むこう岸に踏み出す一歩
安田夏菜『むこう岸』(講談社、2018年)
子どもの貧困と生活保護をテーマに、裕福な家庭でも心満たされない中学生が絡まって、スリリングでユーモラスな展開に膝を打つ。
こういう本が読みたかった! 文句なし、会心の一冊。(Instagramより)
・・・この感動から1年後、著者の安田夏菜氏のご講演をオンラインで拝聴する機会に恵まれた。予想通りのユーモアと弱者への目線を携えた温かなお人柄で、『むこう岸』に込められた思いが改めて伝わってきた。
この作品は第59回日本児童文学者協会賞を受賞。なにも一介の素人の私がご紹介するまでもないのだが、貧しさゆえに苦しむ少女のみならず、豊かさゆえに苦しむ少年がクローズアップされている点が、素晴らしいと思った。相反する2人がどうやって共に困難に立ち向かっていくのか、ぜひ直接、読んでいただけたらと思う。
(まちライブラリーカードより)