情……。
蛯谷 吹き替えで鑑賞して字幕も入れてるんですが、吹き替えだと「今のNGよね?」って。
クチナシ ほーーー! 第4話でシットコムの設定が明らかになったからか、序盤から結構飛ばしてきましたね。
蛯谷 あと、ワンダがアグネスの前でパワーをどんどん使うようになって、ぶっきらぼうになっている感じがしました。
クチナシ 確かに、ワンダが何でもありになってきてますよね。
尾崎 リアルとフィクションが交錯してきて、“終わりの始まり”感が強くなってきました。
クチナシ “終わりの始まり”、まさに!
蛯谷 双子の部分も、ワンダが制御できていない感じを助長させましたよね。寝かしつけるのにパワーが使えないとか。
尾崎 泣き止まない赤ちゃんに「眠って~」とエネルギーを送って寝かそうとするとか、俺もやったなあと思いました。
蛯谷 そこはワンダも普通の人ってことですね(笑)。
尾崎 ワンダとヴィジョンが双子の赤ちゃんに手を焼いているシーンが見られてめちゃくちゃ嬉しかったです。スーパーヒーローの乳幼児期の子育てって楽そうでいいよな、とか思っていたけれど、まったくそんなことないようだ。
クチナシ まさかこの作品がリアルパパ(尾崎のこと)のリアル共感を呼ぶとは……(笑)! ワンダでもコントロールできない、それが赤ちゃんか。真理。ところで、双子が自分の意志で成長できたのにはびっくりしました! さすがワンダの子。
蛯谷 その大きくなったふたりがどうも双子に見えないことも気になります。
尾崎 わざわざ「あんまり似てない双子」をキャスティングしたんでしょうかね? となると、「似てない」ことも伏線となるのかも。
蛯谷 ヴィジョンが、この町にはほかに子どもがいないと言っていたことがヒントなのかも。
クチナシ ワンダ自身も二卵性双生児だからとか?
尾崎 なるほど。どっちもありそう。
蛯谷 あと、現実世界の方も気になることだらけ!!
クチナシ そう! モニカの検査結果が変でしたよね。なんかありそう……なんで謎の世界から戻ってきて異変があるのに再検査拒否するんだよーーーーー!! って心が叫んでました。
蛯谷 SWORDとFBIの会議でワンダの別名はないって言ってましたが、これまでスカーレット・ウィッチとは言われてなかったんでしたっけ?
クチナシ 言われてたと思うんですけどね……。「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」以降は役名もワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチになってます。SWORDが執拗に確認してたし、あえてなのか……謎です。
尾崎 今回、ワンダの“これまで”が改めて掘り下げられましたね。話は変わりますけど、ここまであまりエリザベス・オルセンとポール・ベタニーの演技については言及してきませんでしたが、今回は特に際立った力量を見せていたように思いました。
蛯谷 もう表情がなんともいえないですよね! ケンカを始めたふたりの緊迫感とか。
尾崎 わけのわからぬ状況に置かれ、自分の実在が脅かされている…その怒り、根幹にある恐怖と混乱を、ものすごく的確に演じているポール・ベタニーの素晴らしさよ。そしてエリザベス・オルセンの、覚悟を決めて修羅の道に落ちたワンダの痛み、苦しさ、悲しみ、すべてをその表情で表現してみせるこのオーラよ。
蛯谷 子どもを諭すときのワンダの切ない表情とか……。なんかこっちが泣きそうになりました。
クチナシ 自分が犯した過ちに蓋をして、子どもに言い聞かせる感じが……。
尾崎 子どもを諭す言葉のひとつひとつが、実は自分を傷つけてるんすね。
クチナシ そうなんですよ!! ワンダの「わたしだってわかってる……」みたいな顔、泣ける。
尾崎 なのにSWORD長官のヘイワードは「ワンダがテロリスト」と結論づけて、一方でモニカらはそれに違和感を隠せない。ヘイワードはワンダの痛みを知らないが、モニカはワンダの世界に入り彼女の胸中が感覚的にわかっている、このギャップがある。痛みへの無理解から争いは起こる、ということがよく描かれている。
蛯谷 ワンダは敵って構図がどんどんできあがってしまうじゃないか……。ヘイワードが、ワンダが主犯格と決めつけていることもすごく違和感あります。
クチナシ そうなんですよ。変に攻撃するし、ヘイワード……いらんことしかせんな。
尾崎 ヘイワード、「キャプテン・アメリカ ウインター・ソルジャー」のアレクサンダー・ピアース(ロバート・レッドフォード)を彷彿させるキャラですよね。
クチナシ ヘイワードまさかのヒドラ説……!?
