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『折原伊桜』、その存在について。エピソード2


続きです。

シリーズ物の映画でも「2」って「起・承・転・結」の「承・転」を受け持ち、様々なエピソードが複雑に絡んで次へ期待を持たせて終わるじゃないですか、今回はそんな感じです。個人的エピソードも絡んで重い(キモい)です。

5人新体制のお披露目

2021年1月24日、渋谷CLUB QUATRO。
いよいよNightOwlは5人体制のお披露目公演を迎えた。前回書いたように、通い始めてからまだ日が浅いところで人数が増えることに一抹の不安が無かったわけでもない。でも、憧生誕のときに伊桜が話してくれた
「まぁ3人じゃなくなるのは寂しいけど、伊桜は変わらんし。多分もっとNightOwlは良くなるから」
という言葉を信じて開演を待った。

(まだこの頃伊桜さん言うてる…)

新メンバー2名を加えた5人のパフォーマンスは初見からレベルが高かった。ステージを広く使い、スケールの大きくなったフォーメーションとダンス、覚悟を決めたような伊桜の歌唱、そして、この頃から”All Night Long”の最後に伊桜が振り上げた手を握り、震えるほど力を込めて想いを込めるように胸元へ下ろす姿が印象的になった。

スクリーンショット 2022-06-05 15.14.41
グッと握った拳を胸元へ。

fix you

そして開催された5人体制ワンマン ”fix you"。

画像2
新アー写もビビッドで素敵。

初日は梅田クアトロ
なんと整番が一桁で、最前で見ることができた。

しかし、規制退場の最後になり、さらにランチェキ買うのに並んでから伊桜列へ行ったら、ちょうど目の前で終了になるという事態に...。それでも気づいてくれて声をかけてくれたのが嬉しかったし、さすが王!ってなった。

2公演目は渋谷O-WEST
この日の模様は、NightOwlのYoutubeチャンネルでも一部ライブ映像を見ることができる。
1月のお披露目から半年経った5人体制のパフォーマンスは、成長が素晴らしく見入ってしまった。最後の"Answer"の2コーラス目「7月は一緒に星を見ようって 君とした”約束”を〜♫」のところで伊桜が小指を立てて「約束」ってするんだけど、この日はたまたま目が合ってこちらも小指で「約束」ってできたのがハイライト。

さくらの見せた涙の意味は…
fix you東京公演の終盤、歌い、踊りながらさくらがポロポロと泣いていた。それはそれは素晴らしいステージだったので、その時は達成感と相まって感極まって泣いているんだと思っていた…

折原伊桜が歌ってみた

NightOwlの折原伊桜はグループとしての歌割りもあり、1曲フルで伊桜の歌唱を聴けることはない。その夢が叶う、リミッターを外した伊桜のボーカリストとしての成長も見られる素晴らしいコンテンツ!
折原屋はもちろん見ているよね!?どの曲も完成度が高く、アニソンが多いのでアニメ好きな人も入りやすいと思う。

記念すべき一発目は当時大ヒットしていた呪術廻戦の主題歌「廻廻奇譚」。展開やテンポが速いこの楽曲を、リズム感良く乗りこなしていて、正直ちょっと甘く見ていた(すみません。この手前までに歌ってみたを投稿したのはTwitterでワンコーラスだけ、とかだった)ので、かなり衝撃を受け、それ以降公開される度にリピートし続けるヘビーリスナーになった。

Youtubeの歌ってみたの前はTwitter上で「折原歌謡ショー」と称して、弾き語りで歌ってみたこともあります。(空色デイズはぜひ今後フル歌唱で聴きたいものです。)

オンファイのこと

「オンリーファイブ」というサービスがある。(略してオンファイとか5限とか呼ばれる)写真や動画を売るサービスだが、1つの投稿につき5人しか購入できないというルールがある。この「5人限定」というのがミソで、オタク心をくすぐられる。推し、好きなアイドルのここでしか見られない写真や動画、メッセージを自分宛てに個別にもらえるのだ。ある意味個人向けNFT。人気がある人だと、たいていが投稿即完売になる。

タレント、アイドル、レイヤー、モデル等など、たくさんの人が掲載している。人によっては、オリジナル写真や動画を送るだけのものもあるが、伊桜が送ってくる内容のホスピタリティは凄まじかった。
静止画写真の場合は拡大しないと見えないサイズの文字でびっしりメッセージを書いてくれるし、動画の場合は、特典会の時間では話しきれないような話題や細かい話をしてくれる。

いおぴのオンファイもご多分に漏れず即完売が常だけど、これはもう縁と思って、たまたまスマホいじってるときに通知が来て買えたらラッキー程度にとらえている。それでもストック(メッセージがまだ送られてきていない投稿)がゼロになると不安になり、抑えておきたくなるのがオタク心。なぜなら、ストックがすこし溜まっていたりすると、特別なライブや良いことがあった後に、それについての感想を交えてリアルタイムなメッセージがもらえたり、複数枠を使って長い話題を話してくれたりするからだ。もちろん何でもない日に何でもないメッセージをもらう事もある。でも、それも縁だし、かしこまったり、何かを伝えようと意気込んでいない、何でもない普段着の自分宛てのトークを聴けるなんて素敵な体験じゃない?
(因みに、ファン想いの伊桜は時々「ストックなし子」とか「ここ2-3カ月取った事無いよって人」などとタイトルを書いて投稿することがある。そんなとき、すでに「ストックあり子」は、たとえ余裕で買えたとしても、そっとスマホを閉じるのであった)

