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「キーエンス流性弱説経営」読んでみた

キーエンス流 性弱説経営【電子書籍】[ 高杉 康成 ]

以下2点の理由から本書を読んでみました。
※本の要約のみ読みたい方は次のセクションに移動してください
※本の要約は自分が特に気になった場所のみをピックアップしています

1)性善説についてへの違和感
ReHacQ−リハック−というYouTubeメディアのプロデューサーの高橋さんが定期的に「性善説」について話しているのを聞き、私は少し違和感があったので、本屋で「性弱説」という単語を見かけて購入
2)キーエンスについての興味
社員の給料が高いことで有名だったので、その内情について気になった

キーエンスとは?

キーエンスとはセンサーなどを開発・製造するメーカーで、営業利益(原価や人件費を除いた本来の利益のこと)が50%を超えながら売り上げを増やし続けている超高収益企業。
製造業で営業利益が50%を超えることは驚異的なことで、通常は10%超えれば高収益企業と考えられることが多い。

高収益を生み出す理由

商品を販売する際に、原価を元に利益を乗せて売価を決めるのではなく、
売価が高くても売れる理由(用途)を先に探す。

役立ち度が高く困りごとを解消できる商品が高く販売でき、その困りごとが大きければ大きいほど「高く売れる商品」を生み出す。

ビジネスの場における「性善説」と「性弱説」

▼性善説とは

人はみな本来善人であり、「正しく聞けば、正しいことを話してくれる」「正しく指示すればなんでもできる」「常識的なことはみんなわかっている」というような考え方

キーエンス流性弱説経営 P.58

例)スケジュールを明示したらその通りにやってくれるだろうと考える

▼性弱説とは

人は本来弱い生き物なので、「難しいことや新しいことを積極的にはやりたがらない」「目先の簡単な方法を選んでしまいがち」というような捉え方

キーエンス流性弱説経営 P.59

例)スケジュールを明示したが、なかなかその通りに続かない

「性弱説」的仕事の任せかた

難易度が低く高い成果を求めていない場合は性善説的アプローチでうまくいくこともあるが、難易度が高い・または高い成果を求める場合は「できるだろう」と性善説的思考で任せるだけではうまくいかない。

性弱説的アプローチで「できないかもしれない」という思考の元、任せた仕事の成功率を高めるために準備を行う必要がある

例えば、営業担当の報連相では事後報告だけでなく事前に確認やアドバイスを行うことで上司と部下の認識のずれを無くしたり用意している資料などの確認を行う。
大事なことこそ事前に確認する、「できないかもしれない」という性弱説的考え方で準備したり、仕組みを考えたりすることが大切。

スキルアップのためのKPIパラメーター

▼KPIとは

Key Performance Indicator(キー パフォーマンス インジケーター)の略で、「重要業績評価指標」と訳される。簡単にいえばKPIとは中間目標であり、ゴールに向かうまでのプロセスの目標数値である。目標達成にむけたパフォーマンス状況を測るために設定する。

「KPI」とは? | マーケティング用語集 | シナジーマーケティング株式会社

▼KPIパラメーターとは

業務において成果を出すために必要な要素を洗い出し、測定し、可視化した数値を指します。

キーエンス流性弱説経営 P.108

人物ごとの得意不得意を可視化するイメージで、バトルゲームなどのキャラクターに「攻撃力」「防御力」「体力」などのパラメーターが可視化されていることと同じ。

単に「成長しよう」といっても人は動かない。(性弱説的思考)
パラメーターを可視化することで育成方針・スキルアップすべき改善点などが明確化され、具体的な行動に移ることができる。

滞在ニーズを探す

滞在ニーズの収集が高い商品を販売する近道だが、顧客へニーズ収集をしても、実際には顧客がそれを正確にイメージすることも言語化することも難しい。
そのため、そのまま商品開発に活かすことは難しいと「性弱説」的姿勢で取り組む。

顧客から収集したニーズはあくまでもヒントとして捉え、なぜそのような意見が出たのかを深掘りする必要がある。

感想

性弱説は経営だけでなく、自分に対してのマネジメントにも応用できそうな考え方だなと思いました。
何か勉強をしよう、と決めたときに、できないかもしれない(例:疲れてる、仕事が忙しくなっているかもしれない)という前提に立って、その上でどうするか考えて工夫してみたいです。

また、スキルアップのためのKPIパラメーターも自分用のものを作りたいなと思いました。なんとなく自分の得意不得意を理解していても、具体的にすることで今後どのような箇所を伸ばしていくか明確化され、動きやすそうだと思いました。

できるとこから少しずつ取り入れてみたいと思います。

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