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家族が集うとき

リー・キングマン作 バーバラ・クーニー絵 / 山内玲子訳 『とびきりすてきなクリスマス』(岩波書店、1990年。原書 The Best Christmas 1949年)

シンプルかつ素敵な装丁のこの本は、にぎやかな大家族(こどもたち10人!)がクリスマスを迎える高揚感から始まる。大好きな兄がプレゼントを持って帰省するのを楽しみにしているところへ、兄の乗る運搬船が行方不明になったとの知らせが入る。

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クリスマスの準備をする気持ちになれない母がつぶやく。「どうしてそんなめんどうなことをするの?」と。このあとどうなるかはぜひ読んでいただきたいので割愛するが、こどもたちの力がすごいと思うのはこんなとき。

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ブックケースがまた素敵。本文はモノクロのイラストがあちこちに散りばめられ、この物語の世界観を見事に表現している。それもそのはず、イラスト担当は日本でも『ルピナスさん』(Miss Rumphius)で有名なバーバラ・クーニーだ。

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コロナ禍で家族が集えなくなって久しい今年、本を読む度に例年とは異なる受け止め方をしている自分に気づく。この『とびきりすてきなクリスマス』の母親同様、家族揃ってクリスマスを祝える日を願ってやまない。