第3回べあー杯に出場した話(1)
こんにちは、EGPT(えじぷと)です。
2022年5月14日に東京レジャーランド秋葉原1号店で行われた、beatmania IIDXのチーム戦大会「第3回べあー杯」に、チーム「プリキュア」のメンバーとして出場しました。
まず、本大会主催のABEAR(べあー)さん、大会の円滑な進行を支えてくださった運営スタッフのJAXYAさん、SYRUPさん、PS8313さん、大会開催にご協力くださったレジャーランドの方々、解説のU76NERさん、#MA3#さん、そして遠方からお越しになった選手のためご支援くださった42名の皆様、本当にありがとうございました。
また、大会出場者の皆様、現地観戦にいらっしゃった方々、配信でご視聴くださった方々も本当にありがとうございました。
月並みな言葉ですが、多くの方のお力添えがあってこそ、このような素晴らしい大会になるのだと出場者の立場になってはっきりと感じました。
お陰様で、2022年5月14日は一生忘れられない1日になりました。
ということで、noteでエントリー前~大会本番にあった出来事の振り返りを書き記したいと思います。短くまとめようと努力はしましたが、案の定長くなりそうなので2部形式にします…
第1部は本番前日までの話となります。既に7,500文字近くなってしまいました…お時間のある際にご一読いただければと思います。
本戦のアーカイブは以下よりご視聴いただけます!(まだご覧になっていない方は是非…!)
エントリーまで
第1回べあー杯開催時
本大会にエントリーをしたきっかけは第1回べあー杯を視聴したことです。私が想像していた以上に盛り上がっている様子で正直驚きました。
視聴しながら、チーム戦だからこそ得られる体験に魅力を感じ、「第2回が開催されたらエントリーしよう」と心に決めました。
第2回べあー杯開催時
第1回開催から1か月半後、第2回べあー杯の開催告知が出ました。
早速私はべあーさんへエントリーの連絡をしました。
第2回は「個人応募」「チーム応募」の両方が可能でしたが、一旦個人応募で連絡をしたところ、べあーさんから「現在個人応募はEGPTさんしかいないので、チーム仲間を探した方が良いかも」との返答がありました。
基本的に人見知りな性格なのでこの時はちょっと焦りました…もし自分と同様に仲間を探している人がいたら検索で引っかからないかな?という思いで以下のツイートをしました。
幸運なことに、チーム仲間を探していたENMT!(えのもと)選手がこのツイートを発見してくださり、一緒のチームでエントリーすることになりました!
なお、この時は出場6チームに対し12チームの応募があり、抽選の結果我々のチームは落選となりました。
ただ「落選したチームで第3回を開催する」とべあーさんが仰っていたので、モチベーションを保ってゲーセンに通う日々を続けました。
そして、第3回べあー杯
第2回開催から1週間後(早!)、第3回べあー杯の開催日程が通達されました。
第2回にエントリーした際はチームメンバーとしてHERMIT選手が出場予定でしたが、第3回は都合がつかず…ということで、代わりに86*(はむ)選手が出場することとなりました。
そして、キュアえのもと、キュアはむ、キュアえじぷとの3人によるチーム「プリキュア」が結成されました。 (私も告知配信で初めてチーム名を知ったので、チームの命名理由については何もわかりません。えのもと選手がnoteで語ってくれると思います)えのもと選手が語ってくれました↓
えのもと選手: ズレハネ系も均等に降ってくる系の譜面もばっちり光らせる、最高のエンターテイナーかつ我らがチームリーダー
はむ選手: BEMANI PRO LEAGUE(以下、BPL)S2ドラフト候補に選ばれた度胸と根性の男、レベル12の物量譜面も「単発」と言って全部しばき倒す
EGPT: 単発力(自分の単発の定義は「レベル10まで」です…)とガチ押し力だけは参加者中上位かもしれない
3人の得意分野のバランスがわりと取れており、上手くかみ合えばワンチャン優勝もあるのでは?とメンバー間でテンションを高めていました。
出場カードとオーダー決定まで
出場カード決定
当初、はむ選手がいる時点で大将の難易度がレベル12のBブロックに出ようと考えていましたが、告知配信で対戦ジャンルが決まり話が変わりました。
Bブロック大将のジャンルにSCRATCHとSOF-LANが含まれていたのです。
特にレベル12のSCRATCHはチームメンバー全員が苦手でした…
他チームにSCRATCHを含めたレベル12を武器とする選手が複数人いることを踏まえ、Aブロックでの出場を希望することにしました。
