70人裏垢不倫夫の犯行手口がヤバすぎた話① ~気合の入った応募フォーム~
今回は少し時間を巻き戻しまして、弁護士を探す話の一歩手前の「証拠を集めて資料を作っている時の話」を書きたいと思います。この時期の地道な探偵活動により、犯行内容がかなり明確になってくるとともに、マジでこいつ頭おかしいなと思ったのが懐かしいです。(棒読み)
このシリーズでは注意喚起も兼ねて詳しい犯行内容も記載しますが、これ読んでる裏垢のみなさんはこんな馬鹿事例を絶対悪用しないように。一寸先は逮捕ですからね。見てますよ私が。
なぜ証拠を集めるのか
不倫発覚から約2週間後、相変わらず私はひたすらに不倫の証拠をまとめた資料を作成していた。なぜ証拠をまとめようと思ったかというと、理由が二つある。
まず1つ目としては、単純に「事実を解明したかった」からだ。
2010年4月に夫と知り合って以来、約11年後の不倫発覚前日まで、私は夫のことを「真面目で堅実な性格」の「ごく一般的な男性」だと思っていた。なんならさらに学生時代から彼を見てきて「人並みに倫理観を持ち合わせた人物」であるとも認識していた。いやもう全然違ったんだけど。
少なくとも、ここ4年間ほど私が見てきた彼は虚構だった。それを私が受け入れるためには、事実をはっきりさせて夫の犯行と夫の実態を明るみにするしかないと思ったのだ。その上で「離婚する/しない」などの大きな判断をしたかった。
2つ目は、「弁護士依頼を想定していた」ためだ。
出来事が明るみになるにつれて、あまりの犯行のヤバさに「素人が事件を解決まで引っ張っていくのは無理だな」と限界を感じ始めていた。
しかも義父の対応を見る限り、義実家サイドは「egoを脅して黙らせて息子の名誉を守った上で、慰謝料は払わず離婚届に判を押させてこのまま逃げ切りたい」と思っている。
当初、あれでも一応穏やかに事を進める温情があった。(もともと義実家を召喚したのは、ボコボコにしたかったからでなく、ショックで夫が自殺しないように保護してもらう目的である)でも、ここからは遠慮していたら潰される。ましてや相手は法学部出身で、私よりも知識がある。
そう考えると弁護士依頼は必然的なのだが、弁護士の仕事はあくまで「交渉」だ。証拠を集めるのは弁護士の仕事ではない。
交通事故が起きたら、警察に連絡し、現場検証をしてもらう。でも不倫事件は、このプロセスがざっくりない。つまり、現場検証=証拠は依頼人が用意しなければならない。
現実は厳しい。防犯カメラから執念で真犯人を見つけてギャグをかます松潤(99.9)もいなければ、捜査のために結婚式場に潜入してウェディングドレスを着るウ・ヨンウもいない。現実世界の弁護士は1件ではなく並行して数十件の事件を抱えていて、その中でもダントツでどうしようもない部類に入るであろうこんな下半身の事件で長時間振り回すことはできないのである。
犯行手口をまとめる
証拠を集めてまとめるにあたり、やはり大きいのは「どのような犯行手口であったか」だ。愛人が2、3人いたみたいな話ではない。規模が大きすぎる。弁護士に説明するのも一苦労である。
まずざっくりと「夫が女性と会うまでの犯行手口」を復習してみよう。
ここまででもうお腹いっぱい、または着いてこれていない人は安心してください、私もです。そしてここから先、人生においてプラスになる情報は一切ないことを保証します。
さて、上記のプロセスを見てみるとホテル以外の不倫の舞台としては以下の3つの媒体となることが分かる。
・Googleフォーム:浮気相手の応募情報
・TwitterDM:浮気相手の情報、やりとり履歴
・Twitterツイート:動画等の成果物(※GoogleDriveにも保存あり)
これを整理して、1件ずつ不倫事件の詳細をまとめて行くことにした。
そう書くと簡単なのだが、マジでしんどい。
まず、GoogleフォームにもDMにも、300人くらいの情報があった。
実際に不倫行為を私が発見できたのは約70人なので、300人の中には実際に性行為に至った人も、そうでない人もいる。
つまり、この中から実際に浮気相手を探し、整理する必要がある。
性行為に至ったかどうかは、夫のGoogleアカウントに保存された動画・写真と、Googleフォームの応募情報、TwitterのDMの内容を繋ぎ合わせて見ていくしかない。
