子犬が2頭仲間入り。犬2、猫1の新時代だ! #いい部屋ペット
犬ライターの白石かえの家から、犬がいなくなったのが2022年3月。なんという空虚感(涙)。27年ぶりの犬なし生活です。5月に保護猫スコテッシュフォールドの亀子を迎えて、なんとかわが家は息を吹き返しましたが、そうは言っても猫は散歩に行かないので、亀子といっしょに引きこもりの夏を過ごしていました。
寂しい。やる気なし。元気でない。犬がいないと、ほんとダメダメ人間になっていました。
しかし、ついに光がやってきました!! やっとわが家に犬が! しかも縁あって子犬。しかも2頭! 白石家、新時代の到来です。
早逝したウシちゃんに似た同郷の犬を発見
今年2月、3月と立て続けに愛犬を亡くした白石家。その後保護犬を希望したり、ポインターの子犬を迎えようとしたりしましたが、ことごとくご縁がなくて破談に。
そんなある日、先代の白黒ポインターのウシちゃんに体型、マズルの形、動きなどがよく似た、九州の阿蘇(ウシちゃんは阿蘇保健所収容の保護犬)にいる白黒ポインターをInstagramで見つけ、「これは!!」と大興奮。もしかしたら、ウシちゃんの親戚かもしれぬっ!
犬ライターの人脈とリサーチ力をフル稼働し、1枚の写真からその犬を探しました。そしてついに発見。その犬はリリーという名のメスでした。リリーは諸事情があって飼い主が次々と代わっていて、今のオーナーは4人目。現オーナーは千葉県の人で、今リリーは関東にいるというじゃありませんか。勇気をだしてその方に電話をしました。すると「今度の日曜日、利根川河川敷での猟犬フィールド競技会にリリーもでるよ」と言われたので「行きますっ!」と即答。会いに行きました。
そしてオーナーのおじちゃんに「リリーは繁殖予定ないんですか?」と詰め寄りました。趣味で猟犬フィールド競技をしているおじちゃんたちは、大らかで、子犬を売って商売するつもりがない人たちです。そのため、繁殖について、はっきりしなくて気を揉む時期もありましたが、結果的に、リリーのヒートを待って交配し、無事に受胎して、7月に出産。無事に育ってくれました。
交配しても赤ちゃんができないこともあります。また無事に産まれるか、子犬の数、オスメスの数なども未知数です。さらに母犬がナーバスになって子犬を噛み殺したり、うっかりつぶしてしまう事故もあります。
命って、欲しいときに都合良くすぐ手に入るものじゃないんだ。と、改めて実感しました。望んで、待って、祈って、やっと生まれるのが命。尊いね。
イングリッシュ・ポインターの体色は、白地に黒タイプと、白地に茶色タイプがいます。私はどうしてもウシちゃんと同じ白黒が欲しかった。でもウシちゃん(オス)と比較したら子犬に失礼だから、あえてメスが欲しいと思っていました。
普通ポインターは多産です。10頭以上、産まれることもあります。しかし、リリーのお産ではたった2頭しか産まれませんでした。めずらしいケースです。
しかも白黒のメスが2頭のみ(父犬は白茶、母犬は白黒)。私のウシちゃんを想う執念が、いろいろ強引に作用している気すらする大事な2頭です。
2頭しか産まれなかったのに、おじちゃんは、約束どおり私に1頭を譲ってくれることになりました。しかも「好きな方を選んでいいよ」って。ううう、ありがとうございます(涙)。私はウシちゃんに似ている柄のコではなく、あえて母犬リリーと同じ、頭のてっぺんに丸がついているコを選びました。
ああ、うちに来るまであと少し。9月が待ち遠しい。無事に元気に育ってくれ!