Aブロック中でも対戦ジャンルが無難なBチームを第1希望としましたが、抽選の結果AブロックのAチームでの出場となりました。Bブロックにならなかったので我々としてはOKでした。
オーダー決定
対戦相手と対戦ジャンルは以下の通りでした。
第1戦: vs. 「北の国から」(99MOON選手、CIS選手、POSO*Y選手)
先鋒(レベル8-10): SCRATCH
中堅(レベル10): PEAK
大将(レベル11): PEAK第2戦: vs. 「べじたぶる倶楽部」(RAITO.選手、HIDEKA選手、X-JIN選手)
先鋒(レベル8-10): CHARGE
中堅(レベル10): NOTES
大将(レベル11): CHORD
主な特徴として、先鋒戦のジャンルが「SCRATCH」「CHARGE」と癖が強めであることが挙げられます。逆に中堅・大将は癖の少ないジャンルが並んでいました。
このことから、えのもと選手・はむ選手が「単発(EGPT定義)を練習」するより元々このレベル帯を得意と自負している自分が先鋒を担当する方がいいのでは?と考えました。
ただ、2人に2戦とも中堅・大将という重要な役割、及び膨大な数の課題曲を押し付けることになるので躊躇いもありましたが、2人とも「先鋒より中堅・大将希望」だったので揉めることなくオーダーが決まりました。
(この時は自チームの最適解を考えるのを優先していて、相手のオーダー予想はあまりしていませんでした…)
結果、以下のオーダーに決定しました:
第1戦: 先鋒EGPT、中堅えのもと選手、大将はむ選手
第2戦: 先鋒EGPT、中堅はむ選手、大将えのもと選手
べあー杯前日まで(対策と練習)
オーダーが決まってからは早速担当ジャンルの練習を開始しました。
中堅・大将を務める2人の負担ができるだけ軽くなるように、2戦とも先鋒で2タテすることを目標にしました。
ほどなくして対戦相手が1戦目CIS選手・2戦目X-JIN選手と判明し、相互ライバル登録をして2人のスコアを意識した練習をしていきました。
ブロック戦共通の対策
課題曲全部やる、全部勝つ
CIS選手・X-JIN選手ともに物量譜面の地力は私より数段階上の方なので、2タテするためには課題曲の理解度と精度で上回る必要がありました。
担当課題曲は2ジャンル合わせて37曲と少なく、練習期間で全曲やり込むことは十分可能でした。
※例えば1戦目の中堅PEAKは課題曲が72曲ありますが、私は2戦分合計でその半分です
課題曲1つ1つを反復練習しながら譜面の特徴を理解し、最適なオプションを見極めていきました。
そして相手に「投げる曲がない」と思ってもらえるよう、ライバル挑戦状を毎日チェックし、本番前に自己ベストで負けている曲が1曲もないように全曲の自己ベストを詰めました。
普通に性格悪くなってました。本当にすみませんでした。本番想定の練習をする
自己ベストで勝っていたところで、本番負けることは普通にあります。
実際BPLでもそういった事例は多くありました。
そのリスクを減らすよう、自選候補曲及び対戦相手が投げる可能性が高いと判断した曲については本番想定の練習を積みました。
主に何をしたかというと:ノーアップ状態での練習
エリナ杯前の練習時と似ていますが、「1クレ1曲目に自選候補曲を選び2曲目に他選候補曲を選ぶ」、「1クレ目からローカルアリーナモードを選択し自選or他選候補曲を選ぶ」練習をしていました。
これにより、ノーアップ状態での各譜面の見え方や注意点、スコアのアベレージを把握することができました。A1-A2プレイヤー相手の疑似練習試合(オンラインアリーナ)
練習期間はオンラインアリーナ開催中であったこと、べあー杯はエリナ杯よりアップの時間を多く取れることを考慮し、「ノーアップローカルアリーナ」にこだわらず、2クレ目以降普通にオンラインアリーナに入って候補曲を選ぶことも練習の一環としました。
強豪プレイヤーに候補曲を投げてみることで、その曲がどれほど通用するのかを知ることができました。
「アリーナでEGPTとかいう奴がよくわからん単発投げてきた」という方、本当にすみませんでした。会場での練習
CIS選手とはエリナ杯で初めて知り合ってお話をしたのですが、その際「レジャランは自分のホームグラウンド」と話していたのが印象的でした。確かに会場への慣れは大事だと私も思いました。
ということで、何度かレジャーランド秋葉原1号店に向かい練習をしました。第2回べあー杯を現地観戦して本番で使用する筐体がどれか把握していたので、その筐体が空いた際は課題曲の練習を積極的に行いました。
先鋒SCRATCHの対策
先鋒SCRATCHには自信のない曲が多くあり、特に以下の4曲は練習開始時点でMAX-表示を出したことがなくヤバイと思っていました。
Watch out!!
