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ゆかりアーティスト07 神西彩

こんにちは。
事前にハープのこと調べてはいたんですが、想像以上の大きさに驚き、エレガントな佇まいにうっとりしちゃった、note更新担当のたぬ子です!(笑)

今回は、日本を飛び出し海外でも活躍中の、ハープ奏者 神西彩(かみにし あや)さんにお話を伺ってきました。

[プロフィール]
■氏名(ふりがな)
 神西 彩(かみにし あや)
■ジャンル
 ハープ(弦楽器)
■連絡先
 Mail:aya_hp@hotmail.com  /  aya_hp@icloud.com
■経歴
 愛媛県松山市生まれ。
 11歳よりアイリッシュハープ、12歳よりグランドハープを始める。
 米国インディアナ大学音楽学部にて学長奨学金、Eleanor Fell scholarshipを始め多くの奨学金を授与され、審査員満場一致の下、大学院パフォーマーディプロマ及び、アーティストディプロマ科を修了。
 大学在学中、ミシガン大学にてウィンドアンサンブルの特別室内楽メンバーとして演奏。2005年よりブルーミントンワールドワイドによる演奏会にゲスト出演。翌年カナダのシンフォニーオーケストラアカデミーに合格。
 これまでにハープを中井雅子、吉野篤子、スーザン・マクドナルドの各氏に師事。室内楽を故 島崎説子、Anthony J Cirone、Paul Kiesgen、Scharmal Calvo-Manzanoなど多くのハープ奏者のマスタークラスに参加。
 これまでにアメリカ国内にてラジオへの出演、ソロ、協奏曲、室内楽を含む数々のリサイタルを行う。よんでん文化振興財団奨学生。
 帰国後は東京、埼玉にてオカリナとのハープコンサート、電子楽器との新しいジャンルのアンサンブルにも参加。現在、ベトナム国立交響楽団アソシエイトプレイヤー、エリザベト音楽大学非常勤講師を務め演奏活動共に幅広い活動を展開している。

きらめいているお姫様

IMG_2529 我が家はハープだった

―ハープの魅力はどこですか。

 ハープを弾きはじめて何年も経つんですが、形といい佇まいが優雅で凛としていて、いまだに「美しいな」って思うんですよね。
 ホールにぽつんっとハープが置いてあったら、「どうされましたか、お姫様!」って駆けよりたくなるんです(笑)

 形だけではなくて音の柔らかさもすごく好きですし…魅力を伝えようとするとずっと惚気(のろけ)てしまいますね。

我が家はハープだった

IMG_2601 きらめいているお姫様

―ハープをはじめられたきっかけは何ですか。

 母親がとにかくハープを好きだったので、他の子たちがサッカーや野球を習いに行くように、我が家は習いごとの選択肢にハープがあったんですよね。
 小学生の時から習いはじめたので、ハープをクリスマスツリーに飾るオーナメントぐらいしか見たことが無くて、「あのちっちゃくて可愛いのを習うんだ」って思ってたんですよ。
 なので、実際にハープを見た時は大きくて驚きました(笑)

―小学生の頃からこの大きさ(高さ約185㎝)のハープなんですか!?

IMG_2844 我が家はハープだった

 これは、グランドハープっていうんですけど楽器が大きくて手が届かないので、レバーハープっていう小さいハープからはじめることが多いですね。
 そのままレバーハープのプロになる方もいらっしゃるんですが、将来的にグランドハープを弾きたいって思っていたので、背が伸びてきて手が届くようになった段階でグランドハープに移行しました。

―身長によって楽器のサイズが変わるんですね。

 ヴァイオリンほど細かく分かれてはないんですけれども、基本的には身体に合わせて選んでいます。
 レバーハープは脚が取れるので、幼稚園ぐらいの子も弾けるんですよ。

好きなことを夢中で楽しく頑張っていた

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ー上記写真は神西彩氏より提供ー

―ハープ奏者になろうと思った経緯を教えてください。

 ハープを習い始めた頃は、「これを仕事にする」って思ってなかったですね。
 ”絶対にハープ奏者!”というよりも、色んなことを学んだ上で自分のやりたいことに進んできた感じです。

 ただ、ハープが飛び抜けておもしろかったんですよね。
 私、スポーツは本当に苦手でいくら頑張っても泳げないんですよね。そんな風に努力しても結果が出ないことってあるじゃないですか。
 でもハープは、練習をやればやるほど結果が出たんですよね。
 それが本当におもしろくて、自然とどんどんハープをやるようになっていったんですよ。
 そこから先生に、「こういうの出てみない?」「参加してみない?」って色々言っていただいて、気が付いたらハープ奏者の道を進んでいましたね。

