バッグだけじゃ無い!GUCCI COSMOS展で魅せられた意外なモノたち[京セラ美術館]
京都市京セラ美術館で開催中の『GUCCI COSMOS展』に行ってきました。日本では京都のみの開催だそうです。
何かと楽しめたので、今回はその体験をレポートします。
行く前の準備
まず、チケットをオンラインで購入します。
それから、スマホにGUCCIのアプリを入れておきます。今回の展覧会用に収録された夏木マリさんによる音声案内が聴けるからです。
個人情報の登録などがあるので、自宅で入力しておくと安心です。もちろん、イヤホンもお忘れなく。
音声案内は無くても楽しめますが、私は解説してもらいたいタイプなのであって良かったです。
現地でも音声ガイドが借りられるようです(600円が必要)。
会場は、京都市京セラ美術館
外観はもちろんのこと、中に入るといつ来ても素敵だな〜とウットリします。創建は1933年ということで、なんと国内最古の公共美術館だそうです!2020年にリニューアルオープンしました。
展示の構成
入り口の列に並んでいると、順番が来たらドアマンのようにGUCCIのメンズのスタッフさんが誘導してくれます。所定の人数がスクリーンの前に立つと、映像が始まります。テーマは「赤い糸」でした。
展示の部屋は6つに分かれていました。()内は私の注釈です。
TIME MAZE(BAGと小物)
ZOETROPE(GUCCIと馬)
ECHOES(アイコニックな洋服)
LEISURE LEGASY(スポーツ用品などのカルチャーグッズ)
BAMBOO(バンブーバッグと伝統工芸)
RED THREADS(GUCCIの赤いアイテム)
最後にメッセージの小部屋があり、出口となります。
1.TIME MAZE 時の迷宮
創業者であるグッチ・オ・グッチは若かりし頃、名門ホテル『サヴォイ』でポーターとして働いていた、そんな歴史の説明から始まります。わくわく。
グッチ・オ・グッチの実家は馬具メーカーだったため、現在でもデザイン面などで馬との関わりが深いのですね。
この部屋のメインはバッグ。
私は帽子やスカーフなどの小物に特に惹かれたので、撮ったものはスカーフが多いです。
不思議ですね、シンプルが好きなのに、スカーフはド派手でもまるで抵抗が無いです。スカーフは絵画を眺めるような感覚で楽しめるのかもしれません。
ニューヨークのGUCCIの店舗のVIPルームには、世界中から集めた美術品が飾られているそうです。
2.ZOETROPE 乗馬の世界
動画の前身と言われるエドワード・マイブリッジの連続写真からインスピレーションを得たインスタレーション。
馬に関連したモチーフを使用したGUCCIのドレスなどが丸い部屋にぐるりと展示されています。その展示物の間の壁に動画が反時計回りに流れるように映し出されます。
一つ前の部屋にいた時から馬の鳴き声や疾走する蹄の音が聴こえていたのでめちゃくちゃ期待していたのですが、画質が少し荒いのとお馬さんのCG感に少し拍子抜けしてしまいました。でも、GUCCIが伝えたいことは伝わりました(誰目線)!
3.ECHOES クリエイティビティの系譜
ドレスやスーツなどGUCCIらしさを感じる代表的な洋服がトルソーに着せられていました。歴代デザイナーは何人もいますが、個人的にはトム・フォードのものが分かりやすくて(シンプル上品な感じ)好みでした。
4.LEISURE LEGASY ライフスタイル賛歌
GUCCIらしさ全開のスポーツ用品や日用品が展示されています。こういった贅沢な品々は眼福です!
どれも素敵でしたが、お馬さんグッズが一番気になりました。
5.BAMBOO バンブーの世界
GUCCIのバッグといえばバンブーが有名ですね!
いっとき竹の持ち手を日本から仕入れていたご縁で、空間が嵐山の竹林風に表現され、そこにバンブーバックが壁に掛けられて並んでいました。
和風との親和性が高く感じられ、着物にも合う気がします。
ここではVR機器を使用して動画が見られるということで、20分ほど並んで体験して来ました。
衛生面に配慮して機械と直接触れ合わないよう、映画「キックアス」のような黒い不織布の顔マスクが渡されました。早めに明るいところで装着すると怪しい人になるので、機械を装着する直前に付けるのがおすすめです。
映像の内容はイタリアの街並み(京都の姉妹都市・フィレンツェ)のメタバース空間に映し出されたバンブーの竹の加工の仕方、といったものでした。
内容は興味深かったですが、こちらも画質が少し荒く、動画がすぐに終わってしまって拍子抜けしました(2回目)。伝えたい世界観は感じられました!
部屋の中央では、アンティークのバンブーバッグにアーティストが新たにリメイクを施した一点ものがずらりと並んでいました。
いずれも美術品といった感じで、ガラスケースの中にものものしく飾られていました。
例えば、こちら。
竹を模した陶器の持ち手、割ってしまったらと思うと、見ているだけで震えます(触れないと分かっていても)。
6.RED THREADS グッチの絆
今回のテーマカラー、赤のウェアや小物が展示された部屋。
お花のキーチャームがかわいかったです。
最後にメッセージルームがありました。一行の英文が部屋を一周するように壁に書かれていましたが、お客さんはほとんど素通りで会場を出ていました。未来に向けてのメッセージということは分かったけれど、日本語バージョンもあって欲しかったです。
全体の感想
最近美術館に行っても(私の理解力が足りず)分かりにくい展示ばかりに接していたせいか、今回はマス向けの内容でシンプルに楽しめました。
京都市京セラ美術館の所蔵品と絡めて京都らしい作品と組み合わせた展示が多く見られ、普段なら見る機会の無いような立派な屏風などが観賞できたのも良かったです。
一点要望があるとすれば、VRやプロジェクターを使用した映像展示もありましたが、アナログ志向で職人の伝統的な手仕事を見せてもらった方が嬉しかったかも。
また、邪推すると、今回”赤”をテーマにしたのは中国人受けを狙ったのかと思いました。世界巡回展であり、スタート地点は上海だったためです。おそらくGUCCIにとって最大顧客であろう中国を意識するのは商売上致し方ないとは思うので、別に良いんですけどね。
※2024.11.12追記。上海(&ロンドン)での展示は赤を打ち出していませんでした。GUCCI、および中国の皆さま、妄想丸出しで申し訳ありませんでした。
https://www.gucci.com/jp/ja/st/stories/people-events/article/cosmos-shanghai-exhibition
GUCCIの今後について
今の国内におけるGUCCIの客層は富裕層とオシャレが好きな人とインバウンド外国人だと思うのですが、これからどのような戦略を取って行くのか気になりました。
今時の現役世代は、自分を格上げするための道具としてブランドバッグを購入することはあるのでしょうか。現在の税制によって若者の手取り収入が減っている今、もはやそのような時代でもない気もします。
個人的には、今回のバンブーバッグの展示で説明されていたような「工芸品としてのバッグ」という見せ方に将来性を感じます。誰かにマウントを取るためよりも、「愛でたい工芸品」としてバッグを購入する方が動機として健全だと感じるからです。
京都の西陣織ともコラボもしてます!
終わりに
GUCCIの歴史的な数々のアーカイブに刺激を受けて、帰りは河原町の方まで足を伸ばし、アンティークのバッグや靴を見て帰りました。
「GUCCI COSMOS」は12/1まで開催しているので、ご興味のある方はぜひ遊びに行かれてください!
それでは、ここまでお付き合い下さりありがとうございました。
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