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エアコンからバジルへのリインカネーション(前編)
ここ数年、暖かくなるとベランダでスイートバジルを育てるようになった。
毎日水をあげて、日なたに置いておくだけで勝手に育ってくれる。
さらに、摘心といって、ある程度育った芽をハサミで摘み取っておくと、わき芽が伸びて、たくさん葉をつけてくれるようになる。
2~3株も育てれば、スーパーで一袋198円のバジルを買う必要がなくなるどころか、その10数倍の量を冬が来るまで収穫し続けることができる。
収穫したバジルはマルゲリータ風のピザトーストとかガパオライスとかジェノベーゼとかになる。
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イタリアン好きなら確実に食のQ.O.Lが上がる。
家庭菜園に挑戦してみたいのなら、バジル栽培を強くお薦めします。
それはともかく(!)、8年ほど使い続けている、我が家のエアコンが壊れた。
いや、正確には今も稼働しており、冷風を吹き出しているが、いつ完全停止してもおかしくなさそうな状況だ。
最初の異変は夏の初め。
リビングのエアコンから時折「カカカカカッ!」という異音が聞こえるようになってきた。
アシュラマンの高笑いみたいだなとは思いつつ、はじめはあまり気にしなかったのだが、ある時、エアコンの真下に設置してあるソファの前の床に、小さな水溜まりができていた。
見上げると、吹き出し口の端から水滴が垂れていたようだった。
床の水溜まりは拭き取ったが、翌日になると、また出来ている。そのうち、ソファも濡れていることがあった。
原因として、まず考えたのがフィルターの問題だ。
フィルターが目詰まりすると結露が起こり、水漏れが起きることがあると聞いたことがある。
そういえば2年前の6月、エアコンのクリーニングをしてもらった時、作業員のお兄さんからは「最低、2年毎ぐらいを目安にやった方がいいですよ」と言われていた。
今年はクリーニングをするのを忘れて、夏を迎えてしまった。
とりあえず、それほど汚れていなかったが、念のためにフィルターを取り外してホコリを洗い流し、キレイにして戻しておいた。
数日後、ソファに座ってゲームしていたら、いきなり頭に水がボトボトっと垂れてきた。
そこからはもう止まらなかった。
水時計のように秒刻みでエアコンの吹き出し口から水滴が垂れてくるようになった。
これは尋常ではない。
「故障」の2文字が頭をよぎったのは、この時からだ。
ためしにエアコンを止めれば、水漏れも止まった。
しかし、当時は7月下旬。すでに連日の猛暑である。
止めれば我が家は即サウナハウスと化し、自宅で仕事をしている僕には地獄でしかない。
下手をすれば、命の危険に関わる。
故障の可能性があるとはいえ、今エアコンを止める選択肢は、ない。
とりあえず、水漏れを受け止めるために、子供が砂場遊びで使っていたバケツを床に置いた。
しかし、水滴は2mの高さから降ってくるため、落下の衝撃でバケツの外まで飛散してしまう。
結局、周囲の床は濡れてしまう。
バケツの下に大きめのバスタオルを敷いてみても、マシになった程度。
そもそも飛び散ることの根本的な解決にはなっていない。
なんとか、床を濡らさずに垂れてくる水滴をバケツに入れる方法はないか。
解決の糸口は意外なところにあった。
地下鉄だ。
地下鉄の構内は、よく天井から雨漏りがしている。
その対策として、ホースなんかを天井から地面近くまで垂らしてバケツで受け止めているのを見たことがあった。
グーグルでも「地下鉄 雨漏り」で画像検索かけてみると出るわ出るわ。
地下鉄界隈では社会問題化しているのかもしれない。
とりあえず、ホースの代わりにビニールテープを水滴が漏れる箇所付近に貼って、バケツまで垂らしたら、想像通りの効果があった。
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最初は1ヵ所だけだったが、ほかにも水漏れが出てきたため、現在は3ヵ所で受け止めている。
先端にはサーキュレーターの風で揺れないように、重しとしての洗濯ばさみを装着
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しかし、喜びも束の間だった。
ある朝起きると、水がバケツから溢れ、床を濡らしていた。
もう、小さなバケツでは間に合わないほど、水量が増加していたのだ。
そこで5リットルは入るバケツに変えたが、それでもエアコンは水でバケツをどんどん満たしていく。
いつの間にか、朝起きたら7〜8割ほど満たされたバケツの水をベランダに流し、夕方前にもう一度、寝る前にも空にしておくというルーティンができていた。
水漏れはなんとか対処できそうなので、次はこうなった原因を追及。
まずエアコンから出る異音は、この頃にはなくなっていたが、リモコンで操作する際に毎回「診断H51」という表示が出ていることに気付いた。
説明書を引っ張り出して調べてみると「エアフィルターが正しく付いていない」「フィルター掃除ノズルの異常」と載っている。
フィルターは正しくセットされていたので、「フィルター掃除ノズル」、つまり「自動おそうじ機能」が作動している時に内部でどこかに引っかかるか何かしているようだった。
その時に出る音がアシュラマンの高笑いなのだろう。
音がしなくなったのは、エラーでエアコン側が自動おそうじ機能を止めていたからだった。
再び、クリーニングのお兄さんが言っていたことを思い出した。
「自動おそうじ機能が付いている機種は内部が複雑なんで、クリーニング代も割高になるんですよ~。故障も多いって聞きますね」
次にエアコンを買い換える時は、自動おそうじ機能付きはいらないと決意した。
話を戻すと、説明書には対処法として本体リセットボタンを押した後「手動おそうじ」ボタンを押し、おそうじ運転を動かしてみると書いてある。
その通りにやってみると、あのアシュラマンの高笑いが聞こえてきた後、エラー表示が出た。
エアコンの中を覗いてみたが、全然原因が分からない。
内部が複雑だからだ。
残された手段は、メーカーに頼ることだけだった。(続く)