琅琊榜 原本の入手方法【覚書】
「琅琊榜」はWEB連載時で最低1回、書籍化後も出版社や版が変わるたびに加筆改稿で本文に手が加えられている様子がみられる。
単純に文字数だけを比較しても14集改修版(WEB版)から十五年典藏版までの間に約20万字近い加筆が行われており、削除されたエピソードの存在を考えると、実際には相当の改稿がされていることは容易に想像がつく。
全体に加筆削除の痕跡が見られるため、どのバージョンを取り扱うかは意識したほうが望ましい。
■冊子版(69章+尾聲)
簡体字版は現在以下の2バージョンが5000~8000円前後で日本でもAmazon、東方書店などで入手可能。
・全新正版图书 琅琊榜(插图珍藏版)
出版社 四川文芸出版社
発行年 2018年
字数 920千字
カラー口絵付き
Amazon
・琅琊榜(十五年典藏版)
出版社 浙江文艺出版社
発行年 2022年
字数 954千字
東方書店
Amazon
ネットを検索すると上記の他に簡体字版(大陸版)2種、繁体字版(台湾版)2種、韓国版、タイ語版が書籍出版されている。
■WEB版(全174章)
・WEB版(14集改修版)
起点女性網
更新时间:2007-08-31 08:34:09
74.65万字
https://www.qdmm.com/book/86464/
現在ネットで閲覧できるバージョン。
「第一百三十七章探望」までは無料で閲覧可能(2024年1月12日時点)
書籍化時に重ねられた加筆改稿により消えたエピソードがあり、余力があれば読み比べも楽しい。
起点女性網はテキストのコピペはできないため翻訳時には写真を撮る必要がある。
転載サイトの一部にはテキストのコピペが可能なサイトもあるらしい。
・WEB初期版
蕭景睿の失恋、三人の貴公子と梅長蘇の上洛の様子、靖王妹公主の恋バナなど、現在ネットで閲覧できる14集改修版でばっさり削除されたエピソードがある。
初期バージョンの14章分を読んでもどこにBL要素があるのか読み取れなかったのは初期AI翻訳の能力が原因なのか、私の腐女子力が低いことが原因なのか、あるいはそういった要素が強いバージョンがほかにもあるのかは不明だ。
現在、「起点女性網」及び各海賊版サイトのどちらでもでは確認できないが、ネットのどこかの転載サイトでは読むことができる。
■「普江文学城」と転載サイト(海賊版)の関係
二者の関係については下記論文で言及されている。
論文のpdfファイルが全文公開されているので中国のオンライン小説サイトに興味のある方には一読をお勧めする。
庄悦「中国のネット小説読書における海賊版の意味: 小説投稿サイト『晋江文学城』の読者活動を例に」コミュニケーション研究54,上智大学コミュニケーション学会,pp.53-68
https://digital-archives.sophia.ac.jp/repository/view/repository/20240321203
■修正箇所
2025年1月13日 WEB初期版について