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私この仕事つづける?キャリアに悩んだ元・葬儀屋のライターからnote好きなあなたへ
もうすぐ30歳。今の仕事を続けるか、何か新しいチャレンジをするか?悩む人は多い。
著名な俳優の方へのインタビューや、映画・ドラマレビューの執筆で活躍されているフリーライターの北村有さんも、かつては同じように悩んでいたそう。
葬儀屋からキャリアをスタートさせ、28歳のときに完全未経験からフリーライターへ転身した北村さん。
何がきっかけで、思い切ったキャリアチェンジへ踏み出したのか。不安はなかったのか。
なぜ、コネ無し・異業種・未経験の状況から新しいキャリアを切り拓くことができたのか。
<北村有(きたむら・ゆう)さん プロフィール>
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映画・ドラマのレビュー、コラム、役者インタビューが中心のフリーライター。
2018年に会社員を辞め、未経験・異業種から現職へ転身。
主な執筆媒体は『telling,』『CINEMAS+』『ぴあWeb』『女子SPA!』『TRILL』
◾️X(旧Twitter) ◾️仕事実績 ◾️Voicy
なぜ会社員からフリーライターに?
会社という仕組みのなかで働くことに向いていないと気づいた
——なぜ、会社員からフリーライターへ転身されたのですか?
28歳ぐらいの頃に「自分は会社という仕組みのなかで働くことに向いていないんだ」と気づいたのがきっかけです。
仕事内容とか、どんな人と一緒に働くか、ということは全然問題じゃなくて。
会社組織やチームで協力し合って仕事をしていくということがそもそも向いていないんだ、と。
「だったらもう1人でやっていくしかない」と、実は消去法でフリーランスを選びました。
フリーランスでやっていくとしたら、職種はいろいろあると思うんですが「一番すぐ挑戦できるのがライターかな」と考えて。「自分にはこれしかない」とたどり着いたのが、フリーランスライターへの道でした。
新卒で葬儀会社へ 20代は迷走していた
——本を読んだり文章を書くのは昔から好きだったそうですね。新卒の就職活動では、「書く」仕事は視野に入れなかったのでしょうか?
ライターになるのが長年の夢!というわけではなかったですが「作家やエッセイスト、コラムを書く人になれたらいいな」とは思っていました。
ただ、どんなルートでそれらを叶えられるのか明確にわからず……たとえば作家になるにはどうしたらいいんだ?と。
自分の本を出版するなんて絶対に簡単な道ではないと思っていたんです。
新卒の就職活動時は出版社もいくつか受けてみましたがどこも受かりませんでした。私のキャリアは葬儀会社からスタートするんですが、他にもいくつか仕事をしてみたり、20代は迷走していたと思います。
「自分はいったい何がしたいんだろう?」と、自分でもわかりませんでした。
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でも、根本のところでは「文章を書いて仕事をしていれば一番うまく人生がはまるんだろうな」とは思っていました。
20代のうちに何かやってみよう!タイムリミット付きの挑戦
——新卒のときは踏み出せなかった「書く仕事」に、30歳を目前に改めて挑戦できたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
28歳ぐらいの頃、ふと考えたんです。「このまま何もしなかったら、変わらないまま時が過ぎて30代、40代を迎えることになるな」と。
そう考えると、何かしら行動してみるなら「今」なんじゃないかって。
何歳から始めても遅いとかではないんですが、私の場合タイミング的に、「20代のうちに」というのが大きかったです。
「会社を辞めてライターに挑戦するなら、30歳までにかたちにする」と自分のなかでタイムリミットも設けました。
もしそれまでにかたちにならなかったら、そのときまた考えればいいか、と。将来を不安視するよりも、「今どうしたいか」に向き合っていました。
働く=会社員のみ?価値観が一転したきっかけ
——どれだけ現状がつらくても、「慣れた状況を変えない居心地のよさ」からなかなか抜けられない人が多いと思います。周りから反対されるとなおさらです。どのようにして「居心地のいい現状」を抜けることができたのでしょうか?
「働く=会社員」という価値観の人に囲まれていましたし、私自身もずっと「会社員としてやっていくしかないんだ」と思っていました。
そんな考え方が大きく変わるきっかけとなったのが、オンラインサロンです。
当時オンラインサロンの全盛期で私もその潮流にのって入ったのですが、それでもう一気に世界がひらけました。
フリーランスという働き方があることもサロンで知ったんです。
この人はどんな仕事で生きてるんだろう?みたいな「自由人」とか、その時々で自分がやりたいことをやりながら生きている人とか。そんな人たちが、こんなにたくさんいるんだ!ってカルチャーショックで。
選択肢が増えたという意味で、自分の価値観が一転しましたね。
会社員として無理にがんばり続けなくてもいいのかもしれないって思えました。
だって、こんなに「変わった人たち」がすでにたくさんいるんだから!と。
オンラインサロンに対しては昨今さまざまなイメージがあるかもしれませんが、「新しい世界を見せてくれた」という意味で、私は入ってよかったなと思います。
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最悪、親に怒られるだけ。なんとかなるだろう
——新しい環境に入って、マインドが変わっていったのが大きいのですね。それにしても、コネ無し・異業種未経験・貯金20万円でいざキャリアチェンジに踏み出す際、不安はなかったのでしょうか?
