思い切って踏み出す気分を味わえる絵本! | 『かんけり』
絵本紹介士のkokoroです。幼い頃から読書が好きで、大学は児童文学科で学びました。同時に、心のこと、スピリチュアルなことにも、とても関心を持っています。このnoteでは、そういう観点から心惹かれる絵本を選び、お話の中の気付きやメッセージを読み解いています。
今日は、今一つ踏み出せない、勇気を出せないと思っている人が、思い切って踏み出す気分を味わい、いつしか自分も背中を押してもらえるようなそんな絵本を紹介します。
1・今日の絵本
今日の絵本は『かんけり』
(石川えりこ作 アリス館出版)です。
表紙の画像でもわかるように、「かんけり」の遊びの一連を通して、
主人公の気持ちの揺れ動きを描いた作品です。
「かんけり」か・・懐かしいなあ~と思う人も多いのではないでしょうか。
私も子供の頃、近所の友達とよくやっていました。
「かんけり」って、考えてみたら、缶一つあれば、結構エキサイトできる遊びだったんですよね。
今、現代の子どもたちも遊んでいるんでしょうか?
このコロナ下、「かんけり」はバラバラに散って隠れて、出ていく時も鬼がいない時を狙うので、密集度が低い、時節に合った遊びのような気がします。
・・と、ついついそんなことまで考えてしまいましたが、本題へ。
絵本の紹介の前に、このかんけりという遊び、皆さんご存知かとは思いますが、念のためにご説明を。まず、一人、鬼を決め、誰かが缶を蹴ってそれを鬼が拾いに行っている間に皆が隠れます。隠れた人を鬼は見つけにいく、見つかるとその人はアウト。その鬼のいない時を見計って、誰かが缶を蹴りにいく。すると、他の皆はまた生き返って隠れに行くことができる、つまり仲間を助けることができます。
とまあ、もしかして、地方によってルールは多少違うのかもしれませんが、大体こんな遊びです。
今日の絵本の主人公、ちえちゃんは、授業中も手を挙げられないことも多く、当てられてもドキドキして顔がまっかになってしまうちょっと内気な女の子。
そんなちえちゃんは、かんけりの時も怖くて蹴りにいけない。
ある日、今日もかんけりがはじまりました。
今日は仲良しのりえちゃんが鬼につかまってしまいました。そして「たすけて」とちえちゃんに合図を送っている・・さあ、どうする、ちえちゃん!
ちえちゃんは缶を蹴って助けることができるのか?
というハラハラするストーリー。
2・一歩踏み出すのが怖い
①勇気を出す前の葛藤
この絵本の中のちえちゃんは、先程も書いたように、ちょっと内気な性格で、かんけりの時も怖くて蹴りにいけない。
だけど、今日はりえちゃんがつかまって困っている。りえちゃんは、いつも授業中なんかに先生に当てられて答えられずドキドキしている時「ちえちゃん」と声をかけて助けてくれる・・そんなりえちゃんが助けを求めている。どうしよう・・
そういう葛藤が見ている私たちにも伝わって、思わずハラハラドキドキしながら読んでしまいます。
蹴りにいかなければ、勇気を出すこともない。今までの自分でいられる。
だけど・・それでいい?
仲良しのりえちゃんが困っている、助けたい・・
②その枠から出るために
自分の枠から出ること、いつもと違うことをするのは怖い、ドキドキする。
だけど、いつも自分を応援してくれる人のことを思うと勇気が出る、
あなたにもそういうこと、ありませんか?
例えば、仕事のシーンでは、会議で発言するとか、
あるいは、誰かに協力を頼むために声を掛けるとか。
それをすることが正しい、必要とわかっていても、躊躇する、できない、どう返ってくるか怖い。
いつもしたことがないことは未知なのでわからない・・
そういうことってありがちですよね。
今のままでも何とかやってこれた。違うことをして失敗したくない。
でも・・もし、それがいつも自分を応援してくれている人のためだったら?
「やってみよう」と思うかも。
力が出るかもしれませんよね。
私もこのnoteに初めて投稿するときは本当にドキドキしました。
今まで、自分の言葉をネット上に上げたことが無い私。
(現職で商品紹介するとかブログを書いてはいますが、それは自分のことについてではないので)
なので、すごく迷いました。怖かった。
だけど、私は今、働き方をつくるコミュニティに所属していて、そこでは応援してくれているメンバーが沢山いる。そのメンバー達は私の成長をも応援してくれている。
私は自分のシゴトを進めていくためにもまずは発信しなくてはいけないことはわかっている。
自分のためにも、そして応援してくれている人たちのためにも乗り越えないといけない・・とやや大げさですが、そんな気持ちでした。
この絵本の中でも、ちえちゃんは、いつも助けてくれるりえちゃんの気持ちに応えないとと思います。
③思い切って飛び出す
そして・・ちえちゃんは思い切って飛び出しました!
ここのところは絵本とは思えないほどの臨場感があり、思わず息を止めて見てしまうほどです。映画やドラマでよくスローモーションになる場面があるかと思いますが、まさにそのような感じ、ちえちゃんが心を決めて飛び出していくその一瞬、一瞬が画面いっぱいに描かれています。
迫力ある絵は読んでいる人に伝わり、ちえちゃんの気持ちになってドキドキしてしまいます。
3・行動することで気持ちがスッキリする
それぞれの人が少し勇気を出さないといけない、そんなことがきっとあるでしょう。
勇気を出したいけれど、今ひとつ出せない、躊躇してしまう・・そんな時、この絵本を読むと、一旦、決めて行動に移すとそれまでの自分とは違う自分になれることがわかり、勇気が湧きます。
結果、私もこうしてnoteに投稿を始めて、一歩スタートすることができました。
投稿してみると、フォローしてくれたり、「スキ」マークをつけてくれたり、好意的に対応してもらえました。何を怖がっていたんだろう・・と拍子抜けするぐらいでした。
まだまだこれからですが、絵本を通して自分の思いを発信し、楽しく読んでもらえる記事を目標に書き続けたいです。
そして・・・皆さん、気になっているかと思います、
ちえちゃんは缶を蹴ることができました!りえちゃんや他の仲間を助けることもできた。
思い切って缶を蹴った後のちえちゃんの変化も描かれています。
どう変化したかは・・それはこれから読む人のお楽しみ!
思い切って踏み出す気持ちが味わえる、そして子どもの頃に戻って、かんけりをしているような気分で気持ちもスッキリ。そんな絵本、『かんけり』を読んでみてください。