Vol.13ステッチ幅のお話し
今回はステッチについてのお話しをしようと思います。
意外と皆さん気にしていないところだと思いますが私がモノ作りする際にはかなり悩む部分でもあります。
ステッチの種類により洋服はかなり表情を変えます。
まず糸の太さなんですが洋服では主に8番から50番の糸を使用します。数字が小さいほど糸は太くなります。
ワーク色のかなり強いモノは稀に6番を使用する事もあり、デザインモノなどでは意図的に極太の0番糸というタコ糸みたいに太い糸を使用する事もあります。ただしこの辺りの糸はかなり特殊な糸で使用出来るミシンも限られます。
EGOTRIPPINGでは主にワーク色の強いアイテムに6番、8番、20番、30番の糸を使用し綺麗めなアイテムには50番の糸を使用してます。
糸が太くなればなるほどワーク、アーミー系のカジュアルな雰囲気が増し、細くなればなるほど綺麗めな上品な雰囲気に仕上がります。
次にステッチについてですが主にコバステッチ、シングルステッチ、ダブルステッチがあります。コバステッチは生地と生地のハギ合わせた箇所のギリギリを縫ってあるステッチになります。シングルステッチは生地と生地のハギ合わせた箇所から少し距離をとった箇所を縫ってあるステッチで、その幅により3mmステッチ、5mmステッチなどと言い、デザインにより幅を変えていきます。ダブルステッチは生地と生地のハギ合わせた箇所ギリギリとそこから距離をとった二本のステッチの事を言います。ダブルステッチもミシンの種類やデザインにより幅を変えていきます。
基本ステッチなし→コバステッチ→シングルステッチ→ダブルステッチの順に綺麗めからカジュアルな雰囲気な仕上がりに見えていきます。
持っている服を見て頂くと分かると思いますがフォーマルなスーツなどはほぼステッチが入ってません。軍物やワークウェアーなどにはダブルステッチのモノが多いと思います。
この様にステッチ一本とっても仕上がりの雰囲気はガラっと変わってきます。結構ステッチまで気にしないデザイナーも多いですが私がデザインする服では凄く気になる箇所の一つです。ステッチ幅だけで半日机でぼーっと考えてる事もあります。
今回こんなステッチの拘りについてお話しましたが一度お手持ちの服をこんな視点で見るとまた違った見え方するのかもしれませんね。
たかがステッチ、されどステッチです。
EGOTRIPPINGの服はステッチ一本まで気にして作ってんだぞ~というお話しでした。
ではでは
JUN