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ジャズ喫茶、ライブハウスに行ってみよう!(演奏をより楽しむために)

■ ジャズ喫茶とは

ジャズ喫茶とは、店主のこだわりの詰まった音響機器で、ジャズのレコードやCD、生演奏を聴くことができるお店のこと。お昼は喫茶店として営業し、夜はライブハウスとして生演奏を行い、お酒を提供するスタイルが一般的です。中には生演奏は行わないお店もありますが、本記事では、生演奏を行うお店を「ジャズ喫茶」と呼び、そこでライブを楽しむために知っておくべきルール等をご紹介します。

■ 生で「ジャズを聴く」ということ

前回の記事では、「ジャズ初心者に向けたおすすめ動画5選」ということで、ジャズを好きになってもらうためのきっかけとしてYoutubeで観られる動画をご紹介しました。今やYoutubeでアメリカからのライブ配信をオンタイムで観られる、大変ありがたい環境が整っています。・・それでも、私は絶対に言いたい「一回、ジャズの生演奏を聴いてみて!」と。

ジャズは「アドリブ」と呼ばれる即興演奏のパートが必ずある音楽です。ミュージシャンのコンディション、場所、観客、天気、会場によって作られるその場の雰囲気によって、まさに「一期一会」の演奏が繰り広げられます。それはロックやクラシック等、他のジャンルでも一緒だと思われるかもしれませんが、「アドリブ」という音楽の性質上、演奏への影響度合は圧倒的にジャズが大きいのです。

また、CD等から耳で聴くのと、生演奏を聴くのとでは、受け取る情報量がまったく違います。個人的な体感では10倍くらい違うと思っています。よく楽器が"鳴る"と表現するのですが、実際に楽器から出る音で空気が振動しているのが伝わってきます。聴覚だけじゃなくて、身体の感覚を総動員して「音を受け止める」とでも言いますか、とにかく空間における「音」の存在感が半端じゃないんです。

最近では、ジャズフェスやジャズストリートといったイベントも増えて、野外や大きな会場で演奏を聴く機会も増えてきました。こういう機会で聴くのももちろんOKですが、もし可能であれば収容人数30人以内くらいの室内で、なるべくマイク等のPA(音響)を通さない生音を聴いてみることをおすすめします。"鳴っている”楽器の音。CDやマイクでは拾いきれない音の成分とでも言いましょうか。サックスだと"ぞりっとする音"とか表現されることがあります。なかなか言葉では伝え切れないんですけどね笑 でも上手い人のサックス、たしかにぞりっと鳴っています。


■ ジャズ喫茶でのルール等

お店によって多少の違いはあると思いますが、一般的なジャズ喫茶の仕組みをご紹介します。

● ライブ以外の時間

ライブ以外の時間はいわゆる普通の喫茶店と同じです。コーヒー400円、トースト500円等、注文した分だけ料金が発生します。大きな特徴は、その日の雰囲気に合わせてマスターが選んだ素敵なジャズがBGMとして流れていること。曲のリクエストなんて野暮なことはせず、今この場所で流れている音楽を楽しみましょう。もし気になる曲があったら遠慮せずに「これはだれの演奏ですか?」と聴いてみると良いかもしれません。私もこうやって知らないプレイヤー達の名演奏と出会い、ジャズの世界を広げてもらいました。

● ライブチャージ(料金)

ライブは夕方から夜にスタートすることが多いです。プロ・アマ等出演者のレベルによって上下しますが、ライブ自体の料金はだいたい2,000~6,000円くらいの範囲です。この料金にプラスして必ずワンドリンクを注文します。例えばライブチャージが3,000円だとして、これにビール中瓶600円を注文して、3,600円が支払う料金となります。

なお、お店に寄りますが、個人的には食事は済ませてから(もしくはライブ終了後に食べに行く)方が良いと思います。小さなお店の場合、ライブ中に食事のお皿の出し下げがあると、どうしても周りのお客さんの迷惑になってしまいますし、あまり食器のカチャカチャという音を鳴らすのも辞めた方が賢明です。ただし、東京のブルーノートのように、完全に食事をとるための席が確保されているお店もありますので、あくまでケースバイケースで判断ください。

● 座る場所

優先すべき条件から3つ挙げていきます(完全に私見です)。
① 座った時に正面にバンドが見える場所
② 自分のお目当てのプレイヤーが良く見える場所
③ トイレから離れすぎていない場所

まず①について、席によっては少し身体の向きを曲げないとバンドを見られない場所があります。ライブ中ずっとその向きをキープするのは以外と疲れるもので、音楽に集中するためにはまっすぐ見られる場所を選んだ方が良いです。

次に②について、席によってはピアノの演奏が見えないとか、ドラムが見えないとかありますので、お目当てのプレイヤーの演奏がよく見える場所を選ぶと良いです。

最後に③ですが、だいたいライブは2部構成となっていることが多く、1部と2部の間には休憩を挟みます。この休憩で皆がトイレに行くことになるのですが、あまり奥の席を選んでしまうと、どうしても後ろの順番になりがちです。音楽に集中するために、個人的には重要視するポイントです。

● 拍手のタイミング

ライブが始まったら、後は演奏を心ゆくまで楽しみましょう。演奏中、各楽器のアドリブソロが順番に行われますので、ソロが終わったタイミングで周りに合わせて拍手をしましょう。めちゃくちゃカッコいい!と思ったら、「イエイ!」と声を出してみると、プレイヤーも会場もさらに盛り上がりますよ!

● もし自分が楽器の奏者なら

これはお店との関係性にも依りますが、もし自分が楽器を演奏していて、どうしても演奏方法等で悩んでいること、聞いてみたいがある場合には、ライブ後に落ち着いた頃を見計らって、憧れのプレイヤーに質問をするのは"アリ"だと思います(自己紹介、ライブの感想、簡潔な質問であること、相手への敬意を忘れずに!)。繰り返しますが、あくまでもケースバイケースです。

■ プレイヤーを応援するために

ライブでは、プレイヤーが自分達がリリースしたCDを手売りすることが良くあります。演奏に感動して、そのプレイヤーを応援したい、という気持ちが強いのであれば、ぜひCDを購入してあげてください。おそらく一番の応援になると思います。また、今の時代はなんでもYoutube、spotifyで聴けてしまいますが、こうやってライブの時に買ったCD(会場で買うとサインをしてもらえる確率も高いです)は経験上、ものすごく真剣に聴くことになります。spotifyで何万曲のうちの1曲として聴くのとは、全然思い入れが違います。こういう聴き方ができるようになると、音楽をより深く味わうことができるようになるんですよね。


さて、ライブ、ジャズ喫茶へ行ってみよう!というタイトルでお話してきました。最初は少し敷居高く感じるかもしれませんが、この記事に書いた最低限のルールを理解していれば大丈夫!CDや動画だけでは味わうことのできない、生演奏の魅力をぜひ体感してみてください。

※本記事は、筆者の学生時代、主に石川県金沢市にある「もっきりや」さんでの体験を元に書かせていただきました。北陸が誇る素晴らしいジャズ喫茶、ライブハウスです。


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