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好きな仕事をしている姿がほっこりする、そんな絵本 | 『フワフワさんは けいとやさん』 | を紹介します。

絵本紹介士のkokoroです。


今回、とても世界観がカワイイ絵本を紹介します。

『フワフワさんはけいとやさん』
樋勝 朋巳 文・絵 福音館書店




1・ストーリー

フワフワさんは毛糸屋さんにお勤めしています。
毛糸を売ったり、編んだり、編み物教室で教える仕事。
フワフワさんは毛糸が大好き。だから、自分の仕事も好きです。

ある日、編み物教室をしている時に帽子を受け取りにお客様が来られました。
フワフワさんが編んだ帽子です。ところが、その帽子のサイズが合わなかったのです。
帽子は明日必要。さあ、大変、フワフワさんは教室そっちのけで編みなおし作業に入りました。教室の生徒さんも心配そう・・果たして帽子は編みなおせるのか・・と言ったお話です。

2・この絵本の魅力はその世界観

この絵本を読みだすと、とても惹きつけられました。世界観がとても素敵なのです。フワフワさんとは人間なのか、フワフワさんの生徒さんに明らかに顔が犬というお客さんが来られますが、普通にこの世界になじんでいます。
このなんともいえない不思議な感じ・・、これがいいバランスで入っているところがこの絵本の魅力の一つ。
また色合いが派手すぎず、地味すぎず、優しくて、見ていて楽しい気持ちになります。
フワフワさんが毎朝ミルクティーを丁寧を入れて飲むところからお家時間も楽しんでいるんだな、ということがわかります。
全てすごく丁寧に描かれているのです。

毛糸やさんの店内やフワフワさんのお家の中などもおしゃれだし、パンや紅茶なども、とても美味しそう。
こんな毛糸やさんがあったら行ってみたいと思います。
何回も読んで、眺めていたくなる絵本です。


3・仕事を誠実に一生懸命している人の心に刺さる絵本。

この絵本の全体のテーマとも言える、フワフワさんが仕事熱心な誠実さが好ましく感じる。
フワフワさんの声は小さく、大人しい人のようだけど、仕事に情熱を持っていることが感じられることもとても好感が持てます。
好きな仕事ができて、熱心で、周りのお客さんも温かくて、喜ばれて・・という理想の世界が描かれていて、癒されるし、元気が出て、心も温かくなります。
この絵本は、自分の仕事に誇りを持って、貫く人にとっては、すごく刺さる絵本だと思います。
自分がすることは、お客様に喜んでもらえるように心を込めてすること、もし間違っていたら、誠実に直す。
フワフワさんも、編み物教室をしている最中にでも、自分の編んだものがお客さんに合わなかったと思ったら、そしてこの帽子は明日必要だと思ったら、無我夢中で編みなおします。
そして、そんなフワフワさんを生徒さんもとがめず、側でそっと応援している姿がなんだかあたたかくていいなと思います。
もちろん、編み物教室も仕事なので、本来なら、その時間にお客さんそっちのけで直すのはどうかと思われるのですが、それでもお客さんたちも、きっと普段のフワフワさんの誠実な接し方を知っているからこそ、自分たちの教室は一旦お休みとなっても、自分のことのように応援してあげたくなるのです。
そこに、ただの毛糸やさんとお客さんの垣根を越えた、何か人と人とのつながりを感じます。またお客さんのクネクネさんがお昼にとパンを焼いて持ってきたことも、いつもアットホームな感じの教室なんだなあと思うし、フワフワさんの人柄も愛されているんだということがわかる。
この世界は理想なのかもしれないけれど、それでも誠実に一生懸命仕事をしている人を見ている人はいる、応援している人はいる、そんなことを信じてもいいなと思えます。
お話の世界だけでなく、確かにこういう温かい世界は存在するし、そういう世界にいたいなあと思います。
この絵本の最後は心がジーンとしました。
ちょっと涙が出てしまいました。ぜひみなさんにも読んでもらって、この気持ちを味わってもらいたいです。そしてどんな感想を持たれるかも聞いてみたいです。

4・まとめ

可愛くて、おしゃれで、そして自分の仕事を一生懸命頑張る人の気持ちに寄り添ってくれる、温かい魅力のある絵本。
一生懸命仕事をしている人にプレゼントしても喜ばれることうけあい。おすすめの絵本です。





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