「もうじき犬が来る」と決まっただけで、まず安堵し、すでに幸せ。やることも多い。たとえば子犬用品の準備、室内環境の安全確認など。家族と育児(育犬)分担や外出する用事は前もってできるものはなるべく済ませておくなど事前調整をしました。
マイクロチップ、パピーフード、自治体への登録など、子犬ならではの予習も必要です。「子犬が来るのを待つ」というこの時間も楽しく大事な準備期間で、すでに犬との暮らしは始まっています。
鼻ぺちゃ犬好きの娘のペキニーズが降臨
今か、今かとポインターを待っていた8月の終わりのこと。もうひとつの運命の歯車が急に動き出しました。鼻ぺちゃ犬が大好きな私の娘が、ペキニーズのカワイコちゃんを見つけました。
娘は熊本地震(2016年)のとき、住み込みでボランティアに行きました。「九州災害時動物救援センター」にて、飼い主さんはいるけれど、仮設住宅住まいなどで、今は一緒に住めないという境遇の犬猫を、一時的に預かっていました。
そのときペキニーズのペッキーとすごく仲良しになり面倒をみていたので、自分がおばあちゃんになったらペキニーズと暮らしたいと秘かに夢みていたそうです。
でもまさかこのタイミングではないだろうと思っていたのに、Instagramで好みの顔の子犬を発見しました。
そこで犬ライターである私がその子犬のブリーダーさんのことを調べたところ、単犬種ブリーダーで、ショーにもチャレンジしている、シリアスブリーダーと判明。
さっそく家族会議をするも、夫が難色を示します。とにかくまだ娘が希望するメスがいるかどうかわからないので、明日私が連絡して、さらに詳しいことを聞いてみることに。
まずはメール。やりとりした後に電話でお話しする。メスはまだ残っている。じかにお話してみて、ますますペキニーズ・ファンシャーに間違いないと確信→再び家族会議で夫を説得→娘の仕事の休みは明後日。急遽、家族全員で岐阜県に子犬の見学にGO!
ブリーダーさんにお会いしてみると、想像どおりペキニーズへの愛が溢れている人だった。オトナのペキニーズもわらわらいて、体格、毛色、性格、毛の手入れ、なりやすい病気などについて質問すると何でも正直に答えてくれました。母犬、父犬、親戚犬、血縁以外のペキニーズにもたくさん会わせてくれて、知識もある正しいシリアス・ブリーダーかつ本物のペキニーズ・ファンシャー。この人から譲ってもらうなら大丈夫だと思いました。
もう生後8週齢を超えているので、そのまま連れて帰ってよいということになりました。ひゃーーーー! いろいろ展開が早い!(ポインターのときは、繁殖する前から相談してきたのに)。これもご縁ってヤツなのかな。子犬3頭の中からムスメが「抱っこしたときに、いちばん手にしっくりした」というコを選びました。ちいちゃなこのコはその日に上京することになったのでした。
その帰り道、名古屋城そばのガソリンスタンドに入ったところで熊本から電話が入り、「明日、12時の便で飛行機に載せるよ」って。ええええええ! 「明日ですか! は、はい、わかりました!!」家庭犬とはいろいろ勝手が違うので詳細は割愛しますが、とにかく初夏まで千葉にいたリリーは、熊本の猟犬トレーナーさんちで里帰り出産していて、子犬は熊本にいたのです。
恋い焦がれていた犬が、ついにわが家にやってくる! しかも連チャンで!!
帰りの東名高速、ムスメはスモーキーにメロメロ、私は明日のお迎えでワクワクが暴発しそうな心を抑えつつクルマを走らせ、帰路につきました。
そして。翌日、子犬が羽田空港に到着しました。
やっと会えた! 私の愛する白黒ポインター!!
9月、ついに白石家に子犬が2頭! 急に2頭!
実は猫の亀子が、8月に階段から落ちて右肘を脱臼し、人工靱帯をつくる大手術を受けて、約3週間入院していたのですが、亀子も退院してきました。白石家、急に犬猫率が急上昇! 犬2、猫1の新時代のスタートです。
子犬との新生活。想像以上にウンチオシッコ係は忙しい
喜びとせわしさで、9月は怒濤の如く過ぎ去りました。子犬が家族に加わるというのは、実に幸せで、実に忙しい。オシッコ、オシッコ、ウンチ、オシッコ、またウンチ。しかも2頭分。すばやく片付けないと、踏んづけて歩き回るので、二次災害が増えます。乳母は暇なしです。
月齢が近い犬を2頭迎えて、犬同士を遊ばせることで、きょうだいから離れた寂しさを互いに補うことができます。
犬たちの心を安定させるため、あえて私は2頭同時に迎えました。
しかしこの選択は、子犬の精神安定などの長所がある反面、ウンチオシッコ係は忙しく、目が離せないという短所もあります。誰にでも推奨できるものではありません。ハッピーも2倍、排泄回数も2倍。イタズラ、甘噛み攻撃も2倍。ティッシュや何かの破片などの異物食いを見張る心労も2倍です。日に日に成長し、オモチャの取り合いなどで喧嘩するシーンも増えるので、始終事件が起きている感じ。でもこれも幸せな慌ただしさといえます。子犬はあっという間に大きくなるので、この時期もそう長くはないでしょう。この大変さを大いに楽しみたいと思っています。
とはいうものの、ほんと大変よ(笑)。おちおち仕事もしていられません。子犬は、生後半年までは1日3食が望ましい。胃袋が小さく、消化吸収能力が未熟だからね。でもリモートワークや自営業ならともかく、なかなかランチをあげる時間帯に仕事から離れるのは難しい。膀胱も小さいから、何度も何度もオシッコする。ウンチもすぐに片付けないと、踏んづけてウンチのついた足で歩き回ったり、食糞の悪癖がついたりする。トイレシーツをビリビリに破くし、床拭き洗剤スプレーを持って逃げるし、ほんとデビルよ、デビル!!
