ミゴウの腕について(一)
『HOPELESS』で、重要なアイテムとして冒頭から登場する「ミゴウの腕」。
長い毛で覆われた猿の腕の肘から先が、ボロボロの包帯で巻かれているというビジュアルイメージです。
劇中の設定は以下の通り。
・大谷探検隊によってチベットで発掘され、二楽荘に封印された。
・指を一本折るごとに異界への門(第一の門)が現れるが、代償として周囲の人間が31人死ぬ。
・5本の指全てを折り、呪力がフルチャージされると、「窮極の門」を出現させることができる。
「ミゴウ」の由来は、クトゥルフ神話に出てくる「ミ=ゴ」という宇宙生物で、別名を「ユゴスからの菌類」といい、よく知られる姿はこれです。
なかなかぶっ飛んだ造形をしてますね。
菌類というより、エビやカニなどの甲殻類に近い姿とされていますが、H・P・ラヴクラフトが最初に創出したとき参考にしたと言われているのが、チベット語で雪男を意味する「Migou」だそうです。
「ミ=ゴの腕」でなく「ミゴウの腕」としたのは、その呪物としての性質を独自設定するにあたり、現在デファクトスタンダードとなっている姿ではやや都合が悪いので、源流まで遡ることでクトゥルフ神話との繋がりを持たせるためです。
なぜ都合が悪いのか、という話はまた次回。