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ありがとう、E4系Max

JR東日本の2階建て新幹線車両「E4系」が、10月1日の営業運転を最後に引退することになりました。
このE4系の引退を最後に、日本の新幹線から2階建て車両が姿を消すことになります。

E4系とは

1997年に東北新幹線でデビューした、JR東日本としては1994年デビューのE1系に次ぐ2代目の2階建て新幹線です。
JR東日本では愛称「Max」とし、「Maxやまびこ」「Maxとき」などという列車名で運行していました。
(上越新幹線では2001年から走り始めたそうです。)

JR東日本では、首都圏の通勤事情に対応した高速で大量輸送を新幹線車両をと、E1系、E4系のオール2階建て新幹線車両が開発されました。
それまでは東海道新幹線の100系新幹線が、中間車両の2両(グランドひかりは4両)が2階建て車両として活躍していましたが、オール2階建て新幹線はJR東日本が初めて。

↓JR東日本 E4系Max特設サイト

Maxゆえのネックも

Maxは先述の通り首都圏の通勤事情に対応した車両として開発されたという事情もあり、8両1編成のMaxを2編成連結した16両編成にも対応していました。
しかし、最高速度240Km/hしか出せず、宇都宮以北の最高速度320Km/hで営業運転する「はやぶさ」の足かせになるため、東北新幹線では撤退し、線形上最高速度が240Km/hしか出せない上越新幹線を中心に運用されることになります。
また、北陸新幹線では特に群馬・長野県境での急勾配への対応、軽井沢駅以西の商用電源周波数60Hzに対応した編成が限られていることなどでほとんど使われませんでした。
さらには大量輸送を目的とした車両ゆえ、主に自由席として使用される座席は通路を挟んで左右とも横3列シート、肘掛けもなくリクライニングにもならない、成人男子が3人座ると窮屈すぎるクロスシートでして。
個人的にはMaxの自由席だけは絶対避けて乗ってましたw

本当によく乗りました

100系新幹線の2回に乗ったときも、とてもワクワクしたのを覚えてますが、このE1,E4系でもワクワク感がありました。
生まれが富山で、毎年夏はもちろん、年に何度かは富山のおばあの家に遊びに行ってました。あの当時は大宮~長岡間を新幹線、長岡~富山を在来線特急に乗っていきました。
(のちにほくほく線が開業すると、越後湯沢乗り換えが首都圏~北陸へのメインルートになる)
在来線特急との接続が、旧来の200系やE2系よりもMaxにあたる率が高かったんじゃないかなと思ってます。

特急が遅れた時はつらかった

越後湯沢乗り換えの場合、Maxときの場合、大宮~越後湯沢間50分前後で走るので、狭い車内でもそんなに苦にせず乗れたのですが、問題は在来線特急(「はくたか」号)が遅れた場合です。
数分の遅れであれば、新幹線は乗り換えの乗客を待ってくれるのですが、北陸線での大雨や強風、単線のほくほく線での交換待ちでの遅れで大幅に遅れた場合は、新幹線は待ってくれません。その場合は、新幹線に乗り遅れたという扱いになるため、たとえ新幹線指定席券を持っていても、後続の新幹線の自由席に放り込まれます。2時間以上遅れれば、特急料金が払い戻されるので納得しますが、それまでは戻って来ない。
つぎにやってくる新幹線が、8両編成のMaxだった場合、最悪です。
個人的にも遭遇した、新潟県内での震度5の地震に遭遇して2時間以上遅れたこともあって、もちろん接続予定の新幹線は我々を待たずに行ってしまいます。
(なせか新幹線はほとんど遅れなかった)
そのときは世間は夏休み。
上越新幹線は長岡や新潟からも乗ってくるし、さらに村上や酒田あたりから羽越線の特急の乗客も乗ってきます。
しかも後続の新幹線は8両編成のMax。
指定席は満席状態ですから、自由席は当然立つことになるわけで・・・
ただでさえ繁忙期なのに増結予定もなかったJRに憤りましたが、それ以上に、這ってでも帰るような気力がなかったぼくは、越後湯沢で鮨詰めになった後続Maxを見送って後続の各駅停車タイプの新幹線たにがわ(しかも越後湯沢駅始発)で帰ることにしました。
こんなことがあってからは、大宮の到着時間が2~30分ほど変わってきますが、それでも座れるたにがわ号をよく利用するようになりました。

たくさんの思い出をありがとう

いい思い出も悪い思い出もたくさんあったMax。
最後に乗ったのは、去年の11月。
仕事で富山から帰ってくるときに、越後湯沢から乗りました。
(富山~越後湯沢までは普通列車を乗り継いで)
ちなみに掲載した写真は、越後湯沢駅で入線するE4系のMaxときを撮影したものです。
いざなくなるとなるとやっぱり寂しいです。
自分が学生の頃から、自分を越後湯沢(からの富山)へ、新潟へ運んでくれたことに感謝したいです。

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