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育児書レビュー『子どもの脳の育て方 AI時代を生き抜く力』黒川伊保子
育児の"正解"ってどこにあるんでしょう?
今思えば"正解"らしきものは、子どもの数だけ無数にあるのだと感じます。そもそも"正解"の定義が難しいのですが(虐待はもっての外として)。
どういった物差しを持つかで自分の子育てが"正解"だったどうかが変わってきますし、時系列的にどの時点で判断するかでも違います。
極端な話、その子が死ぬ間際に立派とされる人物だったとしても、後世で評価が覆されることだってあります(歴史脳なので)。
また、他人軸ではなく、その人自身が「自分としては悔いのない人生だった」と思ったとしても、そこに親の子育てが"正解"だったと本人が考える余地はあるでしょうか?
などなど、考え出したらキリがないのですが。
私は子育てに悩みが多かった頃、いろいろな育児書にすがっていた時期がありました。
そこでさまざまな本に触れることでこの世には多種多様な教育法があることを知り、人間の無限の可能性を感じてワクワクしていました!
と言いつつも、面白がっていただけで結局あまり実践してなかったかもですが…。
今は田舎住まいで園や学校にほぼ選択肢が無いので、置かれた環境で子どもたちのためにできることをするだけです。
ということで、今回たまたま「育児書」を読んだのでレビューしようと思います!脳を支点に展開される研究者の黒川さんの育児論、とっても学びになりました。
お子さんが赤ちゃんのうちから読んでいただくといち早く本の内容を取り入れやすいものの、思春期以降のお子さんの親御さんが読んでも遅すぎるということはないと思います。
子どもの脳の育て方 AI時代を生き抜く力 / 黒川伊保子著
人工知能研究者がかつて息子で実践したリーズナブルな子育ては、じつは、これからのAI時代に望まれる人間像に合った「自己充足度の高い脳」づくりに最適だった!
いわゆる「人の言うことを聞く、いい子」ではなく、好奇心と意欲が旺盛で穏やかで温かい。おっとりしているが決断は早い。集中力があり、質問力が高い。そんな「しあわせ脳」をつくるには?
2006年に刊行し話題をよんだ『「しあわせ脳」に育てよう!』を大幅にアップデート。これからの子育てへのヒントだけではなく、自分の脳のメンテナンスにも最適!
本の構成
前半から中盤までは実践的な内容("金のルール"、"銀のルール")と著者の実践結果のフィードバック、最終章は心に響く著者の育児エピソード、というところです。子どもだけでなく、大人の健康管理にも役立つ内容です!
著者の人物像
アツく、息子さんへの愛情がとっても深い理系のお母様(今はお祖母様)です。ユーモアもたっぷり。
本書によると産後2ヶ月半から仕事復帰し、本業は人工知能の研究。多忙なバブル期に仕事も育児も両立されたワーママ。現在還暦を超えてもバリバリ働かれているようです。
AIについて
その道のプロでいらっしゃるので、これからの時代に必要な能力=AIへの質問力というのは、巷でも「AIを使いこなすにはプロンプトが大切」と言われていることと一致するように思います。
この本を読んで実践しようと思ったこと
・卵料理を毎日取り入れる
・子どもが小学生のうちは早寝早起きを心がける。大人もいっぱい寝る
・質の良いシリーズものの児童書を読み聞かせる
驚いたこと
・黒川さんは一歳のお孫さんの添い寝を担当されています。お嫁さんとのエピソードを読むと良好な関係のようなのでほっとしました。
・赤ちゃんから3歳までと思春期の中学生は脳が忙しいので本能のままにいっぱい寝かせてヨシ、ということに最初驚いたものの説明を読んで納得しました。
・愛情たっぷりに育てられたせいか、息子さんもけっこう素直に愛情を返してくれてそうなエピソードがいろいろ。
特筆したい点
現役ママさんにめっちゃエールを送ってくれます!極端な話、脳の観点からの実践的なお話も大変参考になるしありがたいのですが、子育てしているというだけで無条件に肯定してくれるような気持ちになる後半部に胸が熱くなります。それだけでもこの本を読んで良かったと思えます!
「〜すべき」という口調も多いけれど、「お母さんが機嫌良く過ごせるならそのやり方で良いよ」と肯定してくれることも多いです。
例えば、復職すべきか退職して子どもにじっくり付き合うかはその人次第、としてくれています。
寂しくなった子供へのフォロー方法も実体験を交えて紹介されているので、バリバリお仕事で忙しくされている方でも著者のように愛情表現をしていればお子さんはまっすぐに育つのだなぁと感じました!
注意する点
子育て=お母さんやお婆ちゃんが担当のような書き方なので、お父さんやお爺ちゃんの立場、もしくは血の繋がっていない保護者の人が本書を読むときは脳内で自分ごとに変換しないといけません。
特に著者の妊婦時代のエピソードは「へぇー母と子にはそのような繋がりがあるんだなぁ」と生命の不思議としての一事象として捉えると良いと思います。
終わりに
いかがだったでしょうか?もしご興味があればぜひお手に取ってみて下さい!そして、著者の熱量を感じて欲しいです。
個人的には、近ごろ腸内細菌や糖質の本を読んだりして食生活を見直したいと思っていたのですが、こちらの本を読んでさらにバランスの良い食生活を送ろうと思いました。
わが家の朝ごはんは週の半分くらいは食パン、残りは白米のため、最近サボっていたライ麦パンや玄米も復活させたいところです。
あと、全然本書に関係ないのですが黒川さんの他の著書で「女女問題のトリセツ」というタイトルの本が気になったので読んでみたいと思います笑
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!