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ひとり寝恐怖の克服
Mercer Mayer による There's an Alligator under My Bed (『ほんとだってば!』今江祥智訳)は、かれこれ40年近く愛されている傑作絵本。(個人的には座布団全部もってけレベル💮💯)英語版は電子書籍もあるので、ぜひ読んでみていただきたい1冊です。【以下ネタバレあり】
フランシスよりも年上の主人公の少年は、ベッドの下にワニの気配を感じとって両親を呼びます。でも両親にはワニが見えません。もう自分でなんとかするしかないと腹を括った彼は、キッチンへ行き、ワニが好きそうな食べ物を袋一杯に詰めます。そして、ワニをベッドの下からガレージへと誘きよせるのです。こんなふうに……
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There's an Alligator under My Bed
(Dial Books for Young Readers, 1987)
スミマセン、完全に遊んでます😆
I put a peanut butter sandwich,
some fruit, and the last piece
of pie in the garage.
I put cookies down the hall.
I left fresh vegetables on the stairs.
I put a soda and some candy
next to my bed.
Then I watched and waited.
ワニがおとりのエサを食べつつガレージに入るのを見届けた少年は、ドアを閉めてロックし、ベッドに戻って眠ろうとします。でも、明朝、お父さんが車に乗るときに困るのではないかと心配するのです。
最後の場面は、ガレージのドアに少年が貼りつけたワニの絵と警告メモです。
DEAR DAD
THERE IS AN
ALLIGATOR IN
THEGARAGGEGARAGE
IF YOU NEED HELP
WAKE ME UP
冒頭、ワニがいると言って親に心配をかけた少年は、ラストで自分ではなく親の心配をしている少年に変貌を遂げています。ひとり寝の恐怖心を自分自身の手で克服した少年の姿を表現するのに、これ以上の終わり方があるだろうかと思うほど見事なエンディング。何度読んでも惚れ惚れします。