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リアル狩猟生活について

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ガキの頃、おやじに誘われて何度も千葉の勝浦海岸に連れていかれた。到着するとおやじはさっさとウエットスートを着てシュノーケルを装着し銛(モリ)をもって海に入っていってしまう。そして平気で3時間くらい帰ってこないのだ。こちらは退屈で仕方がなく、また何か事故でもあったのか不安になってなんとなくそわそわしながら待っていたのを今でも時々思い出す。

海から戻ってくるとサザエやアワビ、石鯛などをその場でバーベキューにしたり刺身にして食わせてくれた。どれも新鮮で歯ごたえがあってとてもおいしかった。

中学生にはいってから「おい、正月のはまぐり取りに行くぞ」と兄貴も一緒に誘われて12月中旬(ちょうど今頃)茨城県大洗の荒ぶる海に薄っぺらいウエットスーツをきて入らされ、浅瀬の砂浜を延々足で探りながらあるいてはまぐりを拾う苦行をさせられたこともある。今考えると子供にすごい事させるなと思う。ちなみにそれ以来兄貴はもう誘っても来なくなった。

いつの間にかその磯遊びを自分の趣味としてやるようになっていた。高校生になり友人と伊豆の別荘(じいちゃんばあちゃんが所有していた古い別荘タイプのマンション)に親なしで行くようになり、岩場の海岸でサザエを採ってその場で焼いたり刺身にしたりすることから始まっていく。

高校時代水泳部だったこともあるけど、おれは深く長く潜ることがとても上手だった。これは親父から受け継いだ才能なんだと思うけど、足ひれをつけなくても10メートルくらいは平気で潜れたし耳抜きも鼻をつままなくても自然と圧が抜けていくのでどんどん潜ることが上達していって足ひれをつけると20メートルの深さまで潜れるようになった。

よく一緒に海に遊びに行った幼稚園からの幼馴染のまあくんが銛を購入したことでさらにエスカレートしていった。もうその辺の海では目立ちすぎるため西伊豆まで行ったり八丈島や大島など離島にわたった。

魚を突くという行動は正直誰でもできることではない。よっぽど好きではない限り恐らくそれなりの訓練が必要だ。追いかけても絶対に逃げられる。何度も潜っては石にしがみつき、景色と一体化するように銛を構える。そこに景色だと思い込んだ魚を呼び込んで一突き。逃がしたとしても岩陰に隠れたのならそこを追いかけてそっとのぞき込み一突き。

ついた魚はその場で血抜きをしてはらわたも取り出して腰に巻いている紐に目の部分を通して次の獲物を狙う。そこには命のやり取りが存在する。だから絶対に食べるし骨まで残さない。いや、骨は残すか。

極めつけは自転車で日本を縦断したときに、石垣島の海辺のキャンプ場にからまあくんに電話をして銛を送ってもらい本格的な狩猟生活を1か月くらい送った。のんびり起きて昼飯を食った後ハンモックでのんびりと本を読み、14時くらいから2時間くらい潜って魚を20匹くらいとってくる。

それを煮るなり焼くなり刺身にするなりして調理。あっという間に夕刻を迎える。夕飯時になるとキャンパーがそれぞれ食事の支度をするのだが、そこでこちらの魚料理をふるまうことでみんなの食事を少しずつシェアしてもらう。

物々交換というのはそれぞれの得意分野を生かし(農作業や料理、狩猟にも山と海、罠とかがある)た超原始的で効率的な食確保のシステムだと思う。それぞれの弱みを補い強みを生かすとても理にかなった生きるための共同作業だ。

早いとこ自由にどこでも働けるようになって、そのような原始的共同生活を日本のどこかで展開するようなコミュニティを作りたい。その様子を撮影する部隊も準備したら最強ユーチューバーになれる気がしなくもない。

読んでくれてありがとう!!

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