お化けとの遭遇
例年、夫の読経でおうち法要を営む我が家はお盆渋滞とは無縁 …… のはずが、うっかり野菜を切らして車を走らせ、いつもと異なる混雑に慌てて判断力を失った。渋滞を回避するつもりで咄嗟にハンドルを切った先が、よりによって霊園通り。田舎道でお盆渋滞にハマるとは!
怖がりだから恐い話は聞きたくないのに、子どもの頃、母に尋ねては何度も聞いた話を、ふと思い出した。それは曽祖母の体験談で、山の中で狸に化かされた話だ。家に帰ろうと思っても、どうしても辿り着けない。山道はどんどん暗くなってきて、振り返ると枯れ枝が箸のように走って追いかけてくるのだという。
もしかしたら、今回の私の迂回路も、現代版の化かされた話として脚色できるかもしれない。
川端誠さんがご著作の「お化けシリーズ」について、奥深い言葉を記しておられる。
お化けとの遭遇以降、おそらく曽祖母は明るいうちに山道を通るようになっただろうし、私は早めに冷蔵庫をチェックして、慌てて買い物に行くことのないよう改めるべきなのだろう。
つづいて川端誠さんご自身からの絵本『お化けの猛暑日』についてのご紹介文をどうぞ。
この絵本の中身が気になりませんか? ろくろっ首とか大入道とか日本の伝統的なお化けたちが勢揃いしていますが、不思議と恐くないのです。今回はネタバレなしで、お化けたちの猛暑の過ごし方をぜひご覧になってみてくださいね。