ゆかりアーティスト09 川嶋ぱんだ
こんにちは!更新担当 たぬ子です!
今回は、樹色(きいろ)主宰 川嶋ぱんだ(かわしま ぱんだ)さんに取材をしてきたので、最初の挨拶を5・7(8)・5にしてみました!
俳句は小学校の頃に習ったきりなので、「俳句的に常識でしょ!」って質問もしていると思いますが、見逃していただけると助かります(笑)
自分を表現できるもの
―俳句の良さとはなんでしょうか。
良さというか、僕は俳句って短いですけど「自分を表現できるな」と思っているところがあって。
基本の5・7・5の中でどういう風に自分を表現していくか。溢れたり、収まりきらなかったり、音刻んでみたり、好きな季語があったり。表現方法が色々あるんですよね。
その中で、自分探しじゃないですけど、どうやって自分を表現していくかってことを、つき詰めていけるのは「おもしろいな」って思っています。
なんで、去年・一昨年はずっと「自分の文体を作り上げたい」って言ってたんですけど、最近は文体だけをつき詰めるのは「不十分だな」って気がしてきたんですよ。
文体とか言葉を意識すると中身が空洞化していって、中身ばっかり意識してると形が整ってこなくなるので、「形と中身両方とも自分のものにできたらいいな」と思うんですけどね…。
―俳句で思い入れのあるところってどこですか。
文体。韻律(いんりつ)。
―韻律ってなんですか。
リズムみたいなものですね。
俳句の韻律って大きくは5・7・5なんですけど、それをさらに刻んでみたりとか。昔は、3・4・5・5で17音にするっていうのをよく使ってましたね。
「どこもかしこも雪原のパイプ椅子」とか。
「どこも」「かしこも」で7音使って、「せつげんの」「ぱいぷいす」で5音5音を足して17音にする。口に出した時にピタっとはまる感じがあって好きだったんですけど、最近は使ってないですね。
”青嵐大賞”いただいた「出水町中漂っている儒艮」は、そんな感じで作ってたんですけど、賞をいただいたことでこの韻律の使い方に一区切りついちゃったんですよ。
俳句の作り方って色んなバリエーションあるけど、オーソドックスな俳句を作れた方が「かっこういいな」って思ったんですよね(笑)
ひょんなことから俳句への道がスタート
―川嶋さんが、俳句を始められたきっかけはなんだったんですか。
今振り返ると、「必然やな」って思ったりするんですけど。
陸上をずっとやってて、大学1年の時に右足首をケガしたんですよ。おっきなケガではなかったんですけど、走ると痛くてフォームが変わってしまって。
それで、あまり記録が出なくてもやもやしてる時期に、学部の先生がたまたま句会に呼んでくれたんです。
先生は、僕の出身高校が関西で唯一『俳句甲子園』で優勝してる学校(当時)だったから、俳句に親しんでるだろうって理由で呼んでくれたみたいなんですけど、その誘いを断り切れなくて句会に行ったことがスタートですね(笑)
芝不器男がいたから松野町に決めた
―地域おこし協力隊として松野町に来られましたが、どうして松野町を選ばれたんですか。
“芝不器男記念館”が人を募集してて、よく要項を読んでみるとそれが地域おこし協力隊の募集だったんです。
―川嶋さんを松野町に呼び寄せた、芝不器男さんはどんな人なんですか。
こっちに来るまでは、名前とか有名な作品は知ってるぐらいで、あんまり彼の人となりを知らなかったんです。なので、地域おこし協力隊として活動する中で少しずつ知っていった感じですね。
彼の日記を見てたら、社会情勢やいろんなことに感化されて文章を書いてたり、俳句も自分の納得のいくまで推敲するんで作った俳句の1/4ぐらいしか世に発表されてないんです。
そういうところから、自分の中で複雑な感情をもっていて、すごくこだわりの強い人だなって印象を受ける一方で、下駄の鼻緒が外れても気にせず歩くあっけらかんとしたような一面もあるんですよ。
松野の人に助けられてる
―どういうところに、松野町の良さを感じますか。
松野の人は「面倒見がいいな」って思います。
それを西日本豪雨の時に、一番強く感じましたね。
うちも浸かって、松丸駅のところも浸かって、いろんなとこ浸かったんです。そんな状況でなにするでもなく呆然としてる時に、近所の人が「まあ飯でも食べにこいや。お腹減っとるのが一番つらいやろ。」って呼んでもらったのを覚えていますね。
その時に、「出水町中漂っている儒艮」って俳句が生まれたんです。
ああいう状況になった時に、何もできなくて客観的になれたからこそ、浮かんできた句だなって思いますね。
茶畑で句会
―松野町の茶畑で「紅茶を作ろう!」と思ったきっかけはなんですか。
シンプルに楽しそうっていうのが1つ。
仲間の俳人を呼んだり、いろんな体験と俳句をミックスした企画ができるなっていうので、俳句とすごく相性がいいなって思ったのが1つですね。
―紅茶って洋風なイメージなので、俳句と相性がいいってお伺いして驚いています。
今の俳人って、ゆったりとした生活をしている人が多くて、お茶菓子とかもみんなで美味しいもの食べに行ったりするんですよ。
そういう集まって美味しいものを食べるために、俳句をしよるようなところもあって。何の目的もなくただただ友達と会うだけやったら、普通の雑談の会になると思うんですけど、そこに俳句が加わると句会になるんです。
なので、茶畑や紅茶を楽しむために句会をひらくってのも有りだなって思っています。
愛媛県全体で俳句をアピール
―今後、愛媛県でやりたいことってありますか。
愛媛県全体で「もうちょっと俳句のことをできたらなあ」と思います。
愛媛県は有名俳人をたくさん輩出してるので、若手の登竜門になるような新たな枠組みを考えたいですね。
受賞したという肩書が欲しい人も多いので、「賞金や句集がなくてもいいのかな」と思ったりするんですけど。それか、賞に代わる何かでもいいですね。
絵しりとり ドーナッツ ⇒ つ○○
ーでは、最後に絵しりとりをお願いします。
僕が作ってる俳句雑誌にちなんだのでもいいですか?
ーもちろん!お願いします。
ちょっと他の紙に練習してから描きますね!
”芝不器男記念館”の前で、ばっちりポーズも決めてもらいました!
取材のあと、お茶摘みを体験させていただいたのですが、やり始めると無心になれてずっと摘んでいたくなりました(笑)
夏の紅茶の出来上がりが楽しみです!
川嶋ぱんださんは、Twitterもされているのでチェックしてみてくださいね!
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