RIP SLYME(と私)の20年
今から20年前の2001年3月、RIP SLYMEは『STEPPER'S DELIGHT』で華々しいメジャーデビューをしました。当時中学生だった私はこの曲でRIP SLYMEを知り、すぐにファンに。
それから20年間、RIP SLYMEを聴き続けてきた人生でした。
この記事では、そんな20年の中で思い出に残ったRIP SLYMEの曲を、12曲厳選してご紹介します。自分の個人的エピソードも織り交ぜて振り返っていきますが、どうかお付き合いください。
読んでくれた方がRIP SLYMEの思い出を蘇らせてくれたら嬉しいです。
衝撃のメジャーデビュー『STEPPER'S DELIGHT』
Spotifyで聴きたい方はこちら↓
2001年にRIP SLYMEは『STEPPER'S DELIGHT』でメジャデビューを果たしました。
聴き慣れないワードでノリのいいリズム、デビュー曲からアクセル全開でリップらしさをカマしてきた感じが最高にカッコいい。
多くの人にとって『STEPPER'S DELIGHT』といったら、NIKEのCM(2004年)でしょう。『STEPPER'S DELIGHT』の軽快なリズムの中でロナウジーニョが街中をドリブルするCMは最高にシャレていた。
(公式動画がないので、興味がある方は「NIKE いつか遊びがモノをいう」で検索してみてください。)
当時のサッカー少年少女たちはみんな『STEPPER'S DELIGHT』を頭に流しながら、ドリブル練習してたはず。
今でも色あせない『One』
『STEPPER'S DELIGHT』と同じ2001年。3曲目にリリースしたのが、代表曲『One』です。
メッセージ性がしっかりとあるんですが、押し付けがましさがなくって、何度聞いても心を軽くしてくれます。今聴いても色あせない名曲です。
練習し続けた『FUNKASTIC』
『STEPPER'S DELIGHT』でメジャデビューして、『雑念エンタテインメント』(この曲もいい!)、『One』ときて、次に出した曲が『FUNKASTIC』です。もう最強の流れですよ。
RYO-Zの勢いのあるラップでいきなり圧倒され、流れるようにILMARIのクールなラップ、場を明るくさせる”エントリーナンバー3番”のPES、エロさを醸し出すSU。当時の私は「かっこよさ」にふれた気がしました。
この頃はケツメイシやKICK THE CAN CREWも人気で、クラスではHIP-HOPブーム。その中でもとくに『FUNKASTIC』を歌えるやつがかっこいいとされていた。
夏の名曲『楽園ベイベー』
『FUNKASTIC』の次の曲が『楽園ベイベー』です。もう彼らの勢いは誰も止められない。
アラサーの人たちにとって、夏の定番曲といったらいまだに『楽園ベイベー』とケツメイシの『夏の思い出』ではないでしょうか?それぐらいこの曲は流行した。
定番なんだけれど、カラオケで歌うと意外と難しい(とくにRYO-Zパートが)。しかも、PESの下ネタの歌詞をちゃんと歌うかどうかで悩む。
真面目キャラだった中学生の私は、カラオケで友達が歌ってる時、このパートになると毎回ドキドキしてた。
性への刺激『JOINT』
2003年に発売されたのが『JOINT』。このMVでは、太ってきたRYO-Zがダイエットをする物語が描かれます。Youtubeもない時代に、RIP SLYMEはMVにとても力を入れていました。
当時の私は中学3年生。思春期真っ盛りだった私は、この歌詞の内容が気になって仕方がなかった。
「これってどこまでが下ネタなんだ?考え過ぎなのか!?」って思いながら、歌詞のエロさに悶々としてました。
恋に落ちた『Dandelion』
『Joint』の翌年、2004年に発売したのが『Dandelion』です。
リズムに合わせて外を散歩したくなるような、心地いい曲です。
そして、私はこの曲に出会って恋に落ちました。
相手はそう、MVに出演していた宮崎あおいさん。ドラマ「ケータイ刑事」などで少しずつ注目されていた当時19歳の宮崎あおいをRIP SLYMEはこの曲のMVに抜擢。高1だった私はこのMVを見て、彼女の可愛さに衝撃を受けました。(ぜひYouTubeを見てほしい)
あれから17年。「好きなタイプの芸能人は?」と聞かれたら、「宮崎あおい」って言い続けてきた人生でした。
そう答えるたびに「なるほどねー!(無難w)」みたいな反応されることが多いんですが、「いやお前ら『Dandelion』見たときの衝撃忘れたのかよ!あるいは『NANA』の時の可愛さをよ!」って心の中で叫んでます。
私の思春期はRIP SLYMEとともにありました。
帰りの一曲『黄昏サラウンド』
『Dandelion』と同じ年の2004年、秋に発売された曲が『黄昏サラウンド』です。RIP SLYMEは夏の明るい曲が注目されがちですが、メロウな曲も最高にいい。
郷愁を誘う歌詞とリズムが、1日の終わりをしっとりと肯定してくれます。
この時の自分は高校に入学し、親に頼んでiPodを買ってもらいました。
(画像はイメージ)
MDウォークマンからiPodへの乗り換えは衝撃でした。iPodに何曲も曲を入れて、毎日聴きながら高校に通ってました。
帰り道の定番は『黄昏サラウンド』とKREVAの『音色』だった。
やっぱ5人でなきゃ『ブロウ』
DJ FUMIYAが一時活動を休止していて、1年間ぐらいは4人で活動していました。DJ FUMIYAの復帰第1弾としてリリースされたのが『ブロウ』(2006年)です。
MVは自転車をテーマにしているんですが、5人乗りの自転車をDJ FUMIYAが1人で漕ぐシーンがでてきます。残りの4人は漕がずに楽しく歌ってる。
「DJ FUMIYAがいることで、残りの4人は自由にできるんだ」っていう表現になっていて、このMVを観た時は泣きそうになりました。