通院や社会化トレーニングも頑張らねば
乳母は、対外的な活動も忙しいです。
まず子犬の健康管理のため、動物病院に行く回数が増えます。幸い、スモーキーとドディは快食・快便。子犬は下痢や軟便で悩むことも多いのですが、こいつらは非常に元気です。それでも感染症(ジステンパーやパルボやレプトスピラなど)予防のワクチン注射(生後45日以降、1か月毎にメーカー推奨は3回)をします。
フィラリア症予防の薬も春から晩秋にかけて月1回飲ませますが、薬の量は体重換算なので、毎回体重を測って薬を処方してもらわねばなりません。ちなみにドディはうちに来たときは4.0kgでしたが、1か月後には8.1kgになりました。スモーキーもほぼ2倍の体重になりました。
免疫力の低い子犬が死ぬかもしれない怖い病気の予防接種が終わったら、次は狂犬病予防接種をします。さらに生後91日以上の犬は自分の住んでいる自治体に「飼い犬の登録」をする必要があります。またマイクロチップが未装着の場合は病院で入れてもらい、すでに繁殖者のところでチップを装着している場合は「所有者の変更登録」をしないといけません。環境省の専用サイトからネットで変更可能です。いろいろやることが多くて忙しいです。
この時期は、社会化トレーニングも重要です。幼いうち(社会化期)は警戒心がなく、何にでも興味を持ち、人にもよその犬にもしっぽを振って近寄っていきます。成長するにつれ、警戒心(野生動物ならば警戒し、危険察知能力を持つことは生き残るために必要な本能)が沸いてきて、恐怖心から吠えたり逃げたり咬んだりするので、できれば生後4か月くらいの社会化期までにたくさんの社会見学・体験をさせた方がいいです。そうすることにより心の強い、多少のことに動じないコになる可能性が増えます。他人やよその犬に平常心で接することができると、将来的に飼いやすいコになります。
ワクチンが終わるまで家庭内の世界しか知らないと出遅れてしまいます。なのでスモーキー&ドディは、うちに来た初日から毎日抱っこ散歩しました。人間のお客様にもどんどんうちに遊びに来てもらいました。そして生後90日以上のワクチンを待たずに、不特定多数の犬が集まるドッグランや不衛生そうな湿っぽい場所などを避けて、散歩も始めました。
こんな感じで、スモーキー&ドディがわが家に来て、1か月半。夫は「え、まだ1か月半なの? なんだか体感としては3か月以上いる気がする」と言います。それくらい子犬との暮らしは毎日が濃厚。楽しくって可愛くってオシッコしてイタズラして……ハッピーとドタバタが濃縮された日々です。
やっぱりいいね、犬のいる生活。
ほんと幸せ。
スモーキー&ドディの成長ぶりがこれから楽しみで仕方ありません。
最後に、内心、心配していた猫と犬との同居生活についてですが、猫の亀子は子犬に対して嫌がることもなく堂々としているし、子犬は亀子に遊んでほしくて近寄っていきます。共同生活をするための人選ならぬ「猫選・犬選」は今のところ成功です。ただし、これから犬の成長に伴い、どうなるかはまだわからないので油断は禁物。しっかり見張りつつ、仲良し犬猫生活をしてほしいと願っています。
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