’マチベン’からの外資インハウス②転職エージェント
2021年10月当時、私は司法修習同期が開設した法律事務所に世話になって丸3年目を迎えていた。当時の職務内容や待遇について不服があったわけではない。
むしろ、あまり自身の担当業務が事務所の経営に貢献できておらず、自分の人件費負担に見合っていないのがいたたまれないというのが正直なところであった。
そこで、私は同期の弁護士に引継期間も考慮して、11月いっぱいで退所する意向を伝え、同期もその方針で了承した。
それから私は自身の身の振り方を考えた。
幸い、IELTS7.0を取得した旨をLinkedInというSNS上のプロフィールに載せたところ、急激に転職エージェントからとりあえず面接をしませんか、といった連絡を受けるようになっていた。
同期への義理もあって、退所方針を固めるまでは転職エージェントに返信することは控えていたのだが、11月いっぱいで退所する以上そういった義理立てをする必要もなくなったので、私は2021年10月末ころから接触してきた転職エージェントに対して返答をするようになった。
企業法務経験に乏しいいわゆるマチベンが結果的に外資インハウスへの転身を果たすにあたっては、以下に述べるような熟練の転職エージェントによる面接対策指導、模擬面接、CVに基づいてどう自己アピールするかの打ち合わせが果たした役割は絶大であったといっていい。
大手渉外事務所に勤める弁護士であれば、インハウスに求められる役割や知識といったものについて容易に想像がつくことだと思う。現在日常的にいわゆる四大法律事務所のお客さんの立場から彼らを見ているので、これはほぼ間違いない。
しかし、このnoteは全般的にいわゆるマチベンで、これ以降の法律事務所勤務又は経営に若干行き詰まりを感じている方を主な読者層として想定しているので、そもそもご自身の具体的な職務経験をどうインハウスのポストに応募する際のアピールポイントにつなげていけばよいのかについて一つの具体例を提示していくのがよいと考えている。
以下、実在の転職エージェントに関する評価や、転職エージェントの方とのやりとりについて記載することもあり、これまた一般公開は望ましくないものも含まれる。今後の転職活動時にインハウスも含めて考えたいという同僚の皆様にのみお読みいただいたほうがよい内容となっている。その趣旨もあって有料記事の取り扱いとさせていただければと思う。
泡沫候補的な一本釣り的案件を持ち掛けてきてくれた転職エージェントを除くと、現にお世話になった転職エージェントは、アガルートキャリア(運営元企業はファンオブライフ)、ロバートウォルターズ、エン・ジャパンの3社のご所属だった。
まず、アガルートキャリアについて語ってしまおう。
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