Close my Eyes for Me
Hella Deep
Really Love
練習をしながらギアチェンの方法や自分に最適なオプション、そして叩き皿の感覚を掴むことにより、なんとか全曲MAX-表示を出すことができました。
ただ、Really Loveは不規則なスクラッチのリズムを光らせる感覚を掴めず、ストレスを溜めていました。
そして、練習期間中レジャーランドでCIS選手とお会いした際「Really Love全然安定しないんですよね~」とつい漏らしてしまいました。(あえて言ったのではなく本音です。ピュアか?)
結局その後も自己ベストを伸ばせず、さらには決め打ちオプションのミラー譜面に癖がついてきたので不安は増す一方でした。
Really Love以外で投げられたら嫌だったのは以下の曲でした。
WAR GAME
自己ベストはMAX-14まで伸ばしたが、CIS選手もMAX-28と高く一発勝負でひっくり返る可能性あり。
本番ではFAST連発や、スクラッチ+同時押しの押し損ねが発生しそう。rottel-da-sun
BPMが速く要求される地力が課題曲の中では比較的高い。
ミラー譜面で決め打ちしていたが、本番CIS選手がランダム当たりを引くと厳しくなる可能性がある(アベレージはMAX-35前後)。
自選曲については、自分が得意なBPM120-140帯で、スクラッチも叩き皿で対応できるspin the disc・route 80sを候補とし、自己べスト詰めや本番想定の練習を行いました。spin the discは東京都TOPを取れてびっくりでした
先鋒CHARGEの対策
オーダー表通達から間もない頃、とある方のツイートでX-JIN選手が課題曲のPsycho Sheep RiddimでMAX-12を出している画像が流れてきました。
同曲のX-JIN選手のゴーストグラフを確認すると、オプション欄が「非表示(→正規譜面)」でした。固定オプションでこの高スコアはかなり脅威です。
自分も正規譜面をプレイしてみましたが、普通に押し辛くてMAX-12は到底出ず、癖もつきそうでした。正規譜面の形を見てR乱で攻略することにし、自己ベストでなんとかMAX-10を残しつつ、10回前後練習をして序盤のトリルが押しにくい形でも一応光らせられることを確認しました。
アベレージはMAX-14~20で、本番でX-JIN選手が自己ベストを出さないことを祈るしかないという感じでした…
他の曲に対しての警戒も外さず、まんべんなく練習をしました。
Psycho Sheep Riddim以外で投げられたら嫌だったのは以下の曲でした。
Donkey Donk
自己ベストが(たしか)3点差。お互い正規譜面でプレーすると予想されるが、トリルなど事故要素が多く心臓勝負となりそう。GRADIUS 2012、soldier's waltz
要求地力が課題曲の中では高く、BPMも速いので本番指が動くか怪しい。どちらも正規譜面が押し辛いためランダムを使用するが、配置が外れれば外れるほどX-JIN選手との地力差で押し切られるかも。
自選曲については、まずBPM140と得意領域で正規譜面が押しやすいOUTER PLANETSを仕上げていました。その後、BPLのセミファイナルステージでFRIP選手がMiami Sunset Driveを正規譜面でプレイしていたのを見て試したところ、一発でMAX-10が出たため自選候補に追加しました。
2曲とも「一発スコアが安定すること」「アリーナで精度が高いプレイヤーにも勝てること」を確認してからは、癖がつかないよう一切プレイしませんでした。曲が良すぎるので家では何度も聴いていました。
準決勝以降の対策
準決勝のオーダーは先鋒EGPT→中堅えのもと選手→大将はむ選手でほぼ決まっていました。
(ブロック戦で2戦とも先鋒EGPTだった+はむ選手に12をプレーさせたい)
よって、先鋒で出場する前提で準決勝以降の対策を検討しました。
準決勝以降対戦相手となり得るBブロックの各チームについて、以下の選手が先鋒で出場すると(私の中で勝手に)予想していました:
