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「女性ならでは」の経営
沖縄タイムスのコラム「オフィスの窓」
2023年4月16日〜9月3日の間で全5回連載。
今回は第4回目のコラム連載を掲載します。
今、私の周りには自らの手で事業を営む女性が数多くいます。観光業だけでなく、小売業や製造業など、業種はさまざま。今日は、少し視点を変えて「女性経営者」に注目し、事業を営む上での「女性ならでは」ってどんなことなのかを実体験からひもといてみたいと思います。
先日行われたセミナー「沖縄インバウンド観光復活に向けた提言」で、講師の原忠之博士(セントラルフロリダ大学ローゼン・ホスピタリティ経営学部テニュア付准教授兼ディックポープ観光研究所上席研究員)がこんな知見を示していました。
「世界で初めて組成され成功事例となっているオーランドDMOでは、幹部の7割が女性。DMOの本質は旅行代理店の送客依存からの脱却と、独立した地方財源の確立である。これらの実現には自分たち自身で顧客層ニーズを聴いて解決案を創り出すマーケティング発想が重要であり、ゆえに女性が活躍しやすい」と。
この話を伺って、ご予約希望のお客さまと事前にメールなどでやりとりをし、20以上ものアクティビティから1組ごとに最適な旅程を組むことできめ細かいニーズに対応する「やんばるホテル南溟森室」のやり方は、女性的なのかもしれないと思いました。
実際に経営会議で「手間をかけ過ぎているのではないか」と男性出資者の方から指摘を受けることもしばしば。ですが、私たちは生まれ育った地域の素晴らしさを未来につなぎたくて、大切に思ってくださる方を増やしたくて事業を営んでいるので、ただ集落で宿泊サービスだけを提供する気持ちにはどうしてもなれないのです。
もうけるための「HOW?」を軸に判断したら間違っていることが、事業の存在目的である「WHY?」を軸にしたら正解になる。やんばるの他の女性経営者たちも、生きてきた中でそばにあった大切なものを大切にするために経営をしています。こうしたあり方も、女性ならではなのかもしれません。(やんばるホテル南溟森室運営会社Endemic Garden H 代表取締役)
仲本いつ美 連載