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技工に正解はあるのか?

こんばんは、事務局・幸田です。
最近すっかり秋らしくなりましたね。体調など崩されてませんか?季節の変わり目は風邪を引きやすいと言いますのでどうぞ気を付けて下さいませ。

さて。
今日はなんか重い話してるぞ、と思われた方。
そーでもないです。
所詮幸田の与太話ですからね、軽く軽く頭空っぽで行きましょう!

技工の正解は学生時は『こうあるべき』『こうするべき』とさんざん言われます。
それが正解だと信じてそれだけを目指すのが学生としての国家試験に受かるための『正解』です。

しかし。現場は違うんですね~。
まさに誰かさんの名言を拝借するとですね『事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!』なんです。
そうそう、技工は会議室ではやってないんです。技工室でやってるんです。幸田は受付でやってたりしますけどね。ムフフ。

即重を受付で練ろうとして怒られたアホな幸田は置いといてですね。
技工の正解は歯科技工士として始まった時にガラッと一変します。
簡単に言えば技工の正解は歯科医師の先生が握っているんです。
学生時代の正解は歯科技工士としての基本が正解です。基本は1コですから完全正答により近い人が正解です。
でも現場は違います。
どんなに基本に忠実でも、どんなに理想に近くても。
それに先生がOKを出さなければ正解ではないんです。
寧ろ間違いなんです。0点です。
学生の時は100点だったのに、は通用しません。
学生として100点のクラウンでも先生が0点と言ったら0点なんです。
そのギャップをまず受け入れなければ歯科技工士としてのスタートが切れないと言っても過言ではありません。

特に大手の技工所であれば先輩がやり方を教えてくれると思います。
それが大手のやり方なんです。それをまずは覚えましょう。
個人の技工所に就職したとしても同じです。しかもハードルが上がります。
社長さんの考え方をまず理解して仕事をしなければ仕事になりません。
特に個人技工所さんの従業員さんは『社長さんの技工が気に入っている先生』へのお仕事なので全く違うものを持って行ってしまってはダメですよね?
そして院内の技工士さんは…。
先輩がいらっしゃれば先輩のやり方を聞いて。
1人なら先生の好みを聞いて。咬合面を絞り込めだとかバケツ冠がいいだとか、先生の『正解』に合わせないといけませんよね?

そこで躓いてしまうから歯科技工士の離職率が高くなっちゃうんじゃないかなーって幸田は思います。
他にも離職の原因ってあると思いますよ?
人間関係とか、合わなかったとか…失敗してできなかったとか?

ではここで失敗の話題を一つ。幸田技工人生最大のピンチともいえるヤツ。
かつて幸田が歯科技工士1年目の時。ブリッジが出たのですが…鋳造が出来ない!何故!?
そこで修行の足りないどころかまだまだ修行中の身である幸田は色々と聞きまわりました。
聞いた歯科技工士さんの数だけ鋳造しました。
しかし無残にも金属は上手く入ってくれません。
もう月曜日午後セットで後がなくなった土曜日。土曜日に出会ったばかりの技工所の社長さんに藁をも縋る気持ちで尋ねました。写メを持ち歩いてましたので。
「コレはどうしたらいいんでしょうか?」
「コレ…埋没材風邪ひいてないか?」
まさかの一言。いままで聞いた12人の歯科技工士さん誰からもでなかった言葉です。しかも土曜日ですから手配のしようがありません。
「明日ウチにおいでや。教えてあげるし、鋳造までやろうや」
神です。マジで神。もう拝むしかありません。
日曜日にワックスアップから全部教えて貰って鋳造・調整まで教えて貰って。月曜日の午前中にポンティックにレジン詰めて研磨だけの状態まで丁寧に教えてもらいました。

マジで神。大事なことだから2回言うよ!

技工人生最初にして最大のピンチを何とか乗り越えましたが、幸田は不思議とその時に技工士を辞めようとは思いませんでした。
それはきっと尋ねた歯科技工士さんがみんな親身に親切に教えてくれたから。
その後も「できた?大丈夫だった?」と心配してくれたから。
正直今思えば『探さないでください』って旅に出てもおかしくない出来事でしたが、うまく躓かずにやってきてしまいました。
その時の社長さんに『現場には現場の基本がある。それが出来ないと』と親身になって教えて頂きました。ホント有難い。拝むしかない!

幸田はたまたまいい人たちに巡り合って今がありますが、誰しもが幸田みたいに躓く訳じゃないし、もしかしたら躓かない技工人生を歩んでいる人もいるハズ。
出来れば躓かない人生を選択したいですが、躓くことはとても大事なことです。立ち上がる過程においていかに頑張れるか。頑張ったらそれだけのご褒美があるので、是非技工を目指す方はそう思って頑張って頂きたいし、1年目として頑張っている方で限界を感じている方は一度振り返ってみてはいかがでしょうか?先輩や技工士の重鎮に相談してみてはどうでしょう?
技工の正解に必要以上に拘らないことが必要ですよ!
技工の正解は一つじゃない!

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