【ざっくりまとめ】タロットカードの歴史①起源からマルセイユタロットまで
皆さん、タロットカードはいつ誕生したと思いますか?
ん~…、やっぱり中世かな?
いやいや、日本の弥生時代くらいじゃない?
案外新しくて、英国でいうヴィクトリア女王の時代じゃない?
皆さん色々お考えだと思いますが、
日本で言うところの室町時代には存在していた証拠があります。
その起源はトランプである…とか、
紀元前2世紀~紀元後2世紀の中国が起源であるなど
諸々の起源説はあるのですが
あくまでも物的証拠があるのが日本の室町時代頃です。
その証拠のある場所はどこでしょう?
イギリス?フランス?もしかしてエジプト?
答えは、イタリアです。
1442年、イタリアの貴族・エステ家の帳簿にタロットを購入したという記載があるのです。
1450年には同じくイタリア貴族のヴィスコンティ家が作らせたタロットカードが現存最古のものとして残っています。
当時のタロットは占い用ではなく、貴族の子弟の教育用であったと考察されています。
当時はまだ印刷技術がまだ普及しておらす、タロットは全て手描きでした。
しかも高価な絵の具や金箔が使われた超高級品だったのです。
当時のタロットの絵柄には現在と同じく寓意が込められていましたが
それはその家の歴史であったり、教会法に則った社会秩序についてであったり、当時流行していた社会風潮を反映したものでした。
それをお抱えの絵師に指示して描かせ、貴族の子弟は鑑賞しながら学んだのだ考えられます。
ですので、現存するヴィスコンティ家のタロットからは
当時のルネッサンス的な社会についてやヴィスコンティ家の家柄についても見て取ることが出来るのです。
では、最古の印刷されたタロットはいつ出来たのでしょう?
1643~44年にフランスでTAROT DE JACQUES VIEVILLE(ジャック・ヴィーヴレ・タロット)が出版されます。
ですが、当時はまだタロットは占いの道具としてではなく、
トランプのようにカードゲーム用として使われていました。
占い用のタロットは1712年にイギリスで初めて出版されます。
これは1690年頃に占い用として使われていたドーマン・ニューマン作のタロットの復刻版でした。
ですので、この1600年代の遅くとも中頃以降には既にタロットは占いとして使われていたと想像できます。
占い用のカードとしての需要がなければ印刷はされていないと思うからです。
実際1700年頃にはイタリアでタロットを占いとして用いた記述も見られます。
そしてこの時期にタロットの絵柄がほぼ定まって行きます。
1650年、フランスでジャン・ノブレが、現在「マルセイユ版」と呼ばれるタロットの母体となるタロットを作ります。
1789年頃、更にそこに当時流行していたエジプシャンのエッセンスを加えた
「エッティーラ版マルセイユタロット」をエッティーラが生み出します。
更にエッティーラはタロットの注釈書も執筆し、世にタロット占いブームが到来します。
この頃のフランスといえば、フランス革命の頃です。
世相が乱れていた時期ですね。
世が乱れていたり、先が見えない不安が大きい時…
人は神仏や未知の力にすがりたくなるものです。
ですから、タロット占いブームの裏側にはそういった世相があったことも大きかったと私は思います。
そのブームは大きかった証拠に、当時はタロット占い禁止令も出されています。
現在の占いブームの裏にもやはり、社会不安や将来への不安が大きいと思います。
禁止令…は出ないかもしれませんが、悪質なものは現在にもありますね。
不安を煽った占いには気をつけてね、と個人的には思っています。
占いやカードリーディングは個々の未来を明るくするためにあると私は思います。