あの件

触れたくない、振りかえりたくない、けど、触れないと今回の話のコアを語れないので振りかえる。

主現場であるLiSAは2021年にデビュー10周年記念のアリーナツアーを行っていた。2020年から予定していたライブがコロナ影響でいくつもキャンセルになり、ようやく開催できたツアーは、7月の大阪城ホールを皮切りに12公演(当時)を予定した大規模なもの。初回の大阪城ホールを終え、次会場の名古屋ガイシホールも盛況に終了した7月下旬、騒動が起きた。

夫に関する文春報道。
詳細は触れたくもないので割愛するが、それによってツアーは大きく影響を受けた。報道直後で開催が危ぶまれた横浜公演はなんとか開催されたものの、その後、真偽の定かではない続報、他誌の追跡記事もあり、何年も前から念願だった8月7日、8日のマリンメッセ福岡公演はキャンセルになってしまった。
これまで、福岡でライブをする度に(福岡ではマリンメッセの隣のサンパレスでライブすることが多い)MCで隣の方向を指さして「次はあそこで、やりたいよねー!笑」っていつもいつも言っていた約束の場所。それがキャンセルせざるを得なくなったことがファンとして悔しいし、大切な大切な10周年記念ツアーに泥を塗ったことも許せなかった。あまりネガティブなことをツイートしてなかった自分が、文句たらたら恨み節、批判の投稿をしていた8月19日、そのオンファイは届いた。

寄り添うアイドル

NightOwlはその時期、メンバーのコロナ感染のため2週間の活動休止中で、伊桜も濃厚接触者として、実家から離れてマンションで一人暮らしを送っていた。

届いたオンファイ動画を開くと、薄化粧のほぼ素顔の伊桜がいた。
伊桜にとってLiSAは、シルシを生誕ライブでカバーするなど、ボーカリストとして水樹奈々さんに次いで尊敬しているアーティストだし、夫のほうのバンドは、ステージを志すきっかけになったほどのファンだった。

(オンファイの内容は個人宛てなので以下は要約です)

そのいおぴが言う、

「やほー、えがさーん。どう?良い感じー!?…良い感じではないかぁ…。」

いおぴもニュース見て、なんだか気持ちが落ち込んだこと、両方とも好きだから複雑でモヤモヤしてまったこと、でも、また普通に応援できるようになったら笑顔で応援したいねと話し、ハの字にした困った眉で切なそうに微笑んだ。
そして、

「こんな良い感じじゃない日は美味しいもの食べよ!伊桜は今日ハンバーグ食べた笑。この暮らし(マンション隔離期間)も、もう少し!また会って話したいなぁ。しゃべったら元気でるよ!笑」

見終わった途端、ふと涙がボロボロ出た。ささやかな一人のファンに、こんなアイドルが寄り添ってくれることってあるんだろうか?
良く、アーティストはライブのMCなどで、「一緒にいるよ」と言うけど、そうしたメッセージは、受け止めた我々がそれぞれ自分に照らして解釈し、納得することで寄り添われたように感じる物だと思う。まさか、こんなふうに"今"の気持ちに寄り添われるような経験は初めてだった。これがライブアイドルの距離の近さなのか。これをきっかけに、よりいおぴを、NightOwlを本気で推していこう、という想いのステージが数段階切り変わったと思う。"推す"というか、いつか来る終わりの瞬間まで、応援を続けようと心に決めた。


相手側にもいおぴみたいにファンがいることを慮って批判ツイートは消したし、もちろん翌日はハンバーグ作った。

アイクルドール at 新木場コースト

2021年8月22日。ついに自粛明け、NightOwl始動。東京で最初に会えたのは、今は亡き新木場コーストで開催されたアイクルドール。
ちょうどその前日には、福岡公演をキャンセルしたLiSAが、次の札幌公演以降はツアーを再開することが発表されたばかりだった。

特典会では久しぶりに会えた嬉しさと、オンファイのお礼と、ツアー再開のこと、全部伊桜のおかげ!ありがとね!とめちゃ早口でまくし立てていた気がする。この日は最後にファッションショーもあるということで、ランウェイを歩くいおぴを見ることができたのも楽しく元気いっぱいになった。

翌日、心斎橋VARONで、あの衝撃の2周年記念単独ライブが開催される。

この時点で、いおぴは"そのこと"を知っていて、この日の新木場コーストのステージをしていたのか。そんな状況なのにファンに対して慰めの声をかけてくれたのか。振り返ると、なんて自分は短絡的で、自分事を中心にただ喜んでいただけなのか。いおぴの当時置かれた状況を想うとに胸が張り裂けそうになる。

2周年ライブの幕開け

心斎橋VARONは、我儘ラキアもNightOwlもデビューライブをした、QOOLONG事務所のオタクにとっては聖地である。
NightOwlの2周年記念ライブは、メンバーのほのぼのとしたツイートや、ちょっとダサいデザインの2周年記念"NiceOwl"Tシャツの話題、ホームのライブハウスでやる事も含めて、和やかな雰囲気で始まった…。

続く。

これは、『折原伊桜』と自分の物語。
または王国の建国についての歴史書、もしくはお手紙かもしれない。


”Do your best till the end
The Night is long that never finds the day"

〜夜明け前

闇や夜の印象のあるNightOwlが、暗いところから夜明けに向かって駆け出すようなイメージがあって、実はかなり好きな曲。
振りコピ覚えたら、途中で振りが変わってがく然とした記憶w