「出張!上野動物園」→*WOOL*選手
「gradation」→KRAG20選手(HITA*選手の可能性もあり)
「パワー」→ZEXX選手
まず自選曲ですが、ここで本大会のレギュレーション上、ブロック戦で先鋒SCRATCHとCHARGEを担当したことが準決勝以降大きなアドバンテージになると考えていました。
Bブロックの先鋒戦のジャンルにSCRATCH・CHARGEはないため、Bブロックの選手は同ジャンルの課題曲を完璧には練習できないと予想されます。そしてこれらのジャンルは譜面の難所や最適オプションを把握していないとかなり不利になる譜面が多くあります。
ということで、「gradation」「パワー」と対戦する場合は、先鋒SCRATCHの課題曲を選曲する予定でした。「出張!上野動物園」と対戦する場合は、*WOOL*選手のSCRATCH力が非常に高いことを事前にライバル登録した際に把握できたため、先鋒CHARGEの課題曲を選曲する予定でした。
※決勝に進んだ場合ですが、私が先鋒と大将で出場するパターンが有効なのでは?と本番1週間前にはむ選手とお会いした際話していました。
(第1回べあー杯のチーム「中間管理職」のような戦略ですね)
その場合大将戦でエリナ杯でも投げたHeavenly Sunを投げるつもりでした。
他選曲については、相手の選曲を読み切るのは難しいと考えていました。(そこにリソースを割けなかった)
ただ何もしないとエリナ杯の二の舞になってしまうため、可能な範囲でやれることを考えました。
結果、以下の負けパターンをなるべく回避することを考えました:
ソフラン曲の対策不足で事故って負ける
先鋒SOF-LANの課題曲や、VJ ARMY、CradleなどSOF-LAN以外のジャンルに存在するSOF-LAN曲の対策を一通り行いました。NO PLAYの曲を投げられてなすすべなく負ける
レベル8-10のAnother譜面でNO PLAYの曲が70曲以上あり、練習期間中に全曲触るのは私には無理でした。曲を知っていれば多少勝率が上がるか?と考え、とりあえずNO PLAYの曲をリスト化し、家で一通り聴き漁りました。譜面の癖が強い曲のみ予習したうえでゲーセンで練習していました。
本番で選曲された曲のうちBAD BOY BASS!!と大桟橋はNO PLAYでした…もし私に投げられていたら…あまり自信ないっすね…
チーム全体
練習期間中は、TwitterのDMグループで3人で自選曲や相手の弱点等について話し合いながら、自選候補曲のリザルトを貼り付けて互いを褒め合っていました。えのもと選手、はむ選手の自選曲選定の背景や対策法については各々が語ってくれそうなので省略しますが、2人とも中堅の自選曲を急遽変更したり、悩んだりしていた印象が強く残っています。
今思えば、もう少し視野を広げて、良さげな曲を探して2人に提案してみてもよかったなあという気がしています。
(discordなどより良いツールを利用していたチーム、優秀です。
あと、相手チーム全員のスコアを収集していたチームも優秀すぎます。
我々、そこまでしていません…)
余談
GW期間は毎日のようにゲーセンで練習していましたが、手と目の疲労が蓄積した+先鋒戦対策で打鍵に力を入れすぎる癖をつけてしまったことでレベル12が日に日に押せなくなっていました。先鋒戦の課題曲に大きな影響はなかったのでTwitterで不調アピールだけしていました(意味ない)が、疲労を溜めないことと脱力して打鍵することがいかに大事か痛感しました…GW明けに休息を取ったら元通り押せるようになりました。
第1部のまとめ
第3回べあー杯、エントリーまでも紆余曲折ありました
ブロック戦は「2戦とも先鋒で2タテ」を目標に、対戦ジャンルの全課題曲を全力でやり込みました
べあー杯のレギュレーション上、準決勝以降もブロック戦の練習が生きると考えていました
チームでワイワイ対策などを話し合っているだけでもう楽しかったです
ここまで読んでくださった方本当にありがとうございました。
大量の自分語り&長文&乱文失礼いたしました。
第2部(大会当日編)に続きます↓