小児看護師さん向け 小児タッチケア講座(実技動画付き)
はじめに
初めまして。私は大阪府茨木市を拠点に大阪北部エリアの、脳性麻痺などの障がいを持つ子どもたちを専門に訪問マッサージ施術、はり治療を行っている辻瑛一(つじえいいち)です。
現在、医療の発達により、遺伝子異常や分娩時のトラブルがあっても命をつなぐことができる子どもたちが増えています。そのこと自体は喜ばしいことではありますが、残念ながら遺伝子異常や脳細胞へのダメージを根本的に治癒することはできません。命をつなぎとめたその後、重度の障がいや医療的ケアを必要とするこどもたちが増えています。
私は鍼灸マッサージ師として、そういったお子さんが生まれ持った能力を、少しでも引き出してあげたい。そして、側弯症や股関節の脱臼などの2次的な障がいを軽減し、将来にわたって生活の質をできるだけ落とさないよう、日々施術に取り組んでいます。
私自身は、名古屋で長年、小児障がい児のための施術に取り組み続けておられる、一般社団法人日本小児障がい児支援協会の青山かほる先生が考案された「GITTER式®プログラム」を学び、実践しています。この講座の内容も、GLITTER式®プログラムの一つである「GLITTER式®自宅ケア」をベースとし、私自身で学んだ知識を取り入れて、「小児タッチケア」としてテキスト化しました
本編でも述べますが、子どもたちには、もっと触れてもらうこと、「触経験」が必要です。
しかし、小児障がいについて専門的に学んでいる鍼灸マッサージ師はごく少数であり、必要としているすべてのお子さんに対応することはできません。私一人が対応できる人数にも限度がありますし、地域も限られます。
でも、困っているお子さんは全国にいます。
どこでもドアがあれば・・・と何度思ったことかわかりません。
鍼灸マッサージに繋がることのないお子さんであっても、看護師さんはほとんどお子さんが接することになると思います。その看護師さんが、小児マッサージについての知識を持って触れてもらうことができれば、私一人では対応できない多くのお子さんに、「触経験」を届けることができる。そう思い、今回の講座を立ち上げました。
小児病棟、訪問看護、児童発達支援、放課後等デイサービスなど、看護師さんが小児障がい児に関わる場面は多岐に渡ります。現場によっては、一人ひとりのお子さんにかける時間がとれないかもしれません。
日々忙しい中、わざわざ時間を取ってケアをしてください!とは言いません。
普段のお仕事の中で、エッセンスを取り入れて子どもたちに触れてもらえたら、きっと良い結果になると考えています。
今回は看護師さん向けということで、医学的な基礎知識を持たれていることを前提に構成しています。
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