続けることが一番大事

IMG_2686 我が家はハープだった

―普段から気を付けていらっしゃることはありますか。

 小さい頃に、「1日さぼると自分に分かって、2日さぼると先生に分かって、3日さぼるとお客様に分かる」って言われて、ずっと胸に残っているんですよね。それがあって、“毎日練習すること”を大事にしています。

―毎日の練習は、1日何時間と決めてらっしゃるんですか。

 小さい頃は時間を決めていたんですけれども、今は“練習内容をどう充実させるか”に重点を置いていますね。
 ぼーっと練習しているだけでは身につかないので、朝の内容を夜と翌日にもう一度とか練習したり、自分なりのスケジュールを決めていますね。

理想の音はまだまだ

IMG_2548 きらめいているお姫様

―想い出に残っている公演や演奏会を教えてください。

 留学のきっかけになった先生の音を、初めて聴いた時に「これだっ!」って思ったんですよね。
 激しい曲を弾いたわけではなく、ポン・ポン・ポン~って弾いただけだったんですけど、「この音を出したい」って強く惹かれたんです。

 自分の演奏会は、何回やっても「まだまだだな」って感じているのでお答えできないですね(笑)

―まだまだこれからってことですね。

 終わりがないですよね…。
 「ここまでやったらもう終わるんだ」とか、「このオーディションが終わったらもう!」ってどこかで思ってた時期もあったんですけど、そうじゃないんだなと。
 オーディションがあって、更にその上があって、もっともっと…ってずっと続くんですよね。
 途中で辞めることは簡単ですが、ずっと続けていくのは難しいんです。

 年齢を重ねていくと体力的にもしんどくなってきますしね。
 小さい頃は、なにも考えずに指が動いて素早く演奏できていたのが、「おや?関節がこんなに硬かったかい?」みたいな感じになるんですよ。
 でも年齢を重ねることで、内面的な深みが加わってて、若いころには無かった表現ができるようになるんだなと思います。

なにが起こるか分からない

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ー上記写真は神西彩氏より提供ー

―演奏中にひやっとした、怖かったことはありますか。

 ステージに慣れていなかった大学1年生の時の試験ですね。演奏中に弦が切れたんですよ。
 弦には、何トンもの力がかかってる状態なので、切れると結構派手な音がするんですよね…。
 今なら、舞台で弦を張り替えてお客さまに見ていただいたりとか、一旦演奏を止めて弦を張り替えたりできるんですけど、あの頃は「切れた…」って呆然となりましたね(笑)

ハープって運べるの…?

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―ハープはどのように持ち運ぶんですか。

 楽器自体にコロコロがついているハープと、コロコロの付いた台に乗せるタイプがあって、平面移動ならそのコロコロを使いますね。
 垂直移動になると難しいんですけど、エレベーターがあればそれに乗せて、無ければ階段を使って大人3人ぐらいで運んでいます。
 外に持ち出すときは、車の座席を倒して乗せていますね。

―普通の車で運べるんですか!?

 吹奏楽部や団体での移動は、ハードケースにいれてトラックで運ぶんですけれど、個人やハープだけの発送だと、乗用車やワゴン車を使用しますね。
 グランドハープの高さが、185㎝あるので車の後部座席を倒して、フルフラットにした上にお布団敷いてハープを寝かせて置いています。

―横倒しにして大丈夫なんですか?

 大丈夫です。
 ただ、ピンのある側を下にしてしまうと負担がかかるので、上下の向きは決まってるんですけどね。

身近な場所で生演奏を

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ー上記写真は神西彩氏より提供ー

―愛媛県でやってみたいこと、チャレンジしてみたいことはありますか。

 ハープはまだまだマイナーな楽器なので、レッスンや演奏会を積極的に行って多くの人に広めていきたいです。
 あとは、愛媛県内に素敵な場所や建物がいっぱいあるので、ホール以外の場所でも演奏したいですね。
 クラシックっていつまでも「珍しい」って思われることが多いので、身近な場所で演奏をして聴く機会を増やすことで、特別感を無くしていけたらいいなと思います。

絵しりとり キ○○○○○

IMG_2975 絵しりとり

―前回の方がこの絵なんですが…。

 ※前回の方(わけさん)が描いてくれたのは、うさぎでした!

 なに書こうかなあ…。
 せっかくならハープにちなんだものがいいですよね。

 そう言って、描かれたのは…!?

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なんと神西さん、取材後にハープを演奏してくださったんです。
初めて聴くハープは、優しいけれども芯のある素敵な音色でした!
更に!!ハープを弾くという貴重な体験までさせていただいたんですよ!
重さや弦の張りなど、見ているだけでは分からないことを知ることができました。
神西さん!ありがとうございました。

Instagramをされているので、気になる方はチェックしてみてください♪

見出し画像と記事内3枚の写真は、神西彩氏より提供いただきました。


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