絵本沼講座「あの兎の衝撃と凄み。」【9/5開催しました】
こんにちは、えほんやさんのひろこ店長です。
昨日はオンラインで「絵本沼講座」でした。
絵本沼講座って…?
絵本沼講座は、吉田進み矢さんが、パワポを使ったプレゼン方式の絵本評論です。
前回は『はらぺこあおむし』を題材にして講座をしていただきました。
前回の開催報告はこちらからご覧いただけます。
▼第1回絵本沼講座「青虫の必然と逡巡」開催報告
https://note.com/ehonyasan/n/nb2789b1d1fdb
進み矢さんといえば、「パワポ芸」とも言えるプレゼン形式が非常に独特なのですが、そのプレゼン内容が濃ゆいこと、濃ゆいこと…。
作者はもちろん、その周辺人物や、翻訳者についても話が広がります。
しかも途中で「さて、これは誰のことでしょう?」など質問されるので気が抜けない…笑
ほどよい緊張感と、知識欲が満たされていきます。
気になる、絵本講座の内容は…
今回のタイトルは「あの兎の衝撃と凄み。」。
そのパワポの画面はこんな感じです。
「あの兎」は、みなさんご存知、ミッフィーちゃんです。
講座は<衝撃編>と<凄み。編>の二部編成で進められます。
<衝撃編>
衝撃編では、ミッフィーちゃんの絵本を作ったディック・ブルーナについて、そしてそれを日本で出版した某出版社の某編集長のこと。翻訳者のこと。
もう、ミッフィーちゃんに関係のある人たちが、いろんな関係で複雑に絡み合っているのです。
「この人、きっと●●さんだろうなぁ」なんて、勝手に想像しながら聞いていると、その予想を見事に裏切られ、まさかここにこの人が!!!という驚き…。
でも、この裏切り&驚きのセットが衝撃すぎて、記憶に鮮明に残ってくるんですよね。
今回の講座『うさこちゃんときゃらめる』という絵本が課題絵本になっていて、事前に読んで、当日も手元に準備しておいてくださいというおはなしでした。
そしてこの『うさこちゃんときゃらめる』、内容がかなり衝撃的!
あのかわいらしいうさこちゃんでこんな絵本が出ているなんて!!
と、驚いてしまうので、はじめに<衝撃編>と聞いたときは、きっとこの絵本の内容が出てくるだろうと思っていたのですが、まさか未出…。
絵本の内容以上の衝撃が準備されていました。
そのひとつが名前。
■ナインチェ・プラウス
■うさこちゃん
■ミッフィー
1つのキャラクターで3つの名前があります。みなさんご存知でしたか?
<凄み。編>
続いて<凄み。編>。
こちらでは、前述の『うさこちゃんときゃらめる』といくつかの作品を紹介しながら、その絵本ができる過程などをおはなしいただきました。
「きゃらめる」の内容は本当に衝撃的ですが、
どうしてこれが作られたのか?
ブルーナは編集者をつけず、ひとりで絵本を作っていたが、作品の評価は誰にしてもらっていたのか?
など、ブルーナの意図を知ると、「なるほど。これは子どもといっしょに読みたい。」と思う作品ばかり。
また、ブルーナは、の絵本の背景の色にもそれぞれ意味をもたせていたそう。
背景色のことも聞くと、これから絵本を読むときの印象が変わりそうです。
<凄み。編>を聞くと、ブルーナの作品に対する想い、愛が感じられ、全作品を手元において、読みたくなりました。
講座を聞いて感じたこと
前回もそうですが、様々な角度(しかも、自分が考えないような視点)から作品を紹介してもらうと、その作者がとても愛おしく、尊く感じられ、その作者が作った絵本を全部新たな目線で読みたくなってきます。
作家さんにお話しを伺うと、絵本や作品に対する想いを伺えてファンになるのはもちろんですが、なかなかお話しを伺うことができない方、すでにお亡くなりになっている方のことをお話しいただくことで、同じように作家さんのことが大好きになることができます。
いろいろな方のお話を伺ったり、考察することで、多角的に物事を捉えられるようになるので、これからもトークイベントや絵本沼講座は積極的におこなっていきたいイベントだと感じました。
大人の方がここで知った知識や思いを、小さい方たちへシェアしてくださるとうれしいなぁ。
内容が気になる方は、アーカイブの販売もしています。
▼アーカイブはご購入いただけます。
https://ehonyasan.shop-pro.jp/?pid=163110194
吉田進み矢さんって…?
最後に、吉田進み矢さんのプロフィールをご紹介
絵本評論、絵本史研究。出版業界生活28年、川上から川下まで、ずっと児童書・絵本担当。大阪出身埼玉在住。
★絵本を読んで考察する愉しさをパワポを使ったプレゼン形式で伝える「絵本沼講座」を各地で開催。参加された方からは「絵本の見方が変わった」との感想多数。
▼ブログ「絵本沼」
https://ameblo.jp/yoshidasusumiya
次回もぜひ開催したいと思っています!
次のテーマは何かなぁ?^^
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