第4回/市役所勤務&多文化共生のまち作りを目指したい!/深田麻衣さん
こんにちは!
えひめインターナショナルMeet-upの谷村です。
今回は、2023年8月19日に開催された第4回えひめグローバルトーク_地域の仲間編の様子を記事形式で編集してご紹介します。
なお、えひめグローバルトークは、愛媛県で暮らす海外出身の方や、地域で国際交流・多文化共生に関する活動に取り組む日本人住民の方が、ご自身のライフストーリーや愛媛での仕事・暮らしなどについてお話しすることを通して、同じ愛媛県で暮らす海外出身者のみなさんにロールモデルを示すことや、地域とつながるきっかけとなる方をご紹介することを目指して行なっています。
ーーーまずは自己紹介をお願いします!
はじめまして!深田麻衣と申します。
現在、松山市役所で働き始めて1年目になります。子ども手当の担当部署で働いています。
今日はよろしくお願いいたします。
ーーー深田さんは愛媛の出身ではないんですよね?
そうなんです。出身は岡山県岡山市です。西大寺という、田園風景が広がる郊外の方です。
ーーー愛媛に来たきっかけは?
大学進学です。実は別の国立大学を目指していたんですが残念ながら合格することができず、急遽進学することになったのが松山大学でした。
ーーーなぜ松山大学に?
留学するチャンスが多い点ですね。高校時代にオーストラリアへ留学した経験があるのですが、その時のことが忘れられなくて。大学生になったら長期でぜひ留学したいと思っていました。でも、新型コロナウイルスの影響で留学することはできず、悔しい思いをしました。
ーーーそんな中、大学ではどんなことを学んでいたんですか?
3年生からゼミに入るんですが、そこでオールイングリッシュのハードなゼミに入りました。ニュージーランド出身の先生で、移民・難民問題をテーマに英語でディスカッションをよくしていました。日本国内の問題について取り上げることが多く、入管法の問題などよく議論していました。
その後、松山市にある海外ルーツの子どもたちも参加しているこども食堂に通い、親の悩みについて聞いたことがきっかけとなり、卒業論文で私はより地域に関するテーマを取り上げたいと思い、愛媛県の外国人の状況について調べるようになりました。そして、どのような支援策が必要なのか考えました。
ーーー卒論のインタビューではどんな課題が浮かび上がってきましたか?
主に2点です。一つは情報が届いていないことです。日本人は、自分自身の子ども時代の経験や、日本語での情報提供のお陰で、様々な子育て支援情報にアクセスすることができます。でも、海外出身者の方は、経験則が働かず、言語的な障壁もあり、必要な情報が届いていませんでした。日々の暮らしで精一杯で、情報収集する余裕がない家庭もありました。
もう一つは、ママ友ができないという問題です。言語的な障壁が主な理由ですが、子どもはどんどん日本語が上達して友達ができるが、親どうしはなかなか言語が壁となって仲良くなれない。あるいは、どうやってママ友を作ればいいのか、どこに行けばママに会えるのかが分からない。そんな課題がありました。
ーーー深田さんとしては卒論を通してどのような考えに至りましたか?
主に3つあります。1つ目は個別のサポート体制の充実です。日本語教育など、その人の状況に合ったサポートができるようにする必要があると感じています。2つ目は、やさしい日本語の普及です。地域の人々がやさしい日本語を使えるようになると、もっとコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。3つ目は行政との連携ですね。もともと子育て支援に関心があり、公務員を目指していたので、とりわけ海外ルーツの子どもたちやその親の支援ができればと思い、市役所という進路を選択しました。
ーーー実際に働き始めてみてどうですか?
ようやく慣れてきました。私の担当課は年度初めと6月頃が繁忙期なので、ようやく一息ついたという感じです。仕事は楽しいですよ。まだ直接的に海外ルーツの子どもたちやその親と関わる機会はないですが、いずれはと思っています。
ーーー深田さんはこれからどんなまちを作っていきたいですか?
簡単ではないと思いますが、みんなの声が反映されるまちにしていきたいと思います。多様な方々の意見や思いが行政に届くよう、取り組んでいきたいと思います。
ーーー社会人1年目って、一般的には仕事で精一杯という印象ですが、仕事以外の活動にも精を出されてますよね?
はい。大学時代の卒論でお世話になったルース先生(元愛媛大学教授)が立ち上げたゆいの会のメンバーとして、海外出身者の方が困った時に情報を調べることができるポータルサイト作りに関わっています。こうした活動を仕事にも生かしていきたいと思います。
ーーー素晴らしいですね。これからの深田さんの活躍が楽しみです。
いえいえ。今日は緊張しました!まだ何か活動が形になっているわけではないですが、いろいろ聞いていただいて、やりたいことや考えを整理することができました。今日はありがとうございました。