カタラガマで40度超えの発熱、医療費や如何に。 - 一人旅スリランカ / カタラガマ
某日、スリランカ、カタラガマでの話。
ああ美しいスリランカ。思い出の聖地カタラガマ。
数ヶ月は出っぱなしの長期旅行者であれば、旅行中のプチ体調不良なんてよくある話だと思う。
お腹壊したりさ、謎に熱がでたりさ。
私はお腹を壊すことはあまりないが、たまに熱を出す。
そんな私の体調不良も、これまでのところは大したことにまでは及んでいないものの、やっぱり一人旅だと余計にしゅーんと不安になるよね。
私の旅で、これまで一番不安だったのが、スリランカでの発熱だ。
コロンボからキャンディーへ向い、そこからマータレー、ダンブッラやらシギリヤ、ミヒンタレ、アヌラダプラやらポロンナルワ、そしてニラベリから再度のキャンディ、ハットン、エッラと旅を続け、南へ抜けてカタラガマについた。スリランカの旅は3ヶ月近くなっていて、そろそろコロンボへ戻り出国を視野に入れていた頃。
ヤーラ国立公園での早朝サファリへ出かけ、なんと口に獲物(うさぎさん)を咥えたスリランカレパードがみれるという幸運な体験を持って宿に戻り、仮眠をとった。スヤァ。
で、寝ながら思った。
「寒い!寒い!めちゃくちゃ寒い!!!」
4月のカタラガマにおいてめちゃくちゃ寒いとは一体?
とにかく寒気がやばいのだ。
うなされながらも寝続け、起きてみると手の強張りがやばい。
なにこれ。そして寒い。でも体がとても熱い。
「熱中症…???」
そう思って水分をよーくとって、クーラーをかけて大人しく寝ていた。
が、寒い。熱を測ると40度あった。え、40度?
I have a fever and feel awful 😢
Aku demam dan rasanya nggak enak banget 😢
ฉันมีไข้ แล้วก็รู้สึกไม่สบายมากเลยค่ะ 😢
夜になっても熱は下がらない。
私は「ちょっと体調が悪いので、すぐ近くの地域医療センター(的な施設)に行ってくるよ。風邪か、熱中症かも」と宿の人に伝えて、ふらふらと歩いて施設に向かった。「風邪か」といいつつ「こんな風邪ひいたことねえよ、風邪じゃねえよ」という気持ちはあった。
医療センターに着く。敷地にはいると灯りのついた建物が。
入ってみると先生がいた!
脚を怪我してぐったりと横たわり点滴を受けている人の隣のベッドで、熱を測ってもらった。
やっぱり40度越えだ。
点滴をしてもらって、解熱剤か何かわからないけどとにかく薬をもらって、「ベッドで寝ててください」と言われた。
扇風機しかない病室。ひろーくてベッドがたくさん置いてある。
ベッドは数個だけが埋まっていて、おばあちゃんが寝ていたりして、その看病で家族の人がついているといった様子。
とにかくしんどいので横になっているとぐったり寝てしまった。
「お薬の時間だよ」と看護婦さんに一度起こされ、薬を飲む。
寝る。
が、暑くて起きる。寒いけど熱くて暑いんだよう!!!!
「暑くて寝られないのです….ホテルに帰るのです…」と看護婦さんに伝えると「ここにいてもらった方が安心だけど…。規則だからこれ書いて」と誓約書的な書類を渡された。
「病変しても文句言いませんよ」みたいな文言にチェックを入れる。
迎えにきてもらったら?ホテルに電話をしてあげようか?と言われたけど、「うん、そうちてほちい」といえない私。
「だいじょうぶです。すぐちかくだから。ありがとう」
暗い道を再びふらふらと宿に帰る。
なんと門が閉まっていて入れない。
どうしよう…と思ったが、宿に電話をして叩き起こして門をあけてもらう。
どうせこんなことになるなら、素直に病院から宿に連絡いれてもらえばよかった。
「ごめんなたい…」
「大丈夫だよ、薬飲んだ?」
「飲みますた…」
「何かできることあったら言ってね」
「ありがとです…」
まあホテルの人だからそれが仕事とも言えるかもしれんが、スリランカ人とは本当に面倒見の良い人たちなのだ。他人のことを、放っておくことができない。それに疲れたりも、それに癒されたりもする。
次の日の朝目が覚めると、熱は下がり切らないものの、ちょっと体調良くなった気がしていた。
だるいけど、なんとか歩くことはできたし、なんとかご飯も食べれた。
翌日にチェックアウトの予定だったが、こんな体調不良ではバスに乗るのもしんどいので、さらに数日滞在を延長した。
そこでふと気づいた。
え、昨日は診療も、点滴も、薬ももらったのに、一銭も払ってないんだけど….?!
わたし、無銭治療泥棒野郎じゃん!!!!
焦って(しかし歩みはのろくトボトボと)昨晩お世話になった地域医療センターへ。
「あ、あの…昨日夜中におせわになりました….わたしです…」
(外国人が戻ってきたぞ!体調が悪化したのか?!)という面持ちで少し緊張した顔をするお医者さんたち。
「あの…昨日よりマシになりました。き、昨日は夜遅くだったし、お金払うの忘れてホテルに戻ってしまいました。ほんとうにごめんなさい….(ゆるして、体調悪かったから考えられなかったの。わざとじゃないのって顔をして)」
と伝えたら、お医者さんも看護婦さんもポカーンとした顔で
「ここは、無料ですよ」
と。
「私、外国人です」
「はい、外国人も無料です」
「あ、はい。でも、点滴してもらって、薬ももらったので。ベッドでも寝ました」
「無料です」
「無料ですか」
「無料ですよ」
マジか。
薬代もとらんのか。
「でも、寄付は歓迎していますよ!」
と先生に言われたので、ドネーションボックスにそれ相応のお金を入れて、もう一度お礼を伝え、深く頭を下げて病院を去った。
コロナ後のスリランカ。経済も破綻していて、医療環境に影響がないわけがあるまい。薬が足りないというような記事も目にしていたので、ポッと出の外国人なんかが薬を使ってしまってごめんなさいという気持ちが込み上げ、(多分体調が悪いせいで)ちょっと泣いた。
で、涙を拭いて、トボトボと宿に帰った。
「また病院行ったのか?どうだ?」
「う〜ん、まだよくないけど、昨日よりマシ」
「とにかくよく寝なさい。何か食べるか?」
「バナナ食べたい….涙」
バナナを買ってきてくれる宿のスタッフのスリランカ人。
キリウェヘラとデーワーレへの参拝、そしてヤーラも行った後の発熱だったので、一応、カタラガマで最低限やりたいことは済ませていた。
すべきことは休むことだけだった。
数日後にはなんとなく動ける気分になったため、カタラガマを後にして、ヒッカドゥワへ移動する決心をした。
私の思い出の場所、カタラガマ。
みんなすごく優しかったな!
体調不良はなんだったのかな!
風邪かな!
てへぺろ!!!
などと思いながらバスに乗りこむ。
が、実は体調は良くなってなかったことがヒッカドゥワに到着してすぐ判明する。
本当に辛い目に遭うのはこの後こと。
結局出国まで不安を引きずることになったのだが、ヒッカドゥワでもまた、てへぺろ!では済ませられないほどのありえない優しさを受けることになった。それもまた別の記事(次の記事)で書く。
最後にひとこと「バナナは旅人を裏切らない」