驚くほど身につくワイン -イタリアワインを知る -
ワイン生産量トップの国、そして皆様にとっても比較的馴染みの深いと思える食べ物があるのがイタリアです。とはいえ、あらたまって「イタリアワインってどんなもの?」と言われてもピンとこないかもしれませんね。ここではもっとイタリアワインをもっと身近に感じてもらえるような紹介をしていきたいと思います。
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イタリアのおさらい
地中海に囲まれたイタリアは、ご存知の通り長靴に例えられる形をした南北に長い国土を持つ国です。本土以外にもシチリア島やサルデーニャ島といった大きな島も国土に持っており、それらも含め全20州全てに、イタリアワイン法で認められたワイン生産地区が存在しています。
イタリアワインの特徴
一番の特徴は、古くからその土地で使われてきた土着品種のブドウを使ったワインが多いことです。その種類は200にも及ぶと言われるほど多種多様なブドウが、そのエリアに合わせて育成され、ワインとして生み出されています。そのため、イタリアワインを見つけたとしてもブドウ品種を見てもピンとこないことも多いかもしれません。
味わいの特徴ということですと、デイリーで飲めるものから長期熟成をさせるものまで多種多様です。その中で私個人の感想で言うなら“難しいこと考えずに美味しい”ということです。1,000円台のデイリーワインからでもオススメできます。「僅かに感じる複雑な香りが...」とか「この一見取っ付きにくそうな渋みの中にある甘さが...」とか難しいことは要りません。甘さなり濃厚さなり酸味なりが分かりやすくワインの方から主張してくる、というイメージです。
押さえておくべきイタリアワイン3選
星の数ほどあるイタリアワインですので、地域や銘柄を覚えようとするとキリがありません。そこでぜひ、皆様が接する機会の多そうなワインをご紹介します。
1. キャンティ(Chianti)
イタリアワインの中で最も有名かもしれないのがこのキャンティです。イタリア中部、食の都トスカーナ州で作られるワインです。イタリアで最も多く使われている黒ブドウのサンジョベーゼをメインで使った赤ワインですが、ワイン法によりなんと白ブドウも混ぜて作っていいことになっています。やや酸味があり、軽快な飲み口のものが多いです。生産者にもよりますが、ほとんどが2,000円台でじゅうぶんに購入できるくらいの価格帯です。
2.バローロ(Barolo)
「ワインの王であり、王のワインである」とも称される、イタリアを代表する高級ワインの1つです。トリノがある北イタリアのピエモンテ州で作られる、長期熟成できるワインです。3年以上の熟成を経ないと出すことができない大変手間のかかるワインでもあります。使われるのはネッビオーロというほぼイタリアでしか使われない黒ブドウ100%で、このブドウの特徴ゆえか非常に色も味わいも濃い、どっしりとした味わいのワインが作られます。出荷されたてのヴィンテージ(年)のものだと飲みづらいかもしれませんが、10年前くらいのヴィンテージのものになると適度な熟成を経て複雑な味わいが楽しめるようになるでしょう。価格帯としては安いものは3000円程度からですが、1万円越えくらいのものの方が多いです。
3.ランブルスコ(Lambrusco)
一般論として有名かは微妙ですが、日本においてはサイゼリヤで飲めるワインということで皆様が触れる機会が多いかもしれません。ランブルスコはイタリアのやや北側、ボローニャがあるエミリア・ロマーニャ州を中心に作られるワインです。ランブルスコを名乗れるのはスパークリングワインだけなのですが、面白いことに赤とロゼのみで白のスパークリングはランブルスコと名乗れないということです。赤のスパークリングというのも珍しいですし、一般に多い白のスパークリングが無いというのも変わり種です。ワインの名前に入っているランブルスコという名前のブドウを使って作られています。お店などでも見かけることはあるかもしれませんが、気になるならサイゼリヤで飲む一択です(過去記事:サイゼリヤのワインはいいぞ)
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イタリアワインは語りつくせないほど多くの魅力を持っています。紀元前のころからワイン作りが行われていたという長い歴史を持つことも、各地で作られるワインが多種多様であることも、その理由でしょう。併せて、イタリアが持つ食文化とのマッチというのが非常に大きな要因だろうと思っています。水よりワインが安いとも言われる国ですから、畏まって飲むよりも日常的に食事の中で気軽に飲む習慣があるのでしょう。ぜひそんな習慣を見習って、イタリアワインは気軽に飲んでみましょう!