ゆかりアーティスト07 神西彩
こんにちは。
事前にハープのこと調べてはいたんですが、想像以上の大きさに驚き、エレガントな佇まいにうっとりしちゃった、note更新担当のたぬ子です!(笑)
今回は、日本を飛び出し海外でも活躍中の、ハープ奏者 神西彩(かみにし あや)さんにお話を伺ってきました。
きらめいているお姫様
―ハープの魅力はどこですか。
ハープを弾きはじめて何年も経つんですが、形といい佇まいが優雅で凛としていて、いまだに「美しいな」って思うんですよね。
ホールにぽつんっとハープが置いてあったら、「どうされましたか、お姫様!」って駆けよりたくなるんです(笑)
形だけではなくて音の柔らかさもすごく好きですし…魅力を伝えようとするとずっと惚気(のろけ)てしまいますね。
我が家はハープだった
―ハープをはじめられたきっかけは何ですか。
母親がとにかくハープを好きだったので、他の子たちがサッカーや野球を習いに行くように、我が家は習いごとの選択肢にハープがあったんですよね。
小学生の時から習いはじめたので、ハープをクリスマスツリーに飾るオーナメントぐらいしか見たことが無くて、「あのちっちゃくて可愛いのを習うんだ」って思ってたんですよ。
なので、実際にハープを見た時は大きくて驚きました(笑)
―小学生の頃からこの大きさ(高さ約185㎝)のハープなんですか!?
これは、グランドハープっていうんですけど楽器が大きくて手が届かないので、レバーハープっていう小さいハープからはじめることが多いですね。
そのままレバーハープのプロになる方もいらっしゃるんですが、将来的にグランドハープを弾きたいって思っていたので、背が伸びてきて手が届くようになった段階でグランドハープに移行しました。
―身長によって楽器のサイズが変わるんですね。
ヴァイオリンほど細かく分かれてはないんですけれども、基本的には身体に合わせて選んでいます。
レバーハープは脚が取れるので、幼稚園ぐらいの子も弾けるんですよ。
好きなことを夢中で楽しく頑張っていた
―ハープ奏者になろうと思った経緯を教えてください。
ハープを習い始めた頃は、「これを仕事にする」って思ってなかったですね。
”絶対にハープ奏者!”というよりも、色んなことを学んだ上で自分のやりたいことに進んできた感じです。
ただ、ハープが飛び抜けておもしろかったんですよね。
私、スポーツは本当に苦手でいくら頑張っても泳げないんですよね。そんな風に努力しても結果が出ないことってあるじゃないですか。
でもハープは、練習をやればやるほど結果が出たんですよね。
それが本当におもしろくて、自然とどんどんハープをやるようになっていったんですよ。
そこから先生に、「こういうの出てみない?」「参加してみない?」って色々言っていただいて、気が付いたらハープ奏者の道を進んでいましたね。
続けることが一番大事
―普段から気を付けていらっしゃることはありますか。
小さい頃に、「1日さぼると自分に分かって、2日さぼると先生に分かって、3日さぼるとお客様に分かる」って言われて、ずっと胸に残っているんですよね。それがあって、“毎日練習すること”を大事にしています。
―毎日の練習は、1日何時間と決めてらっしゃるんですか。
小さい頃は時間を決めていたんですけれども、今は“練習内容をどう充実させるか”に重点を置いていますね。
ぼーっと練習しているだけでは身につかないので、朝の内容を夜と翌日にもう一度とか練習したり、自分なりのスケジュールを決めていますね。
理想の音はまだまだ
―想い出に残っている公演や演奏会を教えてください。
留学のきっかけになった先生の音を、初めて聴いた時に「これだっ!」って思ったんですよね。
激しい曲を弾いたわけではなく、ポン・ポン・ポン~って弾いただけだったんですけど、「この音を出したい」って強く惹かれたんです。
自分の演奏会は、何回やっても「まだまだだな」って感じているのでお答えできないですね(笑)
―まだまだこれからってことですね。
終わりがないですよね…。
「ここまでやったらもう終わるんだ」とか、「このオーディションが終わったらもう!」ってどこかで思ってた時期もあったんですけど、そうじゃないんだなと。
オーディションがあって、更にその上があって、もっともっと…ってずっと続くんですよね。
途中で辞めることは簡単ですが、ずっと続けていくのは難しいんです。
年齢を重ねていくと体力的にもしんどくなってきますしね。
小さい頃は、なにも考えずに指が動いて素早く演奏できていたのが、「おや?関節がこんなに硬かったかい?」みたいな感じになるんですよ。
でも年齢を重ねることで、内面的な深みが加わってて、若いころには無かった表現ができるようになるんだなと思います。
なにが起こるか分からない
―演奏中にひやっとした、怖かったことはありますか。
ステージに慣れていなかった大学1年生の時の試験ですね。演奏中に弦が切れたんですよ。
弦には、何トンもの力がかかってる状態なので、切れると結構派手な音がするんですよね…。
今なら、舞台で弦を張り替えてお客さまに見ていただいたりとか、一旦演奏を止めて弦を張り替えたりできるんですけど、あの頃は「切れた…」って呆然となりましたね(笑)
ハープって運べるの…?
―ハープはどのように持ち運ぶんですか。
楽器自体にコロコロがついているハープと、コロコロの付いた台に乗せるタイプがあって、平面移動ならそのコロコロを使いますね。
垂直移動になると難しいんですけど、エレベーターがあればそれに乗せて、無ければ階段を使って大人3人ぐらいで運んでいます。
外に持ち出すときは、車の座席を倒して乗せていますね。
―普通の車で運べるんですか!?
吹奏楽部や団体での移動は、ハードケースにいれてトラックで運ぶんですけれど、個人やハープだけの発送だと、乗用車やワゴン車を使用しますね。
グランドハープの高さが、185㎝あるので車の後部座席を倒して、フルフラットにした上にお布団敷いてハープを寝かせて置いています。
―横倒しにして大丈夫なんですか?
大丈夫です。
ただ、ピンのある側を下にしてしまうと負担がかかるので、上下の向きは決まってるんですけどね。
身近な場所で生演奏を
―愛媛県でやってみたいこと、チャレンジしてみたいことはありますか。
ハープはまだまだマイナーな楽器なので、レッスンや演奏会を積極的に行って多くの人に広めていきたいです。
あとは、愛媛県内に素敵な場所や建物がいっぱいあるので、ホール以外の場所でも演奏したいですね。
クラシックっていつまでも「珍しい」って思われることが多いので、身近な場所で演奏をして聴く機会を増やすことで、特別感を無くしていけたらいいなと思います。
絵しりとり キ○○○○○
―前回の方がこの絵なんですが…。
※前回の方(わけさん)が描いてくれたのは、うさぎでした!
なに書こうかなあ…。
せっかくならハープにちなんだものがいいですよね。
そう言って、描かれたのは…!?
なんと神西さん、取材後にハープを演奏してくださったんです。
初めて聴くハープは、優しいけれども芯のある素敵な音色でした!
更に!!ハープを弾くという貴重な体験までさせていただいたんですよ!
重さや弦の張りなど、見ているだけでは分からないことを知ることができました。
神西さん!ありがとうございました。
Instagramをされているので、気になる方はチェックしてみてください♪
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