地域の人・コトをつなぎ旅をつくる|古民家ゲストハウス&バー 内子晴れ
早く、自由に気軽に旅ができる日常が戻って欲しい––。
本当に切に願います。
なかなか旅がままならないこの状況を何とか耐えているゲストハウスの皆さんを応援しようというゲストハウス思い出ノートさんの企画に、私も共感して、思い出を綴ってみることにしました。
旅先で、様々なゲストハウスにお世話になったのですが、自分の暮らす地域にゲストハウスがあるというのはとても大きいと感じています。だから、私が応援するならば、やっぱり古民家ゲストハウス&バー 内子晴れさんでしょうか。
内子晴れは、愛媛県喜多郡内子町の町並み保存地区にある、古民家をリノベーションしたゲストハウスです。私が住む松山市から車で1時間くらいの距離。内子に寄った時には、カフェでかき氷を食べたり、カレーを食べたり。県内や地元の食材を使ったメニューはどれも美味しいのです。そして、「おおっ! 久しぶり!」みたいな、知りあいに遭遇することが多いのですよね。振り返ると、ここで、いろいろな出会いや再会(別れもあったなあ)がありました。
夏の風物詩、かき氷。果肉たっぷりで、いつも桃を頼んでしまう(2019年8月)。
送別会をした時のごはん。カレーに茗荷があうことを知る(2019年9月)。
地域おこし協力隊仲間と。旅立った友人は元気にしているだろうか。
なので、私の楽しみ方は、旅というよりも、ちょっとしたショートトリップの気分にさせてくれる感じでしょうか。でも、いつかは泊ってみたいなあと思っていたところ、ようやくその時が来たのは、2019年3月。BAMATSU会という愉快なメンバーたちと一緒でした。
BAMATSU会とは、料理が美味しくて居心地の良い場末の居酒屋(場末というと怒られそうですが愛を込めて)を会場に、アートや建築、まちづくりなど興味のあるテーマを語り合う飲み会(たまにどこかで展示をしたり、スナックを開いたり)。いつもは松山市内で呑んでいるが、この時は、松山を飛び出して内子晴れを会場に。
夜は、木造建築士の酒井大輔さん(graft)をゲストに、建築をテーマに語った記憶が蘇ります。ちなみに、この時にここで出会った人たちがカップルになり、最近、めでたくお子さんも生まれたそうです。縁結びにもなっているゲストハウスって素敵ですよね。
内子のまちに繰り出し、夜更けまでカラオケで盛り上がった翌日。眠そうな私たちに、内子晴れオーナーの山内大輔さんが珈琲を淹れてくれました。
そして、観光客にはあまり知られていないおすすめのコースを案内してくれました。目指すは、「上の山 天神社」。
神社の階段は急でしたが、上りきるとまちと山と空とが見渡せる見晴らし最高の展望台。山内さんが淹れてくれた珈琲と景色を味わいます。ちょっと朝早く起きての散歩、おすすめです。
神社の奥は神秘的な空気が漂っていた。山内さんの案内がなかったらここまで来ることはなかっただろう。
行きも帰りも細い路地を通り抜けます。この路地裏のことを内子の言葉で「せだわ」と言うそうで、まさに「せだわ歩き」でした。
内子晴れのある町並み保存地区は、木蝋で栄えた商家の建物が今も残り、優しい色の黄漆喰や鏝絵など、建築的な見所が満載。これまで何度か訪れたことがあり、メインストリートからファサードを眺めはしても、路地はプライベートの場のような感じがして、足を踏み入れることはありませんでした。でも、歩いてみると、このまちに暮らす人々の息遣いが聞こえてくるようで、もっといろんなせだわを歩いてみたいと思うようになりました!
そんなディープな魅力を訪れた人に伝える山内さん。内子町の地域おこし協力隊も経験していて、これまでに培った人との出会いを活かしながら、まちをあそび、知ってもらうきっかけとなるような様々なイベントやプログラムを企画しています。2周年の時に発売したオリジナルのTO GOタンブラーもその一つ。私も今も愛用しています!
そして、今、応援したいのが、内子晴れ主催の「そして、これから〜和紙の旅〜」。
伝統工芸・大洲和紙の職人に会い、大洲和紙づくりを体験できる上、紙にまつわる新たなものづくりにチャレンジしている人たちに出会える旅です。フィールドも五十崎(いかざき)や御祓(みそぎ)にも広がり、内子を広く知ることができます。その土地の歴史や人々の想いを知り、旅人も一緒になって地域の未来をつくる、そんな関わり方を探せる旅です。
旅人と地域の人を、また異なる地域の人同士をつなげることができるゲストハウスの強みを活かした新しい取り組み。地域を旅という形に編集しているとも言えるのではないでしょうか。
6月は私も参加して、何物にも代えがたいギフトをいただいた気持ちでいっぱいに。その後も嬉々として旅のOB・OGとして見守ったり関わったりしています。
旅のレポートはこちら▽
レポートにはあまり盛り込めなかったのですが、この旅の宿は内子晴れで、朝ごはんや夜ごはんの時に、参加者の方ともいろいろな話ができました。このコロナ禍でのオンライン就活で、目力を上げるメイクを研究したとか、日本文学が好きだとか。一見、他愛のない会話でも普段の生活では出てくることのない話題が新鮮で、こうした出会いもゲストハウスの醍醐味だと思います。
「和紙の旅」は、6月、7月と良いスタートを切り、9月の参加者も募集しているのですが、愛媛もまん延防止等重点措置区域となり、県内の方しか応募できない状況で苦戦しているようです。少人数制の旅なので、密になることもないのだけれどなあ。愛媛の方は、9月の旅をご検討ください! 県外の方もコロナが落ち着いたらぜひ!
と、ここまで過去の投稿や写真を引っ張りだして、内子晴れの思い出を綴ってきましたが、私一人だけでも、こんなにもたくさんの思い出があったのだなあと気付かされました(書ききれていないものもある)。お客さんは何百人(何千人?)もいることを考えると、たくさんの思い出がここから生まれて、訪れた人の胸に刻まれている、その積み重ねって、改めてすごいことだなあと。
そして、その営みがまちの風景をつくっている。だから、その灯火は消えてほしくないと勝手ながら願ってしまいます。これは全国のゲストハウスに通ずることだと思うのですが。
そのためにも、まずは、身近なゲストハウスを応援しよう。カフェ利用をしたり、テイクアウトを利用したり、小さなことでもできることから。これからも続くように。
この投稿が、微力ながら応援につながりますように。
古民家ゲストハウス&バー 内子晴れ
〒791-3301 愛媛県喜多郡内子町内子3025
https://www.instagram.com/uchikobare/
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