夢のふしぎを多角的に分析するとともに、その大切さを教えてくれる絵本がこちら。【※以下ネタバレあり、ご注意ください】
著者は夢の正体を「まだよくわからない」とした上で、ご自身のお考えを述べておられる。小学中級向けのため専門用語はほぼ用いられていないが、内容的には無意識や予知夢についても触れている。日本では昔から夢が大事にされてきたことも。
目覚めている私と眠っている私の双方を合わせてこそ、ほんとうの自分なんだと。「寝てばっかりいないで勉強しなさい」と言われていた頃の自分に、この本を手渡してあげたい。そうすれば毎朝叩き起こされずにすんだだろうに。
…だとすると、動植物よりも進化した人間のほうが優れているとばかりはいえないのかも。進化の過程で失ったものの名残りが夢に現れるとしたら、それはそれで素敵なことではないだろうか。
テキストに込められたメッセージとともに、杉浦範茂画伯の絵も全ページにわたって秀逸です。以上、冬眠間近につき選んだ1冊でした。ぜひ手に取っていただけたら幸いです。