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弁護士なので、クビになった会社を訴えてみました③ 最もフィジカルで、最もプリミティブで、最もフェティッシュな労働弁護士に依頼する
「お前それいいたかっただけだろ!」
はい、その通りです。出オチです。
冗談はさておき、クビになった日からだらだらと時間が経過すると、訴状に貼る印紙の金額が高くなるので、取り急ぎ私は自分で不当解雇を争うための訴状を作成の上、某日、当該訴状を東京地方裁判所に提出した。
私は、解雇通知書を交付された際に、
・せっかく解雇されるという珍しい経験をすることになったのであるから、これはぜひ自分で訴訟を提起してみよう
と思うとともに、
・自分のこの事件、労働事件に専門特化した弁護士ならばどのように訴訟を追行するのかぜひ見てみたい
とも思った。
弁護士業界でも名の知れた労働事件を専門とする法律事務所はいくつかあるが、私はJ法律事務所にぜひ相談及び依頼をしてみたいと思っていた。
そのため、某日、私はJ法律事務所のウェブサイトから、すでに自分で訴状を提出した事件についての法律相談を申し入れる旨送信した。
すると、その日のうちに、J法律事務所の先生から返信があり、12月某日、法律相談の予定が組まれた。
その際、もう一人の若手の先生と共同で取り組む旨記載があった。
その若手の先生は実は旧Twitter、X上相互フォローしている弁護士で直接の面識はなかったが、労働判例についての情報を発信するなど、かなり熱心に研鑽を積んでいるものと推察された。
さて、私は、裁判所に提出した訴状及び証拠類を持参のうえ、J法律事務所を訪れた。
私自身2010年12月以来弁護士として仕事をしているが、弁護士に相談する側になるのは初めてであったし、労働事件に専門特化している弁護士がどのような法律相談を実施するのかということにも関心があったので、内心とてもワクワクしていた。
実際に相談室に入室してこられた2名の弁護士と案件についての説明をし、的確な質問を受けた。
また、初見の案件であるにもかかわらず、補充の質問事項も適切だ。
さらに、訴訟の厳しさがよくわかっている先生方だと思った。
決して甘い見通しは立てない。
会社側からの反論が出ていない段階であるので見通しを立てることはできないので、
・答弁書(会社側の反論を明らかにする最初の書類)が出てから再度法律相談の上依頼するかどうかを決める
のでもよいし、
・訴状を見る限り全くご依頼を受けられないという案件でもないので直ちにご依頼いただく
のでもよいとのご案内をいただいた。
上記のとおり、せっかく解雇をされるという稀な事態に遭遇したのであるから、ぜひ労働事件に専門特化した弁護士の手腕を見てみたかった。
私は即決で着手金と実費込みで56万円を支払った。
現状無職で雇用保険以外に収入の見込みがない状況ではあるが、全く躊躇しなかった。
むしろ、56万円の出費で労働弁護士の訴訟追行を学べるのであれば破格であると思った。
後日、原告訴訟代理人を務めていただくこととなった先生より、
令和7年1月22日
に第1回口頭弁論期日が確定した旨ご報告いただいた。
最もフィジカルで、最もプリミティブで、最もフェティッシュな労働裁判の始まりである(はい、もう1回言ってみたかっただけです。)。