【Smart PillCase】ピルケース×IoTで自動服薬管理システムを開発しました!
自己紹介
私たちは九州大学システム情報工学府人間情報システム研究グループに所属している大学院生です.研究室ではIoTデバイスや無線機器の通信データ・機械学習を用いて,人間の行動認識を行っています.
開発したピルケースの概要
Leafonyという2cm角の超小型・低消費電力のマイコンを用いて,服薬管理ができるデバイスを開発しました.ピルケースの蓋にLeafonyを取り付けることで照度センサが蓋の開閉を検知し,LINEボットと連携することができます.
ピルケースは上図のようになっています.蓋の部分にLeafonyの照度センサを取り付けるとともに,LTE-M リーフを取り付けることで持ち運びできるようにしました.また,ピルケース本体は3Dプリンタ作成し,横6.8cm・縦8.6cmとなっています.また,ケース下部には電池収納ボックスとなるよう設計し,Leafonyに電源を供給します.
システム構成
システム構成は下記のようになっています.
システムの特徴
タイマー設定
LINE Botを用いて服薬のタイマーを設定することができます.設定したタイマーはクラウドデータベースであるFirestoreで管理され,LINEボットの通知に使用されます.
服薬のリアルタイム検知
4-Sensors リーフの照度センサを用いて蓋の開閉を検知します.そして,LTE-M リーフを用いて,クラウド上へデータを送信し,LINEボットで通知を行います.
服薬のリマインド
タイマー機能で設定した時間に服薬することをLINE Botを用いて通知してくれます.これにより,薬の飲み忘れを防止することができます.またリマインドには定刻服薬通知と飲み忘れ通知があるので,下記に説明します.
定刻服薬通知
タイマーに設定された時間になると「お薬を飲む時間です。」とメッセージが送信されます.
飲み忘れ通知
タイマーに設定された時間から15分後と30分後に,ピルケースが開閉状態をデータベースに記録されている値を参照し,開閉された記録が無ければ,服薬を催促するメッセージを送信します.
服薬ログの確認
スマートピルケースのセンサデータを記録して,LINEbotから服薬履歴を振り返ることができます.これにより,服薬したかを忘れた際に,服薬記録を振り返ることができ,重複服薬を防ぐことができます.
最後に
本記事ではピルケースの蓋の開閉を検知して自動服薬ができるSmart PillCASEを紹介しました.今後はピルケース自体にもフィードバック機能を追加し,服薬を習慣化できるような仕組みづくりの取り組んでいきたいと思います.