歌詞も新しいスタートを意識した内容になっていて、胸が熱くなります。
再び恋に落ちた『Tales』
(この曲はMVが公開されていないんです。ショック…)
2007年のアルバム『FUNFAIR』に収録されている曲が『Tales』です。
この曲は東京メトロのCM曲に使用されています。そのCMに出演していたのが、そう、宮崎あおいさんです。
当時の彼女は22歳ごろ。少し大人になった宮崎あおいに私は再び惚れました。
(気になる方は「東京メトロ TOKYO HEART」で調べてみてください。ほんとカワイイから。)
この頃の宮崎あおいさんは、映画『ただ、君を愛してる』に出演。
この映画を機に「やっぱ宮崎あおいってかわいいな!」って声を聞くように。私は「ほらみたことか!ずっと言ってただろおれは!」って叫んでました。心の中で。
そんな私は大学受験の浪人中。大学に行けば宮崎あおいみたいな彼女に出会えると信じて、勉強を続けてました。
先の見えない未来に不安を感じながら、『Tales』の歌詞をいっちょまえに自分の人生と重ねたりしてました。
リップの新しい夏『太陽とビキニ』
『楽園ベイベー』から6年。よりセクシーになったRIP SLYMEの新しい夏の曲が『太陽とビキニ』です。(2008年)
『楽園ベイベー』では、”キスマークだらけのイメトレ”をしていた若いRIP SLYMEも、『太陽とビキニ』では大人な夏を過ごしています。
確実にカッコイイ歳のとり方をしている。
そんな私は当時大学1年生。宮崎あおいみたいな彼女なんてもちろんできない。そもそも友達すらできない。『太陽とビキニ』みたいな夏遊びとは無縁の引きこもり生活をしていました。
人生の階段をのぼる『STAIRS』
2009年に発売された曲が『STAIRS』です。この時にはメジャーデビューから8年が経っていて、「RIP SLYMEが好き」って言うと、周囲からは「懐かしい!『楽園ベイベー』聴いてた!」なんて言われてしまうことが多くなりました。
そんな人にこそこの『STAIRS』を聴いてほしい。30代になったRIP SLYMEが少しずつ大人の道を登っているんです。
曲の始まりが渋いんです。
デビュー当時はやんちゃだったRIP SLYMEも歳を重ねている。いい感じに歳をとる彼らの姿に憧れました。
そんな私はこの時、インドの街中で泣いていました。
大学の夏休み、何もすることが無かった私は1ヶ月間インドをひとり旅してみることに。大学生らしいことをしてみたいと思ったんですね。インドに宮崎あおいなんていないのに。
はじめての海外ひとり旅。到着した空港でさっそくボラれます。タクシーに乗ったらスラム街みたいな場所に連れていかれて、ここで降りるかお金を払うかの2択を迫られます。
インドに到着して3時間、所持金の半分を失っていました。
その後も、寝台列車に乗ってたら靴盗まれたり、街中で全裸のおじさんに追いかけられたり、とにかく大変だった。
「なんでおれインドにいるんだろう…」ガンジス川を眺めながら、泣いてました。
孤独を紛らわすように、RIP SLYMEの曲を口ずさんでた思い出。
ちなみにこの頃の宮崎あおいさんは、映画『ソラニン』に出演。
日本になんとか帰国した私が、この映画を観て再び恋に落ちたことは言うまでもない。ギターを買って練習もしたっけ。(1ヶ月で諦めたけど)
どエロな歌詞もRIPが歌えばカッコいい『POPCORN NANCY』
2010年代に入ってからはソロ活動が活発になって、シングル曲はしばらく発売されませんでした。2013年にグループの活動を再開して、2015年に発表されたのが『POPCORN NANCY』でした。
この『POPCORN NANCY』って曲、めちゃくちゃエロいんですよ。
セクシーで自由奔放な女性”ナンシー”を歌にしているんですが、MVでこのナンシー役を演じたのが、なんと当時20歳の清野菜名さん。
RIP SLYMEならエロい歌詞もポップでオシャレな曲になってしまうから不思議です。フレッシュな女優を起用できちゃうぐらいに。
40歳台に近づいて大人の色気がにじみ出てきた彼らの魅力が存分にあらわれた曲です。
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その後、2016年に『Take It Easy』を発表。
そして、2018年に活動休止が発表されました。
5人の新しい曲はそれから聴けていませんが、現在も個人では活動をされています。
RYO-ZさんはSpotifyで映画感想のポッドキャストを配信されています。
PESさんはAwesome City Clubとコラボされたりと音楽活動を続けています。
自由で軽快なかっこよさを、今でもそれぞれ魅せてくれています。
RIP SLYMEと私の20年
記事のオチとしては、そんな自分が20年後の今、音楽で成功したり、宮崎あおいさんと仕事してたら綺麗なオチになるんですが、なんてことはない、普通の会社員をしています。
「RIP SLYMEが好き」って言うと驚かれるぐらい地味な大人になったけれど、自分の人生には確かにRIP SLYMEがいつも流れていました。
RIP SLYMEはいつも、ちゃんとカッコよくって、ちゃんと楽しそうだった。自分にとってRIP SLYMEは、「カッコイイのお手本を見せてくれる近所の兄ちゃん」で居続けてくれました。
現在は活動を休止していますが、これからもずっと彼らの曲を聴き続けていきたい。そして願いが叶うならば、いつかまたRIP SLYMEの新しい音楽を聴きたい。
RIP SLYMEが私の人生を照らし続けてくれた20年でした。
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