楽園 芸専アドカレ7日目
初めて聴いた時は意味がわからなかったけれど、数年後に聴き返してみたら理解できた曲がある。「楽園」という曲だ。
韓国語では「낙원」(なぐうぉんと発音する)、英語では「Paradise」。
3分半ぐらい時間がある人は一度聴いてみてほしい。
YoutubeとSpotifyのリンクを貼っておく。
https://youtu.be/obH7iPDAn2Q?si=q9aHZctM1RA8KYlG
https://open.spotify.com/intl-ja/track/1YO4xJXhh9A1Feg9k8xuy2?si=aee4826494234950
聴いてみると、楽園というタイトルにしては重く暗い曲のように感じられるかもしれない。
これを書くにあたって何度も聴き、なんとなく何を言っているか理解して(二外で韓国語を取っていてよかった)
その上でいろんな和訳を見てみて参考にしつつ、
自分がいいなと思ったところを中心に要約してみた。
歌詞の意味が、私にはわからなかった。
この曲の歌詞和訳を初めて読んだときの私は、すでにBTSにすっかりハマってしまった中学生だった。(私の中学はK-popアイドル好きの人がそんなに多くなかったので、隠れオタクというやつをやっていた。)
記憶が曖昧だが、受験期の頃だったように思う。
…ここはもう楽園?夢を持っていなくてもいい?何を言っているんだ?夢を追いかけてきた人たちがこのメッセージを曲にして伝えているのはなんでなんだ?てか現世が楽園なわけなくない?現にわたしはこんなに苦しいのに、
…
人生ってマラソンみたいだ。
日本史の先生は「受験はマラソンだ」と言っていた。
マラソンは、私には辛かった。
もう全てやめたいという絶望感に襲われたこともあった。
今思えば、努力の先に待っているのは真に望んだものではないという虚無感があったのかもしれない。高校受験のときは特に。受験を終えてもマラソンは続く。
走る場所が変わるだけだ。
自分がどんな人かもまだわからないのに、進路を決めろと急かされる。より上の学校を目指すこと、より大きい夢を持つことを期待されている気がする。それが重圧となって私にのしかかっていた。
未来ばかりを考えて不安になっていた当時の私は、とてもこの世界は楽園だとは思えなかったのだ。
ところが、筑波の芸専に来てみて一転。
芸専超楽しい!!!
周りがいい人たちすぎる。
自分の意見をしっかり持ちつつも、相手を尊重して認める人たち。よくないものにはにはよくないねと言う人たち。本当にここにきてよかった。
大学の講義や演習も刺激的だった。面白い授業がたくさんあった。
毎日が楽しい。いろいろと落ち込むこともあるが、すぐまた楽しさがやってくる。
今までありえないと思っていた楽園は、存在していたんだ。そう思えた。
友人たちのおかげだ。ありがとう。
それに加えて、最近自分を愛せるようになってきたのも大きい。
自分を愛する、という概念を知ったのはBTSがきっかけだったのだが、最初は自己愛?自分大好きってこと?ありえない…とドン引きしていた。
どうやらそうではないらしいというのを学び、「自分の醜いところも美しいところも素直に認めて受け入れる」ということなのかな、そのためには自己分析が大事だなと今では考えている。めちゃくちゃ難しいけど。
(このことについてもいつか書きたい。長くなり過ぎてしまうと思うのでここで詳しく書くのはやめておく。)
ともかく芸専は私にとって楽園なのだ。
あの苦しいマラソンも無意味ではなかった。
…しかし。
やはり未来を考えようとすると、不安が頭をもたげてくる。
何か描かなければ、つくらなければ、努力だけはしていなければならない気がする。
夢を追って努力している友人が遠い存在に感じられる。羨ましい。
それに比べて、私には誇れるような将来の具体的な夢がない。
焦る。
嫌だな。苦しいな。
ここも結局は、マラソン会場だったのか?
…疲れた。
そんなとき、イヤホンから流れてきたのは「楽園」だった。
そういえばどんなことを歌っていたんだっけと思い、和訳を検索してみた。
あのときわからなかった意味が、今はわかる。衝撃だった。
そうか。楽園にいられるなら、夢はあってもなくてもいいものなんだ。
夢がなくても、大丈夫なんだ。
私が真に望むもの、望んでいたものは何か。
「幸せに生きたい!私はただ幸せに生きたいんだ!!!」
思い返してみれば、中学生の頃からずっとこれを望んでいた。
私は自分がどんな人間なのか知りたい。自分にとって幸せが何なのかを言語化できるようになりたい。
「夢」より「今を幸せに生きること」の方が自分にとって重要で、
夢は私の人生では+αなんだ。
夢を追わない幸せな人生があってもいいじゃないか。
苦しいだけのマラソンは、もうやめよう。
世界がちょっと変わって見えた気がした。
BTSは私が手放せていない凝り固まった既成概念を破壊していく。
すげぇ人たちだ。
夢、なくてもいいか〜!とは言ってもやはり、夢を追う人というのは眩しい。
私は夢に向かって走る人を純粋に応援したい。
私にとって芸術は、人生に絶対必要なものというよりは、あったらおもろくて楽しいものなのだなと今は思っている。私の人生にあって欲しいもの。見るのも作るのも興味深い。まだまだ知らないことだらけだ。
もし、幸せに生きたい!以外の、
「社会が求める借り物の夢ではなく、私が心から実現したい私なりの夢」ができたら、そのときは走っていこうじゃないかと。
のんびり考えている。
はい、お疲れ様でした!!
自分の過去や本音と向き合う作業でかなり難産でしたが、自分の思想をまとまった文章として出力できてすっきりしています。芸専アドカレに参加できてよかったです。
ここまで拙い自語りをお読みいただきありがとうございました。
寒い日々が続きますがご自愛ください〜
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