たぶん不安はありました。けれど、不安をあおってくる人が運よく周りにいなかったんですよね。なぜか応援してくれる人ばかりでした。それにだいぶ助けられましたね。
金銭面の不安であれば、今もライターを始めた頃もそんなに変わりません。今も基本的にうっすら不安です。来年もこの仕事で生きていけるのか、と。
先のことを憂いて鬱々となったり考え込んでしまうことはなかったですし、今もないですね。
「なんとかなるだろう」という気持ちの方が大きくて。
失敗しても最悪、親に怒られるだけだと思っていましたし。親に怒られることを考えるととても怖かったですけどね(笑)
なので、仮に他の人からなんだかんだと言われたとしても「まあいいか」と。オンラインサロンで「変わった人」はたくさん見てきましたし、きっと大丈夫だろうと考えていました。
駆け出し期を乗り越えて
逃げ出したいと感じることも。でも恩返しがしたいから
——新しく選んだ道が軌道にのるまで、不確実な将来のためにがんばり続けるのはエネルギーが必要だと思います。どうしてここまでずっと努力を続けられたのでしょうか?
私がここまでライターを続けられているのは、ありがたいことに「人との繋がりでお仕事をいただけているから」だと思います。
いつも「お仕事をいただいてありがとうございます」という気持ちでいます。
恩返しがしたい、そんなモチベーションで目の前のお仕事に尽くしてきました。
「自分ががんばっているから」というより、「気にかけてくださる人のおかげで今の場所に連れてきてもらっている」と思っています。
基本的に、「ラッキーでこの場所にいる」と思っていて。
駆け出しの頃は特に、仕事をするなかで「自分は場違いなのでは?」「ここから逃げ出したい」と思うこともありました。
その時々で、色々不安もありました。自分の力量や、お仕事を継続してもらえるかわからないとか、今月収入ゼロだったらどうしよう、とか。
でも、「せっかく私に仕事をくださる人がいる。その人のためにがんばるしかない」と、ある種の開き直りで自分を奮い立たせていました。だから挫けずにやってこられたんだと思います。
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そのとき自分ができることに積極的に挑戦していたそうです。
エッセイ出版、推しへのインタビューという目標
——挫けそうなときも湧きあがる感謝の気持ちで乗り越えて、今の北村さんがいらっしゃるのですね。今後、新たに挑戦したい目標や夢はありますか?
「こういう人になりたい」と憧れているライターの方がいます。
その方は役者さんへのインタビュー経験も豊富で、ドラマレビューも素晴らしく、私の一番のロールモデルなんです。本も出版されています。
私も自分の単著、「エッセイを出版する」というのが今の一番の目標です。
推しの役者さんである菅田将暉さんへのインタビューもしたいですね。
そういうことを目標に、今がんばっています!
本当は書く仕事に興味がある人へ
選択肢を広げてもらえたら
——エッセイ出版も推しへのインタビューも、とても素敵な目標です!今、新たに挑戦されているVoicyではどのようなことを発信したいと考えていますか?
かつての私と同じように、未経験で異業種からいきなりライターの仕事をやってみたいと思っている方に向けて、「私はこうしてきましたよ」ということを発信したいと思っています。自分の経験がちょっとでも参考になればいいなという気持ちです。
未経験からライターや編集者になった方って、あまり多くないと感じていて。出版社や編集プロダクションでお仕事をされているのは「いい学校」を卒業されている方が多いイメージです。
そういう意味で私も学歴コンプレックスがありましたし、「やっぱりちゃんと勉強していないとライターや編集者になるのは難しいんだ」と思ってしまっていたんですね。
でも実際は、仕事の選び方や目指し方っていろいろな方法があって。
道は一つじゃなくて、いろいろあるんですよね。なので、「こういうやり方をすれば、やりたい仕事ができるかもしれませんよ」と、経験をもとにVoicyではお話させていただいています。
「選択肢を広げてもらえたらいいな」と思っています!
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ライターという仕事の魅力
——ライターの仕事の魅力はどんなところにあると思いますか?
いろんなジャンルのライターさんがいると思いますが、それぞれの経験を活かしやすいと思っていて。
映画やドラマが好きだったらエンタメ方面で書いていけばいいし、ビジネス分野が得意なライターさんもいます。
それまでの自分の経験を文章にしていける点で、汎用性がすごく高い仕事だな、と。
ちょっとでも書くことに興味があったら、何歳からでも挑戦できる仕事であるとも思います。
それと「出社しなくてもいい」「自分のペースで働ける」のが、私は一番生きやすいなと感じています。何時から何時まで働くという縛りがない。それもライターの仕事の魅力ですね。
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ちょっとでも興味があったら、試しに挑戦してみてほしい
——会社員時代に悩まれた経験がVoicyの発信に繋がっているのかと思います。「今の働き方がしんどい」「ライターの仕事に興味はあるけど一歩踏み出せない」方に対して、どんな言葉をかけられますか?
私もそうだったんですが、しんどいときって素直にしんどいと思えないというか。周りから「大丈夫?」と気にかけてもらうほど頑なになってしまう気持ちもあると思います。
でも、だからこそ、たとえば「ライターになりたい」「文章を書く仕事がしたい」という気持ちがちょっとでもあるのなら、できるところから行動してみてほしいです。
ライターって本業の仕事をしながらでも始められると思いますし、まずは小さなことでもいいので試しに挑戦してみてほしいですね。
▼具体的にどう行動すればいいの?という方に向けて、
「ライターになるためにやったことすべて」をVoicyにて発信
※本記事は、取材ライターコミュニティ「ききじょうず」にて
自主企画としてインタビューを実施したものです。
企画・取材・執筆・記事見出し画像/えい
<執筆後記>
行動すれば新しい出会いや気づきが得られる。また新しく行動を起こす。
その繰り返しによって不安な気持ちも小さくなり、「今何ができるか?」に集中できるのだと思います。
「現状にモヤモヤするときこそ、小さくてもいいからまず一歩踏み出してみてほしい」
そんな温かく力強いメッセージを感じました。
新しい道を選ぶときは不安もあるけれど、まあなんとかなるだろう!の気持ちで。
私もライターとして生きていけるよう、小さな挑戦を重ねていきたいです。