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もし人生をやり直せるなら・・あなたは何がしたいですが?

絵本紹介士のkokoroです。幼い頃から読書が好きで、大学は児童文学科で学びました。同時に、心のこと、スピリチュアルなことにも、とても関心を持っています。このnoteでは、そういう観点から心惹かれる絵本を選び、お話の中の気付きやメッセージを読み解いています。

私は“絵本紹介士”として色んな絵本を紹介しています。
その絵本を紹介することで、どういうところが心がラクになるのかなどを伝え、そして実際に読んでもらって、落ち込んでいる人や辛い気持ちにいる人が、心がラクになったり、元気や勇気を出してもらえることを目指しています。


今回、紹介する絵本は『もしも人生をやりなおせるなら』(文 ナディーン・ステア 絵 こがらしパレード 訳 かみひこうき ディスカヴァー・トゥエンティワン発行)です。

1・この絵本をおすすめする理由

この絵本のタイトルはそのものずばり『もしも人生をやりなおせるなら』です。
そもそも、これは厳密にいうと「絵本」ではなく、「詩」です。
この絵本を書いた人は85歳のナディーン・ステアさん。アメリカの女性です。
この詩は『Chicken Soup for the Soul』という本で紹介されました。
この本は普通の人々が書いた詩を集めたもので、アメリカで1993年に出版された世界的ベストセラーになったもの。

ここに掲載されたことで、この詩がとても有名になりました。

この詩は「ハッと」させられる箇所が多く「そうよね、そうよね」と共感箇所もあり、胸がいっぱいになるところもある、という多くの人が惹かれるわけがよくわかる作品です。

そして、この作者が85歳というところが、胸を打つ。

人生、いくつからでもやり直せると言っても、体力には限界があり、行動力もいつまでも続くとは限らない。85歳のナディーンさんが、自分の人生を振り返って、「もしやりなおせるなら・・」と考えるところが、リアリティがあって、胸を打つのです。

また、この詩に絵がついて、絵本になっているところが素晴らしい。絵がすごく、いい。私ははじめ、ナディーンさんが絵も描いたと思ってしまいました。とてもしっくりと詩と絵が呼応しているから。
絵はこがらしパレードさんという方が描かれています。この方はこの詩を何度も何度も読んで、自分のものとされたと思います。だからこそ、こんなにピッタリの絵が描けるのだと思う。

また、かみひこうきさんという方の翻訳もとっても読みやすく、素晴らしい。

この3つが一体となって素敵な絵本になっている。

一篇の詩が絵本となってより人の心に届く作品になっています。それをぜひ読んでほしい。

2・どんなお話?


このお話はナディーンさんが「もし人生をやりなおせるんだったら」というテーマでずっと、その希望を語っていくという流れになっています。

もしも人生をやりなおせるなら、こんどはもっとたくさん失敗したい。

『もしも人生をやりなおせるなら』文 ナディーン・ステア 絵 こがらしパレード 訳 かみひこうき ディスカヴァー・トゥエンティワン発行


から始まり、「旅に出たり、山に登ったり、川で泳ぎたい」ということや
行動だけでなく、生き方の指針や、やり直したいと思うことを語ります。

たとえば、

よけいなチカラをぬいて、
いつもリラックスして暮らす。

『もしも人生をやりなおせるなら』文 ナディーン・ステア 絵 こがらしパレード 訳 かみひこうき ディスカヴァー・トゥエンティワン発行

生きるよろこびを感じた瞬間がいくどかありました。

『もしも人生をやりなおせるなら』文 ナディーン・ステア 絵 こがらしパレード 訳 かみひこうき ディスカヴァー・トゥエンティワン発行

そして、それさえあれば、何もいらなかったと。

85年生きてきたからこそわかる、人生に本当に大切なもの。
それを飾ることなく、素直にありのままの言葉で語られた温かいお話です。

3・この本の中で一番惹かれたところ

私の心を射抜いた一文、それは

もうなんでも
深刻にうけとめることは
やめる。

『もしも人生をやりなおせるなら』文 ナディーン・ステア 絵 こがらしパレード 訳 かみひこうき ディスカヴァー・トゥエンティワン発行

です。

今は大分、マシになりましたが、前はなんでも深刻に受け止めてきました。
人生が終わった~くらいに。
後から考えれば、何てことなかった、と思うことも、深刻になっていた。
もちろん、真剣に物事を受け止めて考えることは大切です。

でもなんでも深刻に暗く考えて、自分を責めて、動けなくなってしまう・・
それはあまりよくない。反省してやることをしたら、あとはリラックスして天にまかせる。

それができたら、もっとラクに生きられて、前向きになれる。

そういうことを「まじめに生きてきたふつうの人間です」と言う85歳のナディーンさんが言ってくれているのだから、すごく心強い、真実味のあるメッセージです。

私も「なんでも深刻に受け止めるのはやめよう」と改めて思えた一文でした。
それがこの絵本から一番惹かれた箇所です。

4・この絵本を読んで得られること

この絵本を読んで得られることは、人生を悔いなく生きることの大切さを感じられること。85歳の普通のまじめな女性がそれまで生きてきて、「人生をやりなおせるなら」どうしたいかということは他の人、つまり私たちにもどこか共通する部分が必ずあるはず。

いつか終わりがくる人生をどう生きていったらいいか、それを学べる。
ナディーンさんが言っているのは、リラックスし、深刻にならず、やりたいことはやり、生きる喜びをたくさん感じながら生きていくということ。
それが悔いなく生きるということだと教えてくれています。

そしてそれは、この絵本だから、心にすっと入ってくる。難しい言葉でなく、易しい言葉で、作者が本心から思っている言葉で語りかけてくれている。そして思わず笑みがこぼれる可愛い絵と素敵な訳の文章のおかげでより楽しく読める。

そして、すぐ行動に移せる。
たとえば、
ちょっと肩の力を抜いて物事を考えてみる、

とか、

あ、あのこと、ずっとしたかったけど、本当にやってみようかな、と予約を入れてみる。

とか。
(時節柄、行動範囲には制限があるかもしれませんが。コロナが収束したらできることの計画を立てるのも楽しい)

そんな風にこの絵本は人の心を開放し、喜びのある人生へといざなってくれる。

ぜひぜひお読みください、おすすめです!

<おまけ>

トップの画像はこの絵本にちなんで選びました。なぜなのか、絵本を読んでもらったらその答えがわかります。



※今は定価の紙の絵本は在庫がないようです。kindleでは読めるみたいです。




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