尾崎 ヘイワードのやり方は強引と言うより、性急という感じがします。何か焦って処理をしようとしている感じ。
クチナシ わかります。すぐ断定するし、何かが明らかになる前にやっちまえ感ありましたよね。
蛯谷 SWORDの組織のやり方が変わったとも言及されてましたもんね。ヘイワードに長官が変わったから? そして、モニカがキャプテン・マーベルの話を避けるのもなんでなんだろうか。
尾崎 キャプテン・マーベルの名が出た瞬間の、モニカの顔……。あのコンマ数秒に今後の物語の伏線を張るあたり、MCUさすがだな~と思いました。
蛯谷 いやもう、ほんと気になるしかない! そして今回もCM来ましたね。
尾崎 ラゴスのペーパータオル。
クチナシ キャッチコピーは「好きで失敗したんじゃない」。意味深かよ!!!!! ブランド名の「ラゴス」は、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」でワンダが盛大にやってしまったラゴスでの戦いですね。
尾崎 「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」の冒頭でワンダが大失敗やらかした街……。その失敗(汚れ)を帳消しにしたい=ペーパータオルで拭き取りたい、と。
クチナシ そうそう!! やらかした過去をね……お掃除したいのかなって。
蛯谷 やっぱりワンダのトラウマがCMに現れるのかな?
クチナシ そうっぽいですよね、これまでの見てると。
尾崎 ですね、トラウマがCMに現れる。となると、あと残っている彼女のトラウマは……。想像すると鳥肌が立ってきます……。それを見たとき、俺は耐えられるだろうか。
クチナシ つらい、つらすぎる過去……。あと、今回ヴィジョンが本格的にワンダの動きに気が付き始めた!! 同僚のノームとのやりとりが演出としてめちゃくちゃ攻めてましたね。
尾崎 ヴィジョンが会社のPCでアレを受け取った……! ということは、うおおおおおおお、これからヴィジョンは……と考えがめぐって、もう感情が振り切れそうでした。
クチナシ ヴィジョンの、ワンダが潜在意識でやっていて自分でも最近この世界に気が付いたんだよねと信じたい気持ちわかるーーーー! わかりすぎるーーー!!!! ワンダも「これがどう始まったのかもわからない」って言ってましたし、本当にこれからどうなっていくのか……。
尾崎 ネタバレすぎて言えませんが、開始10分くらいに衝撃的な映像がありましたね。SWORDで起こった出来事……。
蛯谷 そしてラストにあの人がーーーーーーー!!!! まさかのそっちの世界観と通じるのね!!!!!!!!!!
クチナシ ほんとにーーーーー!!!! あの人だけれど!!!! 同時にワンダの「いやお前誰だよ」っていう!!!!
尾崎 ラストシーンの展開は、いい意味で頭を抱えました。そんなのありかよーー! 嘘だろーーー!
クチナシ ワンダも本気でびっくりしてたみたいでしたし、本当にコントロールが効かないのかも……。
蛯谷 視聴者としては「おお? お! おおおーーー!!!!!!!!」って感じですけど、純粋に考えればワンダにとっては「????」ですよね。
クチナシ そうなんですよ。ワンダも分かっていないとすると、ここからは本当に誰も予想できない展開になっていきますね。
尾崎 常々、MCUが「アベンジャーズ エンドゲーム」のあのカタルシスをどう超えるかがかなりハードルの高いテーマだと思っていたので、フェーズ4はもしかしたら苦戦するかもな~、と感じていました。しかし、「ワンダヴィジョン」第5話のラストシーンで確信しました。その感じでハードルを超えてくるのか! 完璧じゃん! めちゃくちゃアツいじゃん! 「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)」とのリンクってこういうことか! って。
蛯谷 もうね!ちょっと見直したい映画が増えちゃったよ!!!! “あの人たち”が来るでしょ!!! ディズニーとフォックスが繋がった一大事件よ!!!!!!
クチナシ ディズニーとフォックスがついに作品上で繋がる……というか、“あの人たち”がついにMCU入り……!? そういえばマーベルのケビン・ファイギさんが「ワンダヴィジョン」「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」「スパイダーマン3」がリレー形式で繋がっていくって話をしてるんですが、どう繋がるのかのヒントは「『ドクター・ストレンジ』続編のタイトル」って言ってるんですよ。まんまマルチバースやないか……!
蛯谷 よいね、よいねーーーーーー! どんどん世界が膨らむ!
尾崎 毎回、急展開、すべてのエピソードがクライマックス。すごすぎないですか、「ワンダヴィジョン」というのが僕の第5話のまとめ感想です。ついに地獄の釜の蓋が轟音を立てて開き、不穏な争いの空気も充満してきました。さあ第6話はどうなる、どう驚かせてくれる!
クチナシ こんなことされちゃもう……! 来週が待ちきれないよー‼
PRESENTED BY ディズニープラス
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