夫は几帳面な性格なので、ひとりずつ整理番号でも降っていないかと期待したのだが、残念ながらそれはなかった。(本人曰く「一期一会のつもりだった」らしい。風流な言い方するな)そのため、アナログに1件ずつ精査していくことになった。事件の時間軸を把握するために、エクセルでフリーの年間カレンダーを数年分ダウンロードし、実行日毎に浮気相手の情報を入力していく。
まさかここでオタクならではのエクセルスキルが役立つとは、人生分からないものである。
革命的Googleフォーム
まとめるにあたって、最も面食らったのはGoogleフォームである。
そもそもGoogleフォームとは、アンケートやイベント申し込みなどのフォームを誰でも簡単に作ることができるツールだ。集計した結果をエクセルに落とすことができる。Googleから無料で提供されていて、私もオフ会などで使うこともある。
しかしながらまさか不倫のツールとして使われるとはGoogleもびっくりであろう。
では、実際にどんな感じで悪用されていたのか紹介しようと思う。
今から「絶対に笑ってはいけないGoogleフォーム」が開幕するので覚悟して見て欲しい。
まず夫のTwitterアカウントのリンク欄には「密会計画はこちら」とURLが貼ってある。「密会計画」というパワーワードだけでもダサくて涙が出そうなのだが、矢印の下にあるリンクを開くと、「㊙○○(本名)の密会計画㊙️」というタイトルのフォームが立ち上がる。フォームの説明文はこんな感じ。
同時代を生きてきたとは思えない破壊的なセンスにこの時点でPCを叩き割りそうになるが、つまりこのGoogleフォームは「浮気相手が応募してくるエントリーフォーム」になるという訳だ。
つまり、夫は女性をネットで物色していたというより、相手が自然に応募してきたのを食っていた、ということになる。もはや食虫植物である。すごいのは、これに応募してくる人がいる信じがたい事実なんだけど。
では、応募者はどのような項目を入力するのか見ていこう。
意外とまともにアンケートっぽいものを作ってるじゃないかと思ったら、急に現れる「胸のカップ数」の破壊力である。そしてこだわりは一切ないといいつつ、カップ数への執着がすごい。黙って自分の尻を揉め。
ここまで散々「密会」という言い方でこの反社会的な行動をぼかして表現してきたのに、ついに「オフパコ」の記載が出てきた。そもそも密会ってなんだよ。ネットで全世界に配信してるだろうが。
29歳上場企業勤務サラリーマンが「ホテル代」「🙏😭」は情けなさ過ぎるので本当に勘弁してほしいんだけど、マジでどういうこと??
どうもこの夫、ホテル代をケチっていたらしい。しかし当時を振り返ると、本人が自由に使える金銭は潤沢にあったはずだ。我が家は小遣制ではなく歩合制だったので、私より収入の多い夫は毎月20万円ほどの自由な手持ちがあったはずである。さらに夫は、一時期会社から支給されていた単身赴任手当を私に申告せずにポケットに入れていたので、プラス約4万円/月ほど使えた計算になる。
泣いて手を合わせてまで(絵文字がだけど)何に使ってたんだろう。
実際浪費していたのか、単に節約していたのか真相は闇の中である。
「最後に一言!」の自由記述が終わると送信するようになっており、次のページで「ご記入いただきありがとうございました😊早くお会いできますように😉」の表示がでる。マジでウインクやめて欲しい。
どんな人が書き込んでいるのか
これに書き込む人間の気が知れないのは置いておいて、実際にどのような書き込みがあるのか見ていきたい。記入者はざっくりと2つの属性に分けられるので、「自由記入欄」の記載を見てみたい。
まず1つ目が「お前も変態じゃねえかパターン」である。
これでもマイルドなものを選んで掲載している。なんというか、もう性癖の自己開示とハートとよだれの絵文字が飛び交う変態パラダイスである。Twitterのアカウント情報を見てみると、下着やらコスプレやらもはや裸やら、自らのエロ写真を載せているような者もいる。どうしたんだお前ら。速やかに服を着て帰宅して欲しい。
2つ目の属性は「相談する相手間違えてるよパターン」とでもいえようか、以下の感じ。
相談する場所を間違えている。本当に落ち着いて欲しい。ココアでも飲みながら阿佐ヶ谷姉妹のネタ一緒に見よ???
ネットで知り合った顔も知らないクソ変態(しかも実態は性病持ちの薄らハゲ)に対して何でこんな切実な相談をするんだろう。こういう書き込みを見ている内に、日本の性教育の敗北過ぎて落ち込んできたのだった。
以下、もし上記のように「性経験が少ないことが恥ずかしい」という悩みを抱えている人が読んでいる可能性を考えて、私が伝えたいことを書いておきます。
***
実はその後、私は事件の実態を探るべく、浮気相手の方にコンタクトを取っている。その中の何名かの方には実際にお会いしお話を伺ってきた。
結論から言うと、性経験が少ないことを理由に夫と会った、というタイプの人は、ほとんどの方が良い思いをしていない。それはそうだ。だって冷静に考えて欲しい。ネットに自分の裸をアップする変態である。
どう考えてもやばい奴が来るに決まっている。
夫に会って、かなりの恐怖感を抱いた人もいる。多くの人がその後夫と連絡を断っており「なぜこんな馬鹿なことをしてしまったのか…」とかなり後悔されている。連絡を断った後も、いつか動画や写真がばら撒かれたらどうしようと、不安な日々はずっと続く。私と話している内に泣き出す人もいた。
残念ながら、変態はネット上にたくさんいる。
もし、少しでも興味を持ってしまっても立ち止まって考えてみて欲しい。
ネットに自分の裸をアップする人間に近づきたいか?
そんな倫理観の人間と密室で裸、相手がナイフを出して来たらどうするか?
相手が実は性病に感染していて、自分にも感染したらどうするか?病気について、家族や学校・職場になんて説明するのか?(実録だよ)
またしばらくたって、「妻」を名乗るやばいTwitterアカウントから連絡が来たらどうするか?(実録だよ)
そんなリスク背負ってまで踏み出す価値がある?
正直、1人で星野リゾート行っちゃう方がよっぽど人生の新しい扉が開けると思う。(これは本当に楽しいのでおすすめ)
30代になってもまだまだ新しい扉が無限にあると最近常々思う。
あともうひとつ。
そもそも「性経験がないことが恥ずかしい」という考えが、本当に自分自身の価値観なのかも振り返って欲しい。男権社会でかなーり昔に定義された価値観を気づかない間に刷り込まれているということはないだろうか。
国の偉いオジサン達はすごい無責任に「恋愛して結婚して子供産めそれが男女ともに幸せだよ~」って言ってくれるけど、その期待の延長線上に「性経験がない」ことを馬鹿にして責める価値観が醸造されてしまっていうのではないかと思う。
(出生数を増やしたいのならばシンプルに子育て支援に注力する方向で考えて欲しい、ちゃんと納税するので。)
モテたい!ヤリたい!が自分の大事な価値観だったらそれでいい。
でも、暮らしや趣味や仕事を大事にするもっと別の価値観もあって良いし、性経験なんて本当にどうでもいいと思っている人は世の中にいっぱいいる。
どうか自分を大切にして、後悔のない人生を生きてください。
(追加:続きを書きました。こちらからどうぞ!)
noteをお読みいただきありがとうございます。♡を押していただけると大変励みになります!引き続き頑張って書